《世界の国旗》

メールで反応をどうぞ。伝言板に反応をどうぞ。

更新状況
ハワイの旗関連は別ページです。

2008.2.6 イラク暫定国旗
2007.8.10 文献追加
2005.9.9 イラク国旗小変更と憲法草案での国旗
2005.1.16 『Album2000』改訂情報
2003.12.30 文献追加『世界がよくわかる国旗図鑑』『世界の国旗と国章大図鑑』
2003.10.3 米国旗を掲げるホームセンター
2002.9.24 The world encyclopedia of FLAGS』「星条旗」翻訳
2002.5.14 東ティモール国旗
2002.4.25 授業書『世界の国旗』特設ページ開設
2002.2.22 「アフガニスタンの旗」 レポート「アフガニスタン新国旗」
2002.2.12 「アフガニスタンの旗」 FOTWのアフガニスタン新国旗

2002.2.6

「アフガニスタンの旗」 アフガニスタン新国旗

2002.1.29

アフガニスタンの旗」 アフガニスタン新国旗案

2002.1.8

アフガニスタンの旗」 改訂。

2002.1.2

アフガニスタンの旗」 旗グラフ公開

2001.12.23

授業メモに「100年前の国旗一覧表」改訂版

2001.12.20

レポート公開「旭日旗」 に旧日本軍の旗の資料を追加

2001.12.18

レポート公開「旭日旗」

2001.12.13

旭日旗ファッション

2001.11.29

虹の旗」追記 「グリーンピースの旗」

2001.11.27

ミニ国旗問題集「アフガンの旗と虹の旗

2001.11.15

文献追加 『旗』

2001.11.14

アフガニスタンの旗」 追記。反応とアルカイダの旗。

2001.10.26

レポート「カナダの旗」公開。 HBTK

2001.10.23

「英連邦の旗」 追記

2001.10.21

「英連邦の旗」

2001.9.28

パキスタンでの反米デモの旗

2001.9.26

授業メモに「100年前の国旗一覧表」追記。
『世界国旗大観』について 

2001.9.23

アフガニスタンの旗」 追記。

2001.9.22

アフガニスタンの旗」 旗の変遷年図更新。レポート公開。

2001.9.19

アフガニスタンの旗」 旗の変遷年図完成

2001.9.17

アフガニスタンの旗

2001.9.6

Pavillons Nationaux et Marques Distinctives

2001.8.29

ホイットニー・スミスの最新刊など。文献追加

2001.8.27

The world encyclopedia of FLAGS』「十字の国旗」追記

2001.8.25

レポート「十字と三日月の国旗」第一部公開。

2001.7.24

レポート「中米の旗」公開。

2001.7.23

中米の旗」いくつかの「問題」

2001.7.22

中米連邦諸国の旗の変遷一覧

2001.7.11

The world encyclopedia of FLAGS』「中央アメリカ連邦共和国

2001.7.7

The world encyclopedia of FLAGS』「大コロンビア連邦共和国

2001.7.5

The world encyclopedia of FLAGS』「赤旗」

2001.7.3

The world encyclopedia of FLAGS』「汎アフリカ色」

2001.6.21

創価学会の旗

2001.6.2

ハワイ関連を独立ページにしました。【ハワイの旗】へ。

2001.6.1

ハワイ王国と日本の条約文 「ハワイの旗」追記。

2001.5.24

レポート公開。「EUと旗

2001.5.21

関連旗と解説。「ハワイの旗」追記。

2001.5.20

旗の変遷。関連旗も紹介。「ハワイの旗」追記。

2001.5.18

'Ohanaの意味。「ハワイの旗」追記。

2001.5.17

旗の変遷が判明。「ハワイの旗」追記。

2001.5.16

ハワイの旗」追記。

2001.5.15

ハワイの旗

2001.5.14

日本旗章学協会

2001.5.11

最近の国旗の本『世界の国旗大百科』

2001.5.9

The world encyclopedia of FLAGS』「汎アラブ色

2001.5.4

創価学会の旗

2001.4.21

レポート「第二次世界大戦と国旗・軍旗の変化」公開。

2001.4.5

国旗ROM

2001.4.4

新しい米国国旗

2001.3.20

The world encyclopedia of FLAGS』分冊の改訂版発売。

2001.3.18

変わる軍旗,変わらない軍旗」,「第二次世界大戦と軍旗の変化」も公開。

2001.3.11

The world encyclopedia of FLAGS』「オランダ三色旗の影響」

2001.3.10

The world encyclopedia of FLAGS』「三日月と星」

2001.3.9

The world encyclopedia of FLAGS』「国旗の仲間わけ」「十字の国旗」

2001.3.8

The world encyclopedia of FLAGS』間違いなど追記。

2001.3.7

The world encyclopedia of FLAGS』内容紹介を追記。

2001.3.6

EU旗の起源と星の数

2001.3.3

The world encyclopedia of FLAGS』内容紹介。

2001.2.27

文献追加。『The world encyclopedia of FLAGS

2001.1.13

「国旗カードゲーム」の紹介

2000.11.29

アンドラ国旗変更

2000.11.16

絵とき世界の国旗』で「イスラム教徒の割合」への疑問

2000.11.15

せかいの国旗セット」紹介。

2000.11.4

インド国旗の意味

2000.10.17

ユーゴ国名変更か。「ユーゴスラビア問題

2000.10.13

ユーゴスラビア問題」を【はみだしたな】より移しました。

2000.9.28

「英国という王国の成立の歴史」紹介

2000.9.20

「シドニー五輪で見た世界の国旗」朝鮮統一旗,台湾オリンピック旗

2000.9.16

「シドニー五輪で見た世界の国旗」
「『絵とき世界の国旗』で気になる国旗」も追記。

2000.8.22

「『絵とき世界の国旗』で気になる国旗」は行を追記。

2000.8.21

「『絵とき世界の国旗』で気になる国旗」た行な行を追記。

2000.8.20

「『絵とき世界の国旗』で気になる国旗」さ行を追記。

2000.8.19

「『絵とき世界の国旗』で気になる国旗」か行を追記。

2000.8.18

「『絵とき世界の国旗』で気になる国旗」のページをつくりました。

2000.8.15

便利な国旗付き地球儀「手づくりペーパー地球儀」の紹介。

2000.7.26

「アイリッシュ・ハープ」の起源は「ブライアン・ボルー・ハープ」。

2000.7.25

「アイリッシュ・ハープ」紋章の起源にいて。『アイルランド』書評。

2000.7.15

FOTWサイトよりセント・パトリック・クロスについて全訳。
池田毅司さんのレポート「アイルランドの旗の謎」公開。

2000.7.10

池田毅司さんから反応「アイルランドの旗の謎」

2000.6.27

『ユニオン・ジャック物語』よりセント・パトリック・クロスの謎ほか

2000.6.26

『ユニオン・ジャック物語』よりバナーとスタンダードの違いなど

2000.3.26

〈世界の国旗ミニ問題集〉pdfファイルで公開。

2000.3.5

各国国旗の由来と国祭日』から情報追加。ここで。

2000.3.4

文献追加。『各国国旗の由来と国祭日
その文献から得た情報をここで掲載。

99.11.24

「ペルシャの国旗」の意外な事実。
下記のリンクミス修正。

99.10.31

生徒さんたちが作った「新しい日本の国旗」PDF形式で公開。

99.10.28

テストを実施。

99.10.20

文献追加。しかし縦横比の謎は深まるばかり。

99.10.9

授業の様子 「国旗に使われている色」
ペルシャの国旗が見つからない。
文献の整理

99.10.7

モザンビーク,ガイアナ,ジンバブエの国旗について。

99.10.6

「穴あき国旗」,ルーマニア国旗の変遷。

99.10.4

ルワンダの「R」の字体,スリランカとイラクの国旗図案について疑問。

99.10.2

エチオピア国旗変更。サウジアラビア国旗変更か?

99.9.29

『世界旗章大図鑑』入手。
国旗とは。

99.9.25

国旗と国章について。

99.9.23

やはり「太陽のマーク」が疑問。
図版「アフリカの国ぐに」のページがおかしい。

99.9.22

平野さんのお手伝いをすることになり,国旗の縦横の比率が気になってきて,何冊かの国旗の本(洋書も)を注文しました。
国旗のデータ集を購入しました。

99.9.16

世界の国旗を通信販売しているサイトをみつけました。

99.9.15

[問題11]「国旗の中に太陽のマーク」への疑問。
池田毅司さん,平野孝典さんより「授業書のミスプリと国旗の変更」について確認のメールをいただきました。確認されたところには、赤文字で確認の内容を入れておきました。

99.9.14

強力なホームページを発見。データがすごい。しかし日本のページには,とってもあやしい旗がたくさん。

99.9.13

西サモアが国名変更。

99.9.1

授業書中のミスと思われる部分などをいくつか見つけました。また授業書の段階から変化した国旗についても書きました。確認済み

99.8.29

独立したページにしました。ほかの社会科学関係のサイトとのリンクを考えてのことです。自作国旗データ,おすすめサイト情報,ビンゴ用シート画像を追加しました。

99.8.26

2学期に入って,とうとう我慢ができず授業をスタートしました。

99.5.25

これはボクの大好きな授業書の一つです。そして一度授業してみたいと強く思っています。でも理科担当のボクは,なかなかふんぎれずにいるのですが・・・。

主要文献

インターネット World Flag Database  http://www.flags.net/ 国旗の縦横比も表示。検索も容易で,大変使いやすい。
Flags Of The World  http://www.ace.unsw.edu.au/fotw/flags/ 国旗についての詳細な最新情報や,過去の国旗までがわかる。いくつかのミラーサイトがあるので,更新頻度が高く,接続速度が速いところを選ぶと良い。
CD-ROM 『Windows&Macintosh版 世界の国旗コレクション』 インプレス販売 97.2 2200円(書籍扱い) 国旗が拡大しても汚くならないベクトルデータで収められている。データだけでなく,立派な書籍もつく。72年当時の国旗データしかないのが残念なところ。
書籍

(入手可)
Alfred Znamierowski
The world encyclopedia of FLAGS
Lorenz Books 1999 $40
装丁といい,中身といい,現代版の『世界旗章図鑑』である。著者の謝辞にもホイットニー・スミスの名前がある。国旗の縦横比も出ている。「World Flag Database」でも一押しの本であり,「三色旗の原典」とか,「穴あき国旗」とかの分類が《世界の国旗》みたいで,読んでいてとてもたのしい。この本は,分冊化もされていて,そちらでは誤植などが訂正されている。
Alfred Znamierowski
『World Flags Identifier』Lorenz Books 2000
上記の本から「The world of flags(世界の国旗紹介)」の部分だけ取った本。しかし,誤植などが訂正されており,小さい本なので,とても使いやすい。
辻原康夫 『世界の国旗全図鑑』 小学館 98.1 「国旗から海外領土・国際機構・先住民族の旗まで」とタイトルにあるように,たくさんの旗がオールカラーで収録されている。解説やコラムもなかなかよく,現在座右の書となっている。
辻原康夫 『世界の国旗大百科』 人文社 2001.4 上記の書籍の実質改訂増補版。さらに内容が深まり,縦横比なども記載されてより使いやすくなった。
吹浦忠正監修 『学習漫画 世界の国旗事典』 集英社 90.11 マンガであるが,データ量は豊富。ただオールカラーではないので,国旗のイメージがつかめず読みにくい。
『Flags』 (Eyewitness Handbooks) '99. DK Publishing. 以前に池田毅司さんが『たのしい授業』に紹介していた洋書『The Ultimate Pocket Flags of the World』(97)の最新ハンドブック版。The Flag Instituteの協力なので,上記のWorld Flag Databaseの書籍版と考えて良いのであるが,なぜか国旗の縦横比が違っている。またそのサイトよりも,こちらの本のほうがずっと詳しく紹介されている。スペインの国旗を紋章の入っていないNational Flagで紹介しているところなど,内容は信頼できる。上記『世界の国旗全図鑑』とそろえて置いておくと,大変役に立つ。毎年最新版が発行されている。
Whitney Smith
『FLAG LORE OF ALL NATIONS』
Millbrook Press  2001 ¥2700ぐらい
出たばかりのホイットニー・スミス(国旗学の権威)の最新刊。子ども向きの本だが,書名の『旗の科学研究』通りに,国旗学的にもかなり配慮がある。縦横比を意識した図版と,6分類の旗の用途についてもすべての国旗について記載されている。用語解説や文献紹介も良い。本文がちょっと変わった書体を使っていて読みにくいのが唯一の欠点か。広くおすすめできる本である。国旗の正確な最新情報としても信頼が置ける。
森護『ユニオン・ジャック物語 英国旗ができるまで』中公新書 中央公論社 1992  英国旗について詳しいのはもちろんだが,国旗学全般についても詳しい。「バナー」と「スタンダード」の違いなども解説されている。
Noel du Payrat Armand編著
『Pavillons Nationaux et Marques Distinctives』
Service Hydrographique et Oceanographique de la Marine,France
2000
ISBN 2-11-088247-6

購入価格約2万円
最近の国旗の本」にて紹介。略称『Album2000』。改訂情報あり。
ウィリアム・クランプトン著 吹浦忠正日本語版監修

『旗』ビジュアル博物館 第16巻

同胞舎発行 角川書店発売

1998.9発行 3400円
旗がイラストではなく,実物写真で示されているところなど,類書とは違っていてたのしめる。絵本のようにながめてたのしめる本である。
『世界がよくわかる国旗図鑑』 講談社 2003.6 板倉聖宣先生の『絵とき世界の国旗』によく似ていると思ったら,巻末の「参考資料」のページに『絵とき』が「本書の先輩格の本」として紹介されていて,模倣したことがわかる。しかし国旗の図がすべて2:3になっていて,とても見苦しい。しかも,大きな国旗の図はみな波打ったようになっていて,理解に苦しむレイアウトをしている。しかし内容は疑問に思えるところもあってなかなかたのしめる。
苅安望『世界の国旗と国章大図鑑』平凡社 

2003.11
著者は日本旗章学協会会長。国旗の縦横比が正確に表現されているなど,内容についてはかなり信頼できる本。ただ面積一定ではない。縦横比を表現して面積が一定なのは,板倉聖宣先生の本だけである。

この本は国旗よりも国章の本としてたいへんおもしろい。日本には国章がないのであるが,日本のページには皇室紋章が描かれているのが,とても残念である。国章がないのであれば,そこは空白にすべきであろう。
辻原康夫監修『よくわかる国旗と国名由来図典』出窓社2004 国名の由来が書かれていて,暇なときに手に取るとたのしく読める。ただ国旗の比率が2:3なのと,内容に不正確なところも見受けられる。
辻原康夫『徹底図解世界の国旗 カラー版―国旗の由来・配色の意味から,正しい比率と色まで』新星出版2007 各国の「独立した日付」が載っています。しかし,この本によると「世界で一番古く独立した国は中華人民共和国で独立は「紀元前1600年」,二位はエチオピア連邦民主共和国で「紀元前1000年頃」,そして三位が日本国で「紀元前660年2月11日」となっている。
 この本は総ルビで子どもでも読めるように配慮してあるのだが,まったく学問的ではない本である。
書籍(古本) ホイットニー・スミス 『世界旗章図鑑』 平凡社 1977 国旗学の基礎文献。ただレイアウトが悪く,文章がよく途切れるので読みにくい。現在品切れ中なので,古本でのみ入手可能。
内藤堯 増補 各国国旗の由来と国祭日』同文館
昭和六年
当時の日本人の考え方が分かっておもしろい。また各国の国旗の説明では,新しい発見がたくさんあった。詳しくはここで。
須基浩 『世界国旗大観』 ともえ商会 1910 授業書にも登場する約100年前の本。


米国旗を掲げるホームセンター


 北海道と青森に店舗を持つホームセンターの「サンワドー」は,すべての店舗前にいつも米国旗を掲揚しています。こんどボクの家の前にも店舗ができることになって,どうもその米国旗が気になってしかたなくなりました。さてどうして米国旗を掲げているのでしょうか。


予想

 ア 米国資本の会社もしくは社長が米国人だから

 イ 実はあれは米国旗によく似ている社旗

 ウ 米国を理想としているから

 エ そのほか







 サンワドーのサイトにも,でかでかと米国旗がありました。しかしこの会社は米国とは何の関係もないようです。サイトには米国旗について何の説明もなかったので,メールで問い合わせてみることにしました。

 その回答ですが,やはりあれは米国旗でした。米国旗を掲げる理由を三つ教えてくれました。まず,「アメリカンドリーム」だそうです。これは「星条旗に描かれている星の数ほど店をつくる」という願いだそうで,「〈夢は,強い気持ちを持っていると必ず実現する〉という想いを星条旗に込めた」そうです。次の理由は「ホームセンターは,アメリカで生まれた」というもので,最後の理由は「とにかく目立つということ」だそうです。たしかに目立ちます。どこからもクレームはこないのかなぁ?ボクとしては目の前に米軍基地か何かができたようで,あまりよい気分しないのですが。(2003.10.3)



東ティモール国旗

 

 『たのしい授業』2000年4月号に載った野戸谷睦さんの「東ティモールの旗」。あれから2年がたって,ようやく今月5月20日に東ティモールは独立の時を迎えます。

・憲法

 憲法がWebで公開(www.easttimor.com)されていました。それによると,「2002年5月22日の本会議で国民会議は以下の東ティモール民主主義共和国憲法を制定し公布する」とのことです。この憲法には,国名や国旗についても定義されています。


・国名

 正式国名は「東ティモール民主共和国」です。「民主」が入っているのが気になります。「社会主義」という意味が含まれているのでしょうか。それは国旗についてもいえるのです。


・国旗

 憲法の条文を翻訳します。

第1部 基本原則
第15節 国旗

1.国旗は長方形で,その上に覆い被さるふたつの二等辺三角形よりなる。旗の長さの半分に等しい高さの黄色の三角形の上に,高さがその三分の一の黒の三角形をおく。黒三角形の中心には,五つの先端がある白い星をおく。白い星のひとつの先端は旗の上部右端に向いている。旗の他の部分は赤である。


2.色の意味
黄:植民地主義の軌跡
黒:打ち負かされなければならない反啓蒙主義
赤:民族解放運動の苦闘
白:平和

 なお,上記のサイトには次のような国旗が載っています。

 黒の三角形の高さは横の長さの3分の1だと思うのですが,この図ではもっと小さくなっています。

 また,「色の意味」まで憲法で規定されているのは驚きます。その内容も普通ではありません。

 「植民地主義の足跡」がなぜ黄色なのでしょうか。ここはかつてポルトガルの植民地でしたが,ポルトガル国旗の主要な色は黄色ではありません。またインドネシア国旗の色とも違います。黒の意味もよくわからないものです。そして,赤がふつうの国旗のように「独立のための戦い」という説明になっていますが,国旗の大部分を占めるこの赤色には国名と同様「社会主義の意味があるのではないか」と思えてきます。この図の縦横比は1:2です。


 なお,FOTWなど主要な国旗サイトでは,まだこの国旗は紹介されていませんが,www.theodora.com/flagsには,「2001.11.28採用」として,以下の旗が掲載されています。上記の旗とは縦横比が異なって3:5となっています。縦横比は憲法では規定されていませんが,黒の三角形の高さと星の向きで,決まるものです。


 またこのサイトには,「以前の国旗案」として,次のような旗を紹介しています。









(2002.5.14)


◎切手に見る国旗

 東ティモール政府は次の四種類の切手を発行しました。これらの切手は,オーストラリアが無償で製作したものです。これらの切手は,オーストラリア郵政省のサイトで購入できます。いくつか注文しました。http://www.2.auspost.com.au/stamps/intro.asp


 独立の様子を伝えるニュースなどを見ますと,この切手にある国旗のデザインが正しいようです。黒△は黄色△の三分の二の高さです。星の大きさは一定していないようです。また縦横比は1:2と思われます。

(2002.5.20)









最近の国旗の本

須基浩 『世界国旗大観』 ともえ商会 1910

 日本で初めての「解説付き」国旗本です。当時の独立国52の国旗が載っていますが,一カ国だけは,解説のみで国旗が載っていません。その国はどこだと思いますか。

 それはデンマークです。なぜ国旗図版が載っていないのかは,全く不明です。

 また載っている52カ国はどういう順番に載っていると思いますか。

予想

 ア 地域別
 イ 日本からの距離
 ウ アルファベット順
 エ アイウエオ順
 オ そのほか



 最初,ボクは国旗がどういう順番で並んでいるのかがさっぱりわかりませんでした。そこで本をよく読んでみると,「いろは順」と書いてありました。

 さて,国名は「露西亜」のように漢字で表記されているものと「ペルシヤ」のようにカナで表記されているものに分かれています。この違いはなんでしょうか。


予想

 ア 歴史のある国は漢字
 イ 漢字表記が難しい国はカナ
 ウ 日本と関係が深い国は漢字
 エ そのほか



 これがなんと,「日本との条約締結国」が漢字で表記されているのです。ペルシャは「波斯」と漢字で書けるはずですが,条約締結国ではないため,「ペルシャ」という表記です。おもしろい。

(2001.9.26)





『Pavillons Nationaux et Marques Distinctives』

 日本旗章学協会の事務局長さんから紹介していただいた本で,とても美しい本です。加除式のファイルとなっていて,毎年内容の更新があります。フランス海軍水路海洋学局が集めたデータを元にして発行されているもので,FAXで注文できました。ISBNもついているので,洋書店でも注文可能かも知れません。「現在の国旗をいかに正確に表現するか」ということに重点を置いていて,色は配色まで指定してあって,印刷もとても綺麗です。縦横比の他に,デザインの構成比まで示してあります。旗の用途分類もしっかりしています。その代わり,旗の起源や意味,地方の旗などについては,一切の記述がありません。

 この本を見て,とにかく驚いたのは,それまで他の文献で得ていた国旗のイメージががらりと変わったことです。FOTWなどの文献とは違う国旗がたくさんあり,とても興味をそそられます。図は,チュニジアの国旗ですが,このようなデザインの国旗が載っている他の文献はありません。気になってチュニジア政府のサイトで調べてみましたら,まさにこのデザインの国旗がそこにありました。

 事務局長のお話でも,「一番信頼できる文献」とのことです。FIAV(旗章学協会国際連盟)会長の紹介と推薦文も載っています。

 この本はかなりの伝統がある本のようです。1990年版まではフランス語のみだったのですが,この2000年版からは英語も併記されているので,助かります。

 「前書き」の全部と「はじめに」の一部を訳しておきます。一部がフランス語からの訳なのでちよっと苦しかったです。

(2001.9.6)











『国旗と識別標章(National Flags and Distinctive Markings)』
SHOM編
OUTREMER海事出版 2000

前書き


 『国旗と識別標章』2000年版は,1990年版に取って代わるものです。この版は,2000年1月14日までの,フランス海軍水路・海洋学局(SHOM)からの最新情報を含んでいます。

 この本は,主に以下の文書に基づいて編集しました。

 ・『国旗と識別標章』1990年版
 ・大抵はフランス外務省経由でフランスや外国の海軍や政府機関によってもたらされた情報,フランス船舶
  の船長からの報告や,この本の読者からの寄稿
 ・最近発行された旗章学の書籍


 この本のユーザーは,SHOM中央施設(EPSHOM)に,どんな間違いや脱落も報告するように求められ,どんな改良点も提案することを奨励されています。たとえ不完全で未確認のであれ,どんな情報も歓迎です。

 この本の目的は,英仏両方の言語で,海や港で遭遇するかも知れない船舶の,すべての船舶旗と旗と標識を紹介することです。

 様々な国旗,船舶旗,船首旗,三角旗,国家や政府,海軍の長の識別旗,海運事業の旗,軍と国家所有の航空機のマーク,自治領の旗が国別にフランス語での名前のアルファベット順に掲載されています。
 海上で見られそうな主要な国際組織の旗と漁業監察旗も巻末に収録しています。

 SHOMはこの本を改訂するにあたり,その研究と情報の吟味に特別な注意を払っていますが,間違いや脱落がないことを保証するものではありません。

 この本の旗は情報としてのみ公表されています。その国家をフランスが承認していることを示しているものではありません。

海軍水路学局技術将校
Yves DESNOES


はじめに

 この本は1819年に当時としては格段に優れた内容の『主要国の海上の旗』として始まった伝統を持っています。そして船舶の船長の役に立つように19世紀から20世紀を通して改訂されてきました。『主要国の海上旗全図鑑』は,1858年,アムラン海軍大臣のときに出版され,前書きを書いた司令官の名前から『グラの図鑑』として有名でした。それは,旗章学の世界で偉大な参考図書のひとつです。数多くの国旗と識別のための旗が正確に記述され,旗の本の先駆けと考えられていて,19世紀末よりアメリカ,オーストリア・ハンガリー,英国,ドイツ,オットーマン,ロシア海軍によって発行されました。

 今日『国旗と識別標章』は,海上で見られる旗,国旗,国家元首の旗,公民及び海軍の職権による階級旗,船首旗,三角旗に航空機の国籍マークについてのすべての情報を含んでいます。およそ200の独立国と約30の海外領土が網羅されています。この本は,主に船が民間のものか軍隊のものか,礼砲を撃つに値する国家元首や高官が乗っているのかどうかなどの船籍を明らかにする必要のある船乗りのために作られたものです。

(中略)

国際旗章学協会連盟(FIAV)会長
 ミッシェル ルパン


・改訂情報

 出版元変更で改訂が滞っていましたが,このたびサイトから改訂版の注文ができるようになりました。この本は加除式ですので,改訂されたページを差し替えることになります。また,この機会に本そのものも購入できます。

 このサイトはフランス語ですので,以下を参考に注文してください。注文より2週間ほどで到着します。2005.1.16

 まず以下のページにアクセスします。

http://www.cartes-marines.com/categorie.cfm?textrech=album

 そのページで買いたいものをカートに入れたら,上部にあるカートの絵のとなりの「ACHATS」をクリックします。するとカートの中身が表示されますので,下の一番右「Validar la commande」をクリックして進めます。

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・辻原康夫 世界の国旗大百科』 人文社 2001.4 2800円

 日本語の国旗のデータ本としては一番信頼できる辻原さんの『世界の国旗全図鑑』の実質的な改訂増補版です。「どこで調べたのか」と思うほど,国旗以外の民族旗などについても詳しいです。国際的な組織の旗についての記述も詳しく,研究心をそそります。この本のことは,池田毅司さんが教えてくださいました。感謝です。

 


この本には「ハワイの民族旗」(左図)が紹介されています。しかし,誰がいつ作ったものかは不明。中央は,ハワイ王室のシンボルだそうです。

 詳しいことは「ハワイの旗」で。











 Alfred Znamierowski
The world encyclopedia of FLAGS』
The Definitive Guide to International Flags, Banners, Standards and Ensigns
Lorenz Books 1999.12初版 $40

(左の写真は米国版のもの。英国版のものは表紙中央がユニオンジャック。)

『世界旗章百科事典』
世界中の旗,バナー,スタンダードとエンサインの決定的なガイド

◆世界の旗についての決定的資料集。
◆軍用旗,王旗,公民旗,海軍旗,そして国旗の魅力的な側面を明らかにする。
◆紀元前3100年頃からの旗の歴史と旗の起源と発展を図示。
◆旗の背後にある象徴を検証して説明。
◆支配者の旗,官吏,戦いの旗,そして海軍と商船の旗についての情報。
◆1400以上のカラーイラスト。



 World Flag Database でのおすすめの本だったので,購入した。体裁も中身も『世界旗章大図鑑』の現代版で,とてもたのしい。縦横比にも気を遣っており,図版も大変美しい。(ただ横が長い国旗は面積が大きくなってしまっている。)このポーランド人の国旗研究者は,最近いくつかの本を出している(板倉聖宣先生も購入)ので,著者のことが気になって,著者紹介を翻訳してみた。

 アルフレッド・ナミエロスキーは国旗学の主要な人物の一人であり,著名な国旗画家です。彼は1960年代に旗についてのたくさんの本を出版し始め,1965年からは,イタリア,フランス,ドイツ,そして合衆国で国旗の研究に取りかかりました。
 1978年には,1981年に国際国旗学会(the International Federation of Vexillological Associations)に加盟することになる「国旗デザインセンター」をサンディエゴに設立しました。
 この20年間,彼の書いた幾千もの国旗の図は,ドイツ,米国,スウェーデン,ポーランドで百科事典や本,雑誌などで出版されています。彼はまた,多くの都市や行政区,企業,個人のために旗や紋章をデザインしてきました。
 1994年に,彼は故郷のポーランドへ戻りました。彼の旗章デザインセンターは,そこで国旗学紋章学研究所の名の下に発展を続けています。
 その研究所のファイルには,国際的,国別,国家未満の単位に関連した法と規則,公民旗と紋章,そして世界で最大のコレクションのひとつとして幾千もに分類されています。

 著者はポーランド人なので,名字の発音はよくわからない。これからこの本の内容について紹介したい。(2001.2.27)


 

著者の謝辞

 著者はこの本を私の最近の師であり友でもあった,オットフレイド・ネウベッカー博士の思い出と,私を助け励ましてくれたことに対して,ベータ・ジエルブリンスカ(バルソー),ホイットニー・スミス(ウィンチェスター,マサチューセッツ),ロマン・クライムズ(ボン),ジャック・スコルプスキ(バルソー)への特別の感謝として捧げたい。

◎内容

 この本の内容は大きくふたつに分かれています。旗をその歴史や分類で見る「時代の中での旗」と世界各地の旗を解説する「旗の世界」のふたつです。なおこのふたつの部分は,同じページ数で,それぞれ『FLAGS THROUGH THE AGES』,『FLAGS OF THE WORLD』として分冊化されていて,板倉聖宣先生が入手されたのは,分冊化されたものです。

 『Flags Through the Ages』
 A Guide to the World of Flags, Banners, Standards and Ensigns
 by Alfred Znamierowski
 Hardcover, 128 pages, 1st Edition (September 2000)
 Lorenz Books, ISBN 184215267X
 Price: $18

 『Flags of the World』
 An Illustrated Guide to Contemporary Flags
 by Alfred Znamierowski
 Hardcover, 128 pages, 1st Edition (October 2000)
 Lorenz Books, ISBN 1842153374
 Price: $18

 なぜか分冊で買った方が安いですね。

 『Flags of the World』は,現在『WORLD FLAGS INDENTIFIER』とタイトルと装丁を変えた改訂版が売られています。(2001.3.20)





 目次のページを和訳して,ページ数に応じてタイトルの大きさを変えてみたのが,下の表です。


 

タイトル

内容

時代を通しての旗

旗の起源と発展

16

ヴェキシロイド(機能は旗と同じだが形態が異なる),初期の旗,騎士道時代,現代の旗

旗のすべて

26

旗のデザイン,旗のタイプ,材料と技法,旗の部品と装飾品,旗の機材,陸上での使用法と習慣,海上での使用法と習慣,旗のエチケット,旗の争い

皇帝,元首,大統領

16

中世ヨーロッパ,近代世界,現在の旗

政府の旗

10

政府の部門,統治者と外交使節,郵便・税関・沿岸警備の旗,警察の旗

軍の標識

12

戦闘旗,軍部隊旗の規格化,軍功栄誉旗,陸軍旗,空軍旗,特徴的な旗

軍用海上旗と旗

12

歴史を通して戦時海上旗,第二次世界大戦,船首旗,階級旗,就役旗

旗の仲間わけ

29

キリスト教徒の十字,イスラム教徒の三日月,ユニオンジャック,星条旗,オランダと汎スラブ色,フランスの三色旗,基調色,汎アラブ色,汎アフリカ色,赤旗,旗の小集団
旗の世界

ヨーロッパの旗

30

ヨーロッパの国,領地,州の旗

アジアの旗

16

アジアの国,領地,州の旗

オーストラリアとオセアニアの旗

10

オーストラリアとオセアニアの国,領地,州の旗

アメリカの旗

26

アメリカの国,領地,州の旗

アフリカの旗

12

アフリカの国,領地,州の旗

国際組織の旗

3

赤十字からイスラム諸国会議機構まで

地方と地域の旗

6

地方と地域の旗,都市と自治都市の旗

民族と大義の旗

9

民族と人種集団,宗教的旗,叛乱と反抗の旗,政治運動の旗

会社と民間の旗

7

通商と職業,組織と民間の旗,スポーツの旗,ヨットの旗


・参考 ホイットニー・スミス 『世界旗章大図鑑』

タイトル

まえがき

 

5

旗の用語

 

20

旗の生い立ち

はじめに

2

旗の歴史

26

歴史をつくった旗

20

しきたりと儀礼

26

国旗の誕生

98

世界の国旗

はじめに

2

世界の国旗

94

国際旗

2

少数民族の旗

2

象徴その類型

はじめに

5

象徴一覧

31

特殊な象徴模様と旗

8

 スミスの本の原題は『FLAGS THROUGH THE AGES AND ACROSS THE WORLD』であり,構成も似ている。かなり意識したものと思われる。



◎「時代を通しての旗」の巻頭言を翻訳

時代を通しての旗

 旗の魅力的な物語は,幾世紀に渡る人々の生活と野心を反映して,歴史的事件と絡み合っています。ローマ軍の竿の頭部に鷲を付けた旗,ジンギスカンのふちを火炎状にした旗,そして武芸競技大会で中世騎士が運んだ紋章の付いた旗は,すべて旗を今日私たちが知るようなものへと導いた継続的発展の一部です。社会の変化は,初期の地図,本や芸術に見られる,とても装飾的な旗の表現の中に見ることができます。近代の旗は,いかにして19世紀の革命が古い君主制の秩序を破壊し,伝統的な紋章の旗を,とても違った政治的,イデオロギー的主張を意味する単純な象徴的デザインのものに置き換えたのです。

 役に立つ参照のセクションでは,それぞれに簡単に意味を調べられるような参照をつけた,旗の物理的特性が詳しく述べられ,様々な旗のタイプ,旗の使用法とエチケットについても触れます。皇帝,支配者,大統領の旗と政府についての検討は,軍隊の旗を含めて,戦闘旗から軍旗までの軍事的サインの章につながります。旗の分類についての最後の重要な章は,いかにしていくつかの旗がのちの世界の国旗に影響を与えているかについてお見せします。

 いくつかの旗にあるイスラム教の三日月やスカンジナビア十字などの象徴は,それが特別な「旗の仲間」に属していることを教えてくれます。旗の仲間の「親族関係」は,これらの国々が,たとえ植民地のような結びつきがもう存在しないとしても,なんらかの結びつきを示しながら,全世界に広がっています。

◎「旗の世界」巻頭言を翻訳

旗の世界

 国旗を見たときに,思慮深い精神は,旗だけでなく,国そのものを見る。そしてその象徴や記章がなんであれ,その旗の中に,国(や民族)が公にするところの,その政府,その主義,その真実,その歴史を特に読み取るのである。
 ヘンリー・ワード・ビーチャ(1813-1887)『THE AMERICAN FLAG』


 この現代の旗についての総合的な概観は,はっきりと知識を与えることができるようにデザインされています。世界の国々の国旗は,国の位置を示す大陸の地図を最初に示して,それぞれの大陸毎に分類されています。しかし「国家」という言葉は,国際社会で認められた国だけを示すものではなく,領土に住み,共通の血統,歴史,文化,言語,そして宗教をもつ人々の集団をも意味しています。それでここには,事実上の独立国,自治国,半自治領の旗や,連邦や連合国の構成国の旗も含んでいます。

 多くの旗は,とても興味深い物語を持っています。単純な色にでさえ,旗の象徴的「意味合い」への洞察力を提供してくれます。いくつかの旗は,海や空の色としての青のように,自然環境の色を反映している一方で,赤色は国を守る血の精神を表現していることでしょう。色はまた,重要な農作物や国土の地勢を語ることもあるでしょうし,徳目や特質の象徴かも知れません。

 世界の旗の概観を完成するにあたり,地方の旗や,いくつかの国でたくさん使われた自治都市の旗,民族と主義の旗についても記述しています。19世紀と20世紀には,ヨットや民間の旗がとても一般的なものとなり,今日では数多くの,オリンピックのようなスポーツ事業の明確な立場の旗を含み,事業,商業そして個人的または組織の旗があります。


◎明らかな間違い

 この本は,どうやら校正がちゃんと行われていないようです。というのも,明らかな間違いをちらっと見ただけでふたつも見つけてしまったからです。こうなると,ちょっと信頼性に乏しくなるなぁ。

間違い

パレスチナ国旗 165ぺ。説明文には「汎アラブ色」ともあり,明らかな間違い。
中華民国(台湾)国旗 176ぺ。説明文には,「白,青,赤」各色の説明があり,明らかな間違い。

 著者の最新の本を購入しました。

 『WORLD FLAGS INDENTIFIER』 LORENZ BOOKS $9.95

 これは分冊の内のひとつ『FLAGS OF THE WORLD』のタイトルと装丁だけを変えたものです。そして上記の間違いも,すべて訂正されています。(2001.3.20)




◎「旗の仲間わけ」 巻頭言を翻訳
 「Flag Families」100ぺ〜

 文明があれば,必ず旗がある。全くの原始社会や遊牧生活者たちを別にすれば,文化とは自ら何らかの種類の旗,しかも文化が違っていても,形態の面では著しく共通するものをもつ旗,を生むものらしい。旗の機能は社会の別に無関係にほぼ一致し,また地域や社会が異なっても旗の使い方には,いろいろな点で対応するものが見られる。

 旗には強力な伝統がある。この伝統の強力さを思うと,私たちがこの世には旗を作り使うよう人間を駆り立てるひとつの法則,自然の法則ではなく人間社会の法則,があると推断してもそれほど間違っているわけではないに違いない。この推断をたぶん最もよく裏付けるのは,国旗の制定を求める国際規則や条約が別にないのに,どの国も例外なく少なくとも1種類の国旗は制定しているという事実である。各国とも仰々しい儀式によって,自国の国旗が特別の尊敬の対象であることを明らかにしている。

ホイットニー・スミス 『世界旗章大図鑑』 1975
(この部分は平凡社版の日本語訳をそのまま引用した)

 中世では,陸上の旗は,主として支配者や軍隊の印でしたが,海上では,国籍を表すのに使われました。17世紀と18世紀の国際貿易の発展により,より多くの国が商用旗を制定し,これらは港だけでなく内陸でもよく知られるようになったのです。このように海に面しているたいていの国では,商用海上旗,もしくは似たような旗が,結局国旗となったのです。

 ニューヨークの国連本部や,ブリュッセルのNATO本部,国際的なスポーツイベントに掲げられる様々な旗を見ていると,「なぜ世界のあちこちの国の旗が似たようなデザインなのか」不思議に思うことでしょう。たいていの場合,その類似性は意図的なものです。それは,共通の歴史,習慣,関心の表現かもしれませんし,または他国を宗教的政治的モデルと見なして,国旗もまねたのかもしれません。

 国旗の類似性は,旗自体の使用と同じぐらい古いものですが,旗の使用法は19世紀までは大きな発展はなく,20世紀の間にさらに発展したのです。約195の独立国のうちたった12ヵ国だけが,1800年以前につくられた旗を持っています。これらのうち,デンマーク,英国,オランダ,ロシア,米国,フランス,トルコの7ヵ国は,10の大きなグループと,3つの小さなグループに分類できる130を越える国旗と海上旗のデザインと色に影響を与えています。いくつかの旗は,たとえば「汎アラブ色」と「イスラムの三日月」,「フランス色」と「十字架」のようにふたつ以上のグループに属しています。


■レポート「十字と三日月の国旗」

 以下の「キリスト教の十字」「イスラムの三日月」をまとめてレポートにしました。まだ第一部のみの完成ですが,公開いたします。副題は「北欧諸国と十字旗」かな。


「十字と三日月の国旗」 crossflags.PDF 248KB レポート本体

「北欧地図」 nordmap.PDF 14KB 参考用地図

「北欧諸国の旗の変遷年表」 norden.PDF 52KB  まとめの一覧表


 これらのファイルはPDF形式です。


キリスト教の十字(本から翻訳して要約)

 十字は古代の呪術的サインのひとつでしたが,今日では,キリスト教のシンボルと見なされています。キリストの死後最初の100年間,キリスト教のシンボルはギリシア語の「IXΞYΣ(=FISH)」(イエス・キリスト,神の子,救世主のアクロスティック)でした。3世紀になると,キリスト教社会は,錨に横木を足したもの,また人が両手を水平に広げたもののように十字に似たシンボルを使い始めました。326年になってコンスタンチン大帝の母である聖ヘレナが「キリストのはり付けに使った十字架を発見した」と言われています。それで十字が,殉教,復活,贖罪,救済のシンボルとなっていったのです。

 9世紀から12世紀の終わりにかけて,北ヨーロッパでは,マストのてっぺんに金属製の十字架を掲げることが商船の印でした。後になって十字は,南北ヨーロッパで都市や国家の商用海上旗の紋章として一般的になります。

 十字の国旗で一番古い物は,ポルトガルとエルサレム王国の物です。ポルトガルの青十字は,今のポルトガル国旗の紋章にも使われています。

ポルトガル1140-1185

エルサレム王国
1162-1173


▼世界で最初の十字架の国旗


 エルサレム王国の国旗は,FOTWからのもので,小さな十字架がギリシャ十字になっているが,本のものは全部が大きな十字架と同じデザイン。

『万国旗章図譜』(1852)でも本と同じデザインのものが載っている。












 13世紀から14世紀の他の旗や船舶旗は,チュートン騎士団,イングランド,フランス,デンマーク,サヴォア公国のように単純な十字か,バルセロナ,コンスタンチノープルのように十字に別の文様も組み合わせたものを取り入れたものでした。バルセロナの旗は,旗を4つに分割して,2つの部分を十字に,残りの二つをカタロニアの象徴旗としたものです。コンスタンチノープルの旗は,ギリシャ語の「王たちの上に君臨する王の中の王」の頭文字から取ったと信じられている4つの「B」を十字架の4つの腕の間に置いたものでした。この旗は,続く数世紀の間に,少なくとも次のふたつの国,「勇気がロードスを救った」の頭文字である「FERT」を十字の間に置いたサヴォア公国の旗と,ムーア人の頭を十字の間に置いたサルデーニャの旗に採用された旗を思い起こさせてくれます。
 17世紀と18世紀には,十字は,フランスの民間用船舶旗といつくつかのフランスの地方(プロバンス,ピカデリー)と港(マルセイユ,カレー)の旗の主要な紋様でした。公式のフランス民間用船舶旗は,青地に白の十字で真ん中に王家の紋章を入れたものでしたが,それは一般的には使われずに,たいていのフランス商船は地方や港の船舶旗か禁止された白船舶旗を使っていました。このような地中海での十字の広範囲にわたる使用は,ギリシャ,サモス,クレタのような19世紀から20世紀にかけて成立する国家の旗にも影響を与えました。

 14世紀の終わりまで十字の中心は旗の中心と同じでしたが,デンマークの国旗が初めて十字の中心を旗の中心からずらしたものとなりました。この例は,スウェーデン(1569),ノルウェー(1821),アイスランド(1915),フィンランド(1918),フェロー諸島(1919),東カレリア(1920),インガマンランドとオーランド諸島(1921)に受け継がれました。このように旗の仲間わけの中に,スカンジナビア十字というさらに小さい分類ができました。

 単純な対称性のあるラテン十字と同様に,キリスト教の十字にはいくつかの別の形のものがあります。最初のひとつは,1561年創立の聖ステファノ騎士団の戦時船舶旗からのものとして知られるマルタ十字です。この十字の変種が17世紀から18世紀にかけてリボォルノの商用船舶旗に表れました。

 とても古い十字は,この100年の間には,4つの民間用船舶旗と市民旗として表れただけです。スイスの赤地に白十字は,スイスの旗として,カントンへ追加された旗として,すでに13世紀には登場していました。しかし,それは1889年までは国家の象徴(国旗)とはならず,民間用船舶旗として使われ始めた1941年までは海上で使われたこともありませんでした。900年の歴史を持つエルサレムの聖ジョン騎士勲位白マルタ十字は,マルタの民間用船舶旗の赤地の上に表れています。14世紀に作られたポルトガルキリスト教団の十字は最終的に1978年のマディラの旗の中心の紋章となりました。

 様々な形でキリスト教の十字は世界の他の国の国旗や船舶旗にも表れています。それはドミニカやドミニカ共和国の旗であり,1827年から47年のリベリアの旗のカントンにも置かれました。オセアニアでは,それはサモア,リマタラ,トンガタプの民間用船舶旗であり,トンガとワリー エ フトゥーナ諸島では現在も使われています。

(2001.8.27追記)


現在の十字の国旗の中で一番古いのが,1625年採用のこのデンマークの国旗です。

 この本では,「斜め十字」を「キリスト教の十字」の仲間に入れていません。


・イスラムの三日月

 三日月は,人類社会に知られているシンボルで最も古い物のひとつです。太陽とともに,紀元前2300年も前から,アッカド印璽に見られ,少なくとも紀元前2世紀からは,三日月は,メソポタミアの月の神であった,シュメールのナンナとバビロニアのシン(「天と地のランプ」)のシンボルでした。三日月は,中東でよく知られ,フェニキア人によって8世紀には,遠くはカルタゴ(現在のチュニジア)にまで伝えられました。12世紀には,トルコ人によって採用され,それから三日月にはよくひとつの星がくっつくようになり,『コーラン』の第53章でも触れられて,イスラムの主要なシンボルとなりました。

 三日月を伴う旗の最古のものは14世紀の航海図とフランシスコ会の写本にあります。これらの資料での三日月には地の色などに大きな相違点があります。しかしながら,中東から北アフリカにかけての旗は,『Libro de Conoscimento』の著者により,その地域で三日月が旗に使われていたことが広範囲に行われていたことが確認されています。それらの旗には,ダマスカスの王旗などがあり,上弦の三日月が弦を水平にひとつ描かれています。
 14世紀から15世紀のオスマントルコ帝国旗は,赤地に白の三日月がひとつかふたつ描かれ,16世紀から18世紀にかけては,3つの三日月になりました。1793年には,三日月がひとつとなり,8綾星が加わりました。オスマン帝国が崩壊した後,トルコは世界から「唯一のイスラム国家」と見なされるようになりました。その国旗は,西アフリカから極東にまで知られ,アジアやアフリカの多くの国のイスラム教徒に,三日月と星を有名にしました。1805年にエジプトの軍司令官になったムハンマド・アリーは,一つ星を伴う三日月がみっつついた旗を最初のエジプト国旗として導入しました。この旗は,緑地に白い三日月とムスリムとキリスト教徒,ユダヤ教徒との平和共存を象徴化した三つの白い星でデザインされた,最初の独立エジプトの国旗に影響を与えました。

 この2世紀の間に,三日月と星は,北アフリカや中東のほかのアラブ諸国の旗にも採用されました。トルコに重大な影響を与えられた他の地域は,コーカサスと中央アジアです。第一次世界大戦で独立したいくつかの国は,三日月だけか,三日月と星を国旗に採用しました。


最古の三日月旗
ダマスカス王旗

最古の三日月と星の旗
オスマントルコ帝国1793-1844

星に3宗教の平和共存の願い
エジプト1923-1958


 現在の国旗で三日月を入れているもののうち,一番古いのがトルコ国旗(1793-)です。

・オランダと汎スラブ色

 16世紀終わりにできたオランダの三色旗は,紋章などのないシンプルな近代的な旗の最初のものです。17世紀の間には,オレンジが赤へと変えられていきました。そのわけは,海上ではオレンジが見えずらかったのか,または,オランダ国会がオラニエ家の影響を排除したいという政治的な理由だったのかも知れません。

 18世紀には,世界中で,特に東南アジアや北アメリカ,南アフリカで,この三色旗がよく知られていました。それで南アフリカでは,7つの国家がオランダ国旗をまねた旗を採用しました。アメリカでは,オリジナルのオランダ色がニューヨーク市の旗に使われています。

  オランダ国旗は,中央及び南ヨーロッパのスラブ国家の旗に大きな影響を与えました。1699年にピョートル大帝により直にデザインされたロシアの商船旗は,オランダ国旗がモデルでした。彼は,当時の先進国であったオランダを見て感激し,自分の国も近代化させようとしました。彼の作った商用旗は,いまはロシアの国旗です。

 このロシアの旗は,ほかのスラブ諸国の国旗にも影響を与えて,横縞の同じ色を使って順序を変えた三色旗の国旗がたくさんできました。チェコの旗は,この分類に含まれますが,横縞の三色旗ではありません。この分類に含まれなくても,ロシア帝国から分離独立した国(ベラルーシ,リトアニア,エストニア,アゼルバイジャン,アルメニア,ウズベキスタン,タジキスタン)の横縞の三色旗は,ロシアの旗をまねたものです。

オランダ
16世紀〜1795

現在のオランダ国旗

ニューヨーク市旗
オランダ人が入植



変わった軍旗,変わらない軍旗

 第二次世界大戦と国旗・軍旗

 この本が取り上げている第二次世界大戦後の軍旗の変化が面白くて,ついでに枢軸国と連合国の全部の軍旗の変化について調べてみました。

◎レポート

 「第二次世界大戦と国旗・軍旗」 warflag.lzh(warflag.PDFをLHAで圧縮) 456KB

 授業プランのようにたのしむことができます。上記のタイトルをクリックするとダウンロードします。

 国旗の絵をたくさん入れたため,ファイルサイズが1MB近くになり,LHAで圧縮しました。解凍ソフトを使って解凍し,warflag.PDFを取り出してから,それをご覧ください。warflag.PDFは,PDFファイルです。


・関連ファイル

「第二次世界大戦と軍旗の変化」 Warflags.PDF 276KB



[質問]
 第二次世界大戦は世界の国が大きく連合国と枢軸国に分かれて戦いました。では,以下の国を連合国と枢軸国に分けてみてください。

日本,ドイツ,イタリア,満州国,ブルガリア,ルーマニア,クロアチア,米国,英国,フランス,ソ連,カナダ,インド,中国,オーストラリア,ニュージーランド,エジプト,南アフリカ

[質問]
 枢軸国(日本,ドイツ,イタリア,満州国,ブルガリア,ルーマニア,クロアチア)の国旗は,敗戦後変わった国と変わらなかった国があります。どこの国の国旗が変わったのか,敗戦後の国旗を見ながら予想してみてください。

[質問]

 では現在の国旗で考えてみましょう。枢軸国で現在の国旗が大戦当時と同じなのは,日本だけでしょうか。




[質問]
 では連合国(米国,英国,フランス,ソ連,カナダ,インド,中国,オーストラリア,ニュージーランド,エジプト,南アフリカ)を見てみましょう。連合国の国旗にも,大戦後すぐに変わったものがあると思いますか。大戦後の国旗を見ながら予想してみましょう。


[質問]

 連合国での大戦後すぐに国旗が変わったのは,英国から独立したインドだけです。では,インド以外の連合国で,大戦当時の国旗と現在の国旗が違っている国はないのでしょうか。 


[質問]
 第二次世界大戦当時の軍旗(Naval Ensign)で,違う国で同じ軍旗を使うということがあったと思いますか。

 そんなことはない
 2つの国が同じ軍旗
 3つ以上の国で同じ軍旗



[質問]

 第二次世界大戦では,連合国の6つの国が全く同じ軍旗を使っていました。それは英国の軍旗です。それでは残り5つの国はどこだと思いますか。



[質問]
 枢軸国で国旗が敗戦後も変わらなかったのは,日本だけです。では,日本の軍旗はどうでしょう。軍旗は変わったでしょうか。


[質問]
 日本以外の枢軸国の軍旗は,どうだったのでしょうか。日本と同じように変わらなかった国があるでしょうか。



[質問]
 それでは連合国の軍旗も戦後変わったでしょうか。

 ほとんど変わっている
 少しの国で変わった
 ほとんど変わっていない


[質問]
 連合国で世界大戦当時同じ軍旗を使っていた国は,戦後軍旗を変えたでしょうか。

 全部の軍旗が変わった
 英国以外の軍旗が変わった
 半分ぐらいの軍旗が変わった
 ほとんど変わっていない
 全く変わっていない


[質問]
 軍旗を変えても,まだ英国の軍旗にそっくりなものを使っている国がふたつあります。それはどことどこでしょう。


[質問]
 「軍旗が国旗と同じ」という国が5つあります。どこの国だと思いますか。




 この内容は,プランのようにたのしめるレポートにしました。

 
汎アラブ色

 アラブの国々の国旗は,みな似ています。それらの旗に込めた思いがよくわかりました。以下は翻訳です。(2001.5.9)

汎アラブ色


 初期のアラブの旗は一色で,その多くは部族の銘が記されていたものでした。予言者ムハンマドの伝記作家たちは,彼の旗は白と黒のふたつあったとしています。彼に従うものたちは,白旗の下で7年間戦い,この旗を掲げてメッカに入ったと言われています。白色はまたムハンマドの直の後継者であり,彼が属していたクライシュ族の有力家系であるウマイヤ朝の色でもあります。白旗の下,ウマイヤ朝は661年から750年までイスラム帝国を支配し,756年から1031年までは,スペインのイスラム支配者でした。ムハンマドが使った第二の色である黒色は,ウマイヤ朝を倒し750年から1258年までイスラム帝国を支配したアッバース朝の色です。
 イスラムの色と認められている緑色は,909年から1171年まで北アフリカを支配したファーティマ朝の伝統的な色です。ファーティマたちは,シーア派のイスマイル派のリーダーで,ムハンマドの娘であるファーティマの直系であると主張しています。赤色はムハンマドの曾祖父であるハーシムの子孫であり,代々メッカのアミール(太守)であるハーシム家の色です。現代のハーシム朝の設立者は,メッカのアミールであったフセイン・ブン・アリーで,ヘジャズ王(1916-1924)となり,彼の子どもがイラクとヨルダンの王となりました。
 1911に若いアラブ人のグループが現代的なアラブの旗のデザインを選ぶため,イスタンブールの文芸クラブ(Literary Club)に会して,「アラブの旗は,白・黒・緑・赤の4色からなること」と決めました。その象徴は,サフィー・アラディン・アルヒリーの詩で説明されています。

 白は我々の功績,黒は我々の戦い,緑は我らの大地,赤は我らの剣

 1914年にベイルートの青年アラブ組織(Young Arab Society)の中央委員会は,これから独立するアラブ国家は,ウマイヤ(白)とアッバース(黒)とファーティマ(緑)のそれぞれの色を表すことと宣言しました。しかしながら,1916年6月10日のヘジャズにおけるアラブ革命は,その地域の伝統色である赤一色の旗の下で始まりました。数ヶ月後革命の指導者であったシャリーフ・フセインは,白・黒・緑に彼の家系のシンボルである赤を加えた色を採用する提案を承認しました。その旗は,汎アラブ色の誕生日と考えられるようになる1917年5月30日に掲げられました。
 汎アラブ色の国旗のグループは,この旗が1920年3月にシリア,1921年にイラクにそれぞれ採用されることにより,大きく広がることになりました。白の一つ星(シリア)やふたつ星(イラク)を旗に加えることによって,両方の国は,母国から広まった最初と二番目の国であることを明示したのです。これらの旗のデザインは,あとで少し変更されましたが,汎アラブ色は残り,トランスヨルダン(1921),パレスチナ(1922),クェート(1961),アラブ首長国連邦(1971),西サハラ(1976),ソマリランド(1996)でそれぞれ採用されました。
 1952年のエジプト革命のあと,王制を廃した若き士官たちは,弾圧の時代(黒),血を流した戦いでの勝利(赤),明るい未来(白)を象徴する,赤・白・黒の横縞のアラブ解放旗を導入しました。この旗は,いくつかの共和制のアラブ国家の旗からの発案で,第二世代の汎アラブ色の最初のものと考えられています。エジプトとシリアを表すふたつの緑色の星を加えて(シリアと統合),1958年にアラブ連合共和国の国旗となりました。以降,星があったりなかったりする似たような旗が,イエメン(1962),シリアとイラク(1963),南イエメン(1967),リビア(1969),スーダン(1970)で採用されています。

 

 

 

ヘジャズ1917-1920
最初の汎アラブ色国旗

エジプト王国1922-1952
エジプト共和国1952-1958
緑色が基調

アラブ解放旗

アラブ連合共和国
第二世代最初の汎アラブ色国旗


・汎アフリカ色

 エチオピアの影響だとは授業書から知っていましたが,もう一色の「黒」のルーツは,ちょっと意外なところにありました。では翻訳します。(2001.7.3)

 二つの要因がサハラ砂漠の南の独立国が国旗の色を選ぶのに影響を与えてきています。まず最初で主要な要因は,アフリカでもっとも古い独立国であるエチオビアの国旗の緑・黄・赤からのものです。次の要因は,米国での最初の重要な黒人統一運動の組織者であるマーカス・ガービーが1917年にデザインした,赤・黒・緑の旗からのものです。彼はその旗を世界黒人地位改善協会の旗として作りました。でも彼はその旗が,彼ができるのを夢見ていた新しい黒人国家の国旗となることを願っていました。1957年にガーナが西アフリカで最初の独立国となったときに,これらの色の国旗を採用しました。エチオピアの色に黒い星を加えたその旗は,ガーナの首都アクラでガービーが設立した(訳注:黒人のアフリカへの帰還のための)「黒星汽船会社」の旗から想起されたものです。
 エチオピアの色と,ガーナの初代大統領であったエンクルマによって宣言された汎アフリカ主義の考えは,ほかの多くのアフリカの指導者たちに影響を与えました。事実,ギニアのトゥーレ大統領の1958年の赤・黄・緑の象徴的な意味の解説は,これらの三色を汎アフリカのものとして認めさせるのに助力しました。
 ギニアの例は,他のアフリカ諸国において同じ色を使った国旗を採用することで追従されました。マリ連邦(1959-1961),ルワンダ(1961),ザンビア(1964),ギニアビサウ(1973),サントメプリシペ(1975),カーボベルデ(1975-1992),ジンバブエ(1980),モザンビーク(1983),そして南アフリカ(1994)がそうです。
 1963年,ガービーの色を国旗の主要色に採用したアフリカで最初の国が,ケニアです。そして1964にマラウイ,1967にビアフラが追従しました。これら三つの国旗において,黒は人民,赤は独立のために流した血を象徴し,緑は肥沃な土地と森の大地を表しています。
 エチオピア色はいろいろと変化させられて,ベニン,ブルキナファソ,カメルーン,コンゴ共和国とトーゴで採用されました。ほかのいくつかの国(アンゴラ,中央アフリカ共和国,ナミビア,セイシェル,タンザニア,ウガンダ)では,4色の汎アフリカ色のうち3色を国旗に使っています。
 汎アフリカ色を使った国旗のほとんどは,今も使われ続けています。


 

 

 

エチオピア
アフリカ最初の独立国

マーカス・ガーベィの旗
United Negro Improvement Association

ガーナ
西アフリカ最初の独立国

ケニア


・星条旗 (113−115ぺ)

 星条旗について整理したく,翻訳しました。(2002.9)

星条旗
 15世紀末より北アメリカは英国の入植者によって植民され,一番よく知られた旗は赤船舶旗で,アメリカでは陸上でもそれが使われていました。その旗がよく星条旗といわれる米国国旗に影響を与えたのは自然なことでした。
 最初のアメリカの旗は1775年に採用された商船旗でした。その旗は,13の赤と白の縞だけでできていて,「自由の子」(訳注:独立革命の指導者アダムズの作った組織)の旗にとてもよく似ていました。1776.1.2に大陸軍が掲げた旗も,英国旗をカントンに13の縞をもつものでした。大連合旗もしくは大陸旗と呼ばれた旗は,おそらく偶然の一致ですが,東インド会社の旗と全く同じものでした。カントンのユニオンジャックは,英国への忠誠を表し,東インド会社旗ではなくおそらく船舶旗から採られた縞は,英国支配に対する13植民地の反乱を象徴していました。
 いくつかの証拠は,1776年にはユニオンジャックは星に取って代わられたことを示唆しています。そして,大陸会議は1777.7.14にすでに使われていたデザインのものを国旗として正式採用しました。決議文の内容は,このことを実証します。

決議:合衆国国旗は13の交互に赤と白からなる縞と,カントンに青地に13の白い星が新しい星座を描いているものとする。

 この決議では,カントンの大きさや星の並び方については一切触れていません。事実,そのときから,米国旗のカントンのデザインには異なる二つのものがあったのです。ベッツイ・ロスのデザインといわれるものは,星が円を描いていたのに対し,フランシス・ホプキンスのデザインのものは,星が並列に千鳥状に並んでいました。どちらも星は五稜星で,旗のデザインとしては革新的なものでした。
 この旗が象徴するものについてのひとつの初期の記事は,1777.10にサラトガでの英国将軍バーゴインの降伏のときの旗についてのアルフレッド・B・ストリートの目撃談です。

 星は円形に配置され,連邦の永続を象徴し,その輪はエジプトの環形の蛇のように永遠を表していた。星とともに13の縞は,連合した植民地の数と,それぞれが平等の地位で連邦に従っていることを表していた。

 連邦の拡大は,旗の中に新しい連邦加盟州をどう表すかという問題となりました。バーモント(1791)とケンタッキー(1792)の加盟の後,1794.1.13に採用された旗は,15の星と縞をもっていました。1796から1817年にかけて,さらに5つの州が連邦に加入しましたが,国旗は1818.4.4に「星の数を20とし,縞の数をもとの13に戻す」という国旗法が成立するまでは変更になりませんでした。その第二節には,将来の変更について

 将来の新しい州の連邦加入時には,カントンの星を増やす。変更は,連邦加入の次の7月4日とする。

 それからカントンの星の数は,最新の1960.7.4のを含めて24回も増え続けてきました。1818年から今日まで,13の縞は,独立を達成し最初の米国を作った13の州を表していますが,星の数は連邦の州の数を表しています。
 130年以上もの間,国旗のカントンの星をどう並べるかという公式の規定はありませんでした。それで,星の並べ方には様々なものがあり,一般的だったのは,円形,楕円,菱形や小さな星で大きな星を形作るというものでした。1818年,モンロー大統領は,「星は並列に並べる」と規定しました。これは海軍によって追従され,1912に公式に全部の旗に適用されることになりました。

 米国旗に似た旗を最初に採用した国がハワイでした。目先の利く政治的活動により,ハワイ王国はその旗に,太平洋で最も影響力のあったふたつの勢力の旗,英国のユニオンジャックと米国の船舶旗の三色の縞を組み合わせたのでした。ほかの国は,自由と民主主義の理想の共和国への明確な宣言を米国旗に見て,それを採用しました。それらの国々には,チリ(1817),ウルグアイ(1828),テキサス(1836),バーモント(1837),キューバ(1850),CSA(1861),ルイジアナ(1861),プエルトリコ(1891)があります。他方,いくつかの国は,星と縞を構成体の数を表すものとして使いました。ギリシャ(1822),リベリア(1827),エルサルバドル(1865),ブラジル(1889)とその7つの州,北カフカース(1918),マラヤ連邦(1950),トーゴ(1960),アブハーズ(1992)。








・赤旗(126-127ぺ)

 うーん,革命旗が共産主義を表すということは,「革命を経て共産主義国」ということなのでしょうね。以下は翻訳です。(2001.7.5)

 赤旗は,17世紀初頭より,反抗の旗として使われてきました。でもその革命旗としての本当の役割は,フランスで1830年に始まりました。1848年の革命の間,パリの群衆はそれを国旗にまでしようとしました。それは1870年のパリ市政府によって再び使われ,ほどなく社会主義運動と関連づけられた旗となりました。それから,その旗は,1905,1917,1918年のロシア革命のときに,ロシア共和国に採用され,金の飾り文字をつけられて表れました。同様の旗が,内戦の初期にできたベラルーシ,ウクライナ,極東共和国などのいくつかの独立もしくは半独立の共産党国家で採用されました。赤い星と金色のハンマーと鎌の特徴を持った赤旗が1924年にソビエト連邦の国旗となりました。すぐに赤い星と鎌とハンマー(労働者と農民の道具を交差させたもの)は,共産主義の象徴とみなされるようになり,ほかのソビエト共和国の旗にも表れました。
 第二次世界大戦前はソ連の旗に基づいて国旗を採用した共産主義国はたったふたつで,モンゴル(1924-40)とタンヌトゥーヴァ(1926-1930)です。大戦後ソ連は中央及び東ヨーロッパに共産主義制度を導入しましたが,それらの国の国旗は,東ドイツとユーゴスラビア,ブルガリア,ハンガリーが国旗に国章を入れたのを除けば,変わりませんでした。
 アジアではいくつかの共産主義国が黄色の紋章付きの赤旗を採用しました。その最初は,ベトナム(1945-1955)の国旗と船舶旗で,これは中国(1949),カンボジア(1976-1980),アフガニスタン(1978-1980)と追従されました。1980年にはアフガニスタンの旗の伝統的色遣いは変更され,国章と赤い星が入れられたものになりました。

 アフリカでは,コンゴ共和国(1969-1991)だけがソ連の赤旗を模倣しました。アンゴラ(1975),ベニン(1975-1990),ジンバブエ(1980),モザンビーク(1983),ブルキナファソ(1984)は赤か黄色の共産主義の星を採用しました。鎌とハンマーは,コンゴの旗においてはハンマーとクワになり,アンゴラの旗でははめば歯車となたになりました。

大コロンビア連邦共和国(128ぺ)

 コロンビアなどの三色旗の色の意味にはビックリ。黄色が太いのも理由があったのでした。以下は翻訳です。(2001.7.7)
 吹浦忠正『世界の国旗事典』小学館では,「黄色と赤はスペイン国旗から取った」とスペインが好きで採用したかのような書き方をしています。(2001.7.11)

旗の小さな仲間わけ

 地域的なふたつの旗の小さな仲間は19世紀第一四半期の間のスペインの支配からの自由を求めるラテン・アメリカの闘争です。
 有名なベネズエラの革命家フランシスコ・デ・ミランダ(1750?-1816)は,独自に,血にまみれたスペイン(赤)から,大西洋(青)によって分離された,金色のアメリカ(黄)を象徴する横三色縞の旗をデザインしました。それは1806年の8月4日に,革命軍の敗北にも関わらず,コロンビアの大地に掲げられたことは,忘れられていません。それで,ベネズエラが正式に独立を達成したときに,黄色の縞の幅をほかの二つの色を合わせた幅と同じにした,これらの色を使った旗を1811年6月5日に国旗として採用しました。1812年,ミランダ軍は再び敗退しましたが,1821年に最終的に勝者となりました。ベネズエラは,勝者となった近隣のクレオール人,すなわちコロンビアとエクアドルと一緒に,同じ旗の下,大コロンビア連邦共和国を作りました。1830年にこれが分解したときに,ベネズエラは,この旗を残し,小さな変更を加えて今も使っています。数十年の間エクアドルとコロンビアは違うデザインの旗を使っていましたが,1860年と1861年にそれぞれミランダの三色旗に戻しました。


by Guillermo T. Aveledo (FOTW)


by Jaume Olle' (FOTW)


by Jorge Candeias (FOTW)

大コロンビア連邦共和国

エクアドル1845-1860

ヌエバグラナダ(コロンビア)1831-1861

中央アメリカ連邦共和国(128-129ぺ)

 中央アメリカ連邦共和国(1823は中央アメリカ連合州国)の国旗とアルゼンチンの国旗が関係あったなんてびっくり。そういえば似ています。

 それにしても,わからないことがたくさんで驚きました。連邦の名前一つとっても,短い間にころころと変わるのです。
 United Provinces of Central America
 United States of Central America
 Federal Republic of Central America
 Central American Federation
 Greater Republic of Central America
 アルゼンチンとの関係も気になるし,中南米の歴史や旗を調べていくうちに,発見やわからないことだらけ。そこで思わず中米の歴史の本を何冊か注文してしまいました。(2001.7.11)

 ふたつめのラテンアメリカの旗の仲間は,アルゼンチンの旗とエルサルバドル,ホンデュラス,ニカラグア,グァテマラ,コスタリカの中央アメリカの5つの国を含んでいます。1810年5月,青と白の色がブエノスアイレスでの革命で採用され,青白青の旗が1812年2月27日にベルクラノ将軍によってロザリオに掲げられ,1816年7月25日にアルゼンチン政府に正式に採用されました。その旗は,ルイ・オーリーが1816年に遠征艦隊を率いてきたとき中央アメリカに知られるようになり,その6年後,サンサルバドル(*1)の司令官だったマヌエル・ホセ・アルセ(*2)は,「ベルグラノのアルゼンチン旗」をサンサルバドルの国旗として採用しました。それは1822年2月20日に捧げられ,一年後には新しく作られた中央アメリカ連合州国の旗のモデルとされました。国旗(船舶旗)の中央には,「神,連合,自由」のモットーが金文字で入れられ,政府旗には連邦の紋章が中央に入っていました。どちらの旗も,1823年8月21日に定められました。紋章の主要な特徴は,ふたつの大洋の中の5つの火山を描いた三角形です。三角形は平等とその三つの角が政治の三権(立法・行政・司法)を象徴するフリーメーソンのシンボルです。5つの火山は,大西洋と太平洋の間の連邦を構成する5つの国家を表しています。1838年の連邦解体のあと,各国は様々な国旗を使いました。最初に青白青の旗に戻したのは,ニカラグアで1854年のことでした。続いて1865年にはエルサルバドルが追従しました。コスタリカは,幅広の赤縞を追加し(1848),ホンジュラスは青の5つ星を追加し(1866),最後にグァテマラがその配色のまま縦縞にしました。


by Jaume Olle' (FOTW)

 

アルゼンチン1812-1818

中央アメリカ連合州国官用旗
United Provinces of Central America

 

・訳注

 *1 サンサルバドルは1821年中央アメリカの諸都市で初めて,スペインとグァテマラに反抗して独立を目指して立ち上がった。22年には,併合目的に侵入したメキシコ帝国軍と交戦した。1834年に中央アメリカ連邦の首都になった。

 *2 1823に中央アメリカ連邦初代大統領に就任。


★中米連邦の変遷

 いくつかの書籍に当たってみましたが,名称の変遷について詳しく述べられているものはみつかりませんでした。FOTW(http://www.fotw.ca/flags/cam-us.html)を元に,一番詳しかった以下の本を参考にまとめてみます。国名の和訳は僕がしたものです。

 寿里順平 『中米=干渉と分断の軌跡』 東洋書店 1991 2980円

国名

国旗

記事

1823 United Provinces of Central America
中央アメリカ連合州国

by Jaume Olle' (FOTW)

あえて連邦ではなく「州の集まり」としたことで「ひとつの国家」という姿勢を明確にしている。
  United States of Central America
中央アメリカ合衆国
「州」だったのが「国」に変化。連邦制へ移行。
1824

-

1838
Federal Republic of Central America
中央アメリカ連邦共和国

by Jaume Olle' (FOTW)

明確に連邦体制であることを主張。1838連邦解体して各国は独立へ。
1851 Central American Federation
中央アメリカ連邦


by Antonio Martins and Fred Drews (FOTW)
「ひとつの国」というより「連邦」に。

ホンジュラス・エルサルバドル・ニカラグアで構成。紋章中の火山が3つになっている。
1895
-

1898
Greater Republic of Central America
大中央アメリカ共和国

by Jaume Olle' (FOTW)

「ひとつの国」に戻るが,「大」をつけたりするあたり,現実は末期的症状だったのだろう。

ホンジュラス・エルサルバドル・ニカラグアで構成。紋章中の火山が5つに戻っている。

中米連合の基本的な差異

独立宣言議事録で「中米は一国家(大文字)である」と規定したが,その後の1823年の制定会議で「中米は連邦共和国である」と変更した点が,その後の各国の見解不一致の根源となった一国家→複合国家による連邦→独立国家の連合体の順できずなを弱めていった。したがって「中米連邦」といっても統合力が強まったことを意味しない。

『中米=干渉と分断の軌跡』 208ぺより  

★独立記念日

 この本によると「中米五ヵ国の独立記念日は1821年9月15日」とありますが,この日に何があったのかは不明です。

わかりました。この日にスペイン本国の弱体化を懸念したグアテマラ総督府が本国政府から独立したのです。当時のグアテマラ総督府は中米五カ国を統治していました。


★中米連邦諸国の旗の変遷

 どうもよくわからないので五カ国の旗の変遷を一覧表にしてみました。しかし,FOTWの記述と他の文献と合わないこともたくさんあり,混乱しています。ニカラグアのカリブ海沿岸部は英国の保護領ともなっていましたが,そのことは省きました。また独立時のグアテマラ総督府の旗はまだわかりません。とにかく五カ国が内乱状態でであったことだけはよくわかりました。(2001.7.22)

 CAflags.PDF 142KB


 このファイルはPDF形式です。


★レポート

 このレポートを読み終わったあとに上記の「旗の変遷」をご覧下さい。

 
 「中米の旗」 CAflagsr.PDF 1.3MB

 ファイルサイズが大きいのでご注意下さい。ダウンロードには,ファイル名を右クリックして,「ダウンロード」を選んでください。
 
 このファイルはPDF形式です。



★いくつかの問題

 

[質問]

 中米の五カ国は,1823年から1838年まで中央アメリカ連邦共和国を形成していました。それでは,現在この五カ国の国旗はその連邦共和国の国旗と似ているでしょうか。

予想

 ア 似ている
 イ そんなことはない




[質問]

 五カ国の現在の国旗の「青・白・青」配色は基本的に一緒です。これは中央アメリカ連邦共和国の旗が元なのです。世界には,中米以外にも「青・白・青」の配色の旗があります。探してみましょう。



[質問]

 アルゼンチンの旗と中米五カ国の旗は,何か関係があるのでしょうか。

予想

 ア 似ているのは偶然
 イ 中米の旗をアルゼンチンが真似した
 ウ アルゼンチンが中米の旗を真似した



 スペインからの独立を目指すアルゼンチンの革命軍は空とアンデス山脈の雪を象徴した「青・白・青」の旗を使って,勝利しました。この旗は,その後アルゼンチンの国旗となりました。1816年にルイ・オーリーがニカラグア沖の島でスペインと戦い,中米最初の独立国を作ったときに掲げられたのも,この旗でした。その6年後サンサルバドル市(エルサルバドル)の司令官だったアルセは,サンサルバドルの旗としてその旗を採用し,コスタリカ独立旗にも採用されました。さらに次の年にできた中央アメリカ連邦共和国の国旗となったのです。中央アメリカでは,この旗の青は大西洋と太平洋を表し,白がふたつの大洋にはさまれた中米を表しています。


[質問]

 1838年に連邦が解体したあと各国は別個に独立しましたが1851年に三ヵ国が集まって中央アメリカ連邦を作りました。その三ヵ国はどこどこだと思いますか。





 1849年にニカラグア,エルサルバドル,ホンジュラス三国の統合が話し合われて,1851年には中央アメリカ連邦の旗が制定されました。この統合は失敗に終わり,各国はまた分裂します。しかし1895年に統合案は再び調印され,大中央アメリカ共和国がこの三カ国によって成立しますが,1898年には崩壊しました。

 現在,この三カ国の国旗がとても似ているのは,こうした統合の動きが強かったからなのです。



[質問]

 ではこの三カ国以外のグアテマラとコスタリカはどうだったのでしょうか。グアテマラとコスタリカは,連邦解消後それぞれ独立して,次のような国旗を使っていました。これらの国旗も元になっているのは連邦の国旗ですが,それぞれある国に影響を受けています。どこの国の影響かわかりますか。世界の国旗一覧を見ながら考えてみましょう。




 エルサルバドルの国旗

 自由派と保守派




[質問]

 次の図は中央アメリカ連邦共和国の国章です。山が5つ描かれているのが参加五カ国を象徴しています。それでは,次の国章にはいくつの国を示す象徴が描かれているでしょうか。


・中央アメリカ連邦(エルサルバドル,ニカラグア,ホンジュラス)

・大中央アメリカ共和国(エルサルバドル,ニカラグア,ホンジュラス)

予想

 ア 5つ
 イ 3つ
 ウ そのほか


[質問]

 現在の国章ではどうでしょうか。現在の国章にも連邦加盟5ヵ国を表す象徴が残っているでしょうか。


予想

 ア 残っている
 イ 残っていない
 ウ 3ヵ国を表す象徴がある


[質問]

 連邦共和国の国旗には,官用旗の他に公民旗もありました。この公民旗は,今も全く同じデザインである国の政府旗や海上用公民旗,陸上用軍旗として使われています。その国はどこだと思いますか。



「英連邦の旗」

 前から気になっていた英連邦の国々の旗について調べていきます。

 このレポートは,今月のサークルで発表する予定です。

・レポート

 「カナダの旗」 Rcanada.PDF 630KB

 英連邦シリーズの第一弾のレポートです。カナダの紙幣の秘密もわかります。このファイルはPDF形式です。

 まず始めに,The world encyclopedia of FLAGS』より「ユニオン・ジャック」の部分を全訳します。


ユニオン・ジャック

 1200年代から1600年代初期まで,商船と軍艦の両方に使われた英国の旗と船首旗は,白地に赤の聖ジョージ十字のものでした。スコットランドの旗は,青地に聖アンドリューの白十字でした。そして,1606年4月12日にイングランドとスコットランドの王であったジェームズ1世が布告を出しました。


 今後,この島の臣民と大ブリテン王国とその構成員は,紋章院によってつくられた規定に従い,一般的に聖ジョージ十字と呼ばれる赤十字を上に,聖アンドリュー十字と呼ばれる白十字を一緒に組み合わせたものを設けることとする。

 これはすぐに世界で一番よく知られるようになった旗の出生証明でした。

 1634年まで,この旗は商船と軍艦の両方で使われていました。その後,この旗の使用は,王所有の船か,王の直接の命令で運行している船に限られることになりましたので,イングランドの商船は聖ジョージ十字に,スコットランドの商船は聖アンドリュー十字の使用に戻しました。同じ時期に,赤地に聖ジョージ十字をカントンに置いた商用船舶旗が使われるようになり,後に1674年の布告により法制化されました。この布告は,一般的に聖ジョージ十字といわれた白地に赤十字の旗と船首旗を保持し,ユニオン・ジャックの使用は違法であると繰り返し警告していました。それにも関わらず,フランスでの入港税免除や,オランダでの水先案内人を使う条件の免除のようなよりよい保護を受けるために,多くの商船の船長は「王のジャック」を使い続けました。
 1801年1月1日,大ブリテン連合王国とアイルランドがひとつになったときに,聖パトリック十字と呼ばれた赤の斜め十字が,アイルランドを表すものとして選ばれました。その起源は,英国系アイルランド人のフイッツジェラルド家の紋章,1783年に採用された聖パトリック勲位の紋章のデザインからのものでした。白と赤の斜め十字を交互に入れ替える考えは,両者の地位の平等を保証するものであり,芸術的見地からのものでもあります。新しい連合旗は1606年の商用船舶旗と海軍の3つの艦隊で使われていた赤・白・青船舶旗のカントンを置き換えました。1864年7月9日の海軍を艦隊に分割するのを廃止する海軍本部命令は,赤船舶旗を「すべての英国船の船舶旗」とする一方で,白船舶旗は王立海軍専用としました。青船舶旗については,以下のようになっていました。

 公官庁による任についているすべての船舶,王立海軍予備隊の士官により指揮されている船の許可を得た,運輸省・海軍の公民部局(現在所属する部局の紋章をつける)の仕事に従事するすべての船舶に用いられる。


 1865年の植民地防衛法により,「植民地の業務に所属するか,常勤するすべての船舶」に「旗の外側の部分に植民地の紋章をつけること」によってこの旗の使用を許したことで,青船舶旗の使用は拡大しました。この法律は,カントンにユニオン・ジャックを配したおびただしい数の旗を作ることになりました。先の世紀の間に100を越える植民地船舶旗が使われ,その中には,オーストラリア・ニュージーランド・フィジー・ツバルのように,多少の変更の後で,独立後の国旗となったものもあります。
 正式には,英国の植民地の民間用船舶旗は,いつでも(今も),紋の入らない赤船舶旗でした。わずかに少数の自治領とひとつの植民地が,紋章をつけた英国の赤船舶旗を使う権利を獲得していました。その特権は,最初にカナダ(1892)に許され,続いてニュージーランド(1899),オーストラリア(1903),南アフリカ(1910),バーミューダ(1915),マン島(1971),ガーンジー(1985),ケイマン諸島(1988),ジブラルタル(1996)と与えられていきました。最後の二つの紋章は古代が起源のものです。ガーンジーの民間用船舶旗にある金の十字は,征服王ウィリアムが1066年のヘーステイングスの戦いの勝利で完結する出征に乗り出す前に,法王から与えられた王旗の主要な紋なのです。ジブラルタルの船舶旗は,1502年7月10日にスペインのフェルナンド王とイザベラ女王によって許された紋章を含んでいます。いくつかの英国植民地は,赤船舶旗の影響を受けて,独立後に赤旗のカントンに国旗を入れたデザインの民間用船舶旗を導入しました。ここにあげたイラストの例のように,スリランカ,バングラデシュ,ソロモン諸島の民間用船舶旗は,このデザインのものです。
 陸上用・海上用旗のカントンに国旗を追いやるという英国の新制度は,徐々に大英帝国と正式な関係を持たない多くの国々の商船旗にも影響していきました。縞のあるエリザベス期の船舶旗の例は,1640年のポルトガルに同様の船舶旗を採択させました。青・赤船舶旗は,ハノーバー(1801-1866),サルデーニャ(1821-1848),ギリシャ(1822-1828),中国(1928-1949),台湾(1949-),スペイン領モロッコ(1937-1956),サモア(1948-1949),クメール共和国(1970-1975)の国旗や民間用船舶旗とフランス植民地の旗(「フランスの三色旗」を見よ)のモデルとなりました。
 合衆国の旗は,後で述べるように,英国船舶旗をモデルとした最初の旗のひとつです。

 おもしろいでしょ。もうこうなると調べたいことがたくさん。でもサークルには間に合いそうにないなぁ・・・。





世界の国旗のホームページ


 世界の国旗が検索できるホームページがあります。The Flag Instituteのデータベースのサイトです。

 World Flag Database  http://www.flags.net/

もちろん詳細な図版付きです。これは便利だろうなぁ・・・。(99.5.29)

 このホームページ全体をダウンロード(保存)しましたら5MB弱ありました。これでゆっくりとみることができます。国旗以外にも「NATOの旗」「OPECの旗」などがあっておもしろかったです。(99.6.24)
 NATOの旗は,十字が基調です。彼らは「十字軍」のつもりなのかも。

 ここの日本に関するページの内容がおもしろいです。【はみだしたな】へどうぞ。

 Flags of the 19th and 20th Century
 フランスのMark Sensonさんのサイトです。
 http://home.wxs.nl/~marksens/descr/index.htm

 このホームページには,ナチスなどの古い国旗があります。(99/8/29)



Flags Of The World (FOTW)

 Flags of all the States

http://www.fotw.ca/flags/

  国旗データベースの真打ちサイトを発見しました。このサイトは検索がやりにくく,デザイン的にもよくありませんが,データ量はピカイチです。過去の国旗から,その国の地方別の旗まで載っています。ただ日本のページを見ると,そこには「アイヌの旗」「盾の会の旗」などと見たこともない旗までが載っていて,ちょっと信憑性にかけます。この日本のページのことは,【はみだしたな】に書いておきます。(99/9/14)

 このサイトには国旗の研究家が自由に意見を書いています。国旗研究にとって,どんな文献よりも役に立つサイトです。



◎準備したもの

 初めて授業をするために,ルンルン気分で準備をしました。

・国旗カード
 A4の大きさで十分と考えて作成しました。上記のホームページがとても役に立ちました。そこで見つからなかった国旗は,グラフィックソフトで自作しました。ホームページのデータをA4大に拡大するのには,「ディジーズームプリント」が役に立ちました。

・自作した旗

 上記のホームページにはない旗を自作してみました。適当に作ったので,恥ずかしい仕上がりですが,載せておきます。公開する旗は,授業が進むにつれて,増えてゆく予定です。(99/8/26)

赤十字旗

トランスバール

オレンジ自由国

アイルランド王国

赤新月旗

       

旧連合王国

       
 旗をクリックするとダウンロードできます。クリックしてから,旗をさらに右クリックして「名前を付けて保存」を選んでください。それぞれほんの2〜5キロバイト程度でGIF形式です。実際の使用を考えたらwmfなどのベクトルデータのほうがよいのかもしれません。検討してみます。
 色がおかしいときは塗りなおしてください。
 赤十字旗と赤新月旗は,赤十字のホームページでもよいもの(大きな図版)が見つかりませんでした。



・生徒用資料
 『世界の国一覧表』(世界の動き社)があるとよいのですが,取り寄せる時間がなかったので,『イミダス』に載っている世界の国旗一覧を旧ソ連の国旗など,そこに載っていないもの含めて(『世界の国旗』カラー見本より)カラーコピーしました。それをB4厚紙の両面に貼り付けたものを用意しました。

・ビンゴ用国旗カード
 ビンゴ用としてB6サイズの国旗カードを作ってラミネート加工しました。

・ビンゴ用生徒用国旗一覧
 ビンゴ(マッキーノ)用に22ヶ国を選んでA4一枚にまとめたものをラミネート加工しました。

 マッキーノ用に22ヶ国を選ぶのには,ずいぶんと悩みました。ボクなりに考えて,
  「サミット参加国」「日本に近い国」「日本と貿易額の多い国」を中心に選びました。

  「ビンゴ用シート」 BINGO.gif 78KB    左のタイトルをクリックすると表示とダウンロードができます。



 準備は結構大変でお金もかかりましたが,準備が進むとだんだん期待が盛り上がっていって,とてもたのしかったです。(99/8/25)


CM

★ミニ授業書〈世界の国旗〉用「現一覧にない旗のサンプル」……2000円(送料別500円)

 ソ連・旧中華民国・旧南アフリカ共和国・オレンジ自由国・トランスバール国・満州国・ナチスドイツ・イタリア王国・ペルシャ・タイ・イングランド・スコットランド・アイルランド・旧連合王国・台湾の全15ヶ国の旗サンプル。A4サイズの厚手画用紙にカラー印刷。授業の際に、教室に掲示して使うと、便利!。


前崎彰宏さんのホームページ 「たのしい授業の<楽市・楽座> 前崎商店」にてhttp://member.nifty.ne.jp/KASETSU-AKKI/shakai.html




◎実際の授業
 最初3年生だけで実施の予定だったのですが,準備をしていくうちに4年生のみなさんともたのしみたくなって,結局両学年で同時進行でスタートしました。
 生徒さんたちは「マッキーノ」が大好きです。まずマッキーノをします。そのあと授業書に入りました。「おいおい地理の授業になってきたぞ」という声もあがりましたが,たのしんでやってくれています。みんなボクと同じく国旗が好きなのです。色塗りをはじめると,「塗り絵,私大好き!」なんて声もあがりました。
 やってよかったなぁ・・・。(99/8/25)


◎授業書のミスプリントと疑問,変更になった国旗や国名

 板倉聖宣 『世界の国旗 世界の地理と歴史を考える』 仮説社 97.6 第4版

には,いくつかの間違いや変更点があるようです。下記の点について何か情報がありましたら,教えてください。

・21ぺ イングランド王国の配色が逆  ミスプリント
 赤地に白十字となるように塗るように書いてありますが,正しくは白地に赤十字です。(99.9.1)

・30ぺ コモロ回教の国旗は新しくなっている  国旗の更新
 1996年後半より新しくなって,「アラー」と「マホメット」の文字が入ったものになっています。また
 吹浦忠正 『世界の国旗 ポケット図鑑』 主婦の友社
などでは,コモロの国旗の月と星の図案が斜めに傾いたものになっています。これは「World Flag Database」(http://www.flags.net/COMO.htm)によると,「1996年半ばまで誤解されていた国旗の図案」だそうです。
 また同サイトによると,新しい国旗は「アラー」の字が入っているので,「商業的(特に衣服)に使用することは,冒涜とみなされる」と注意書きがあります。そういえば,以前運動靴の底のパターンが「アラー」と読めることが問題になったことがありました。「アラー」という字をよく見ると,なるほどと思えます。(99.9.1)

・30ぺ チュニジアの国旗のデザイン  ミスプリント?
 授業書に載っているチュニジアの国旗は,ほかの資料で見る国旗とデザイン(三日月のところ)が異なっています。これは単純なミスだと思われます。(99.9.1)

・38ぺ 「国旗の中に太陽のマーク」 疑問
 [問題11]で「太陽のマークを大きく出している国旗を探してみましょう」とあるので,生徒さんたちは,それはもうたくさんの太陽のマークがある国旗を探してくれました。でもその次の「お話」で出てくる国旗は,その一部(北朝鮮,台湾,フィリピン,アルゼンチン,ウルグアイ)のみ。しかも「太陽を大きく国旗に描いたものは東アジアの国々に多いのが特徴といえるでしょう。」とあるではありませんか。これにはとっても違和感を感じます。
 そこで下記のような表を作ってみました。また地域の分類と国旗は,外務省のホームページにある「世界の国旗」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/world/kokki/index.html)に従いました。
 うーん,やはりアジアに多いか。(99/9/15)

アジア州 大洋州 アフリカ州 北アメリカ州 南アメリカ州 ヨーロッパ州 NIS諸国
日本,
北朝鮮,
台湾,
フィリピン,
ネパール
キリバス ニジェール,
マラウイ,
アンティグア・バーブーダ       アルゼンチン,
ウルグアイ
マケドニア カザフスタン,
キルギス,
 でも「北朝鮮の国旗の白丸が太陽を表す」というのは,ちょっと疑問。ボクが調べた限りでは,そういう証拠はみつかりませんでした。もう少し調べてみます。


 吹浦忠正監修 『学習漫画 世界の国旗事典』 集英社 90.11 によると,ますます「太陽のマーク」が分からなくなりました。この本では,韓国・ラオス・バングラデシュの国旗の中にある円も「太陽を表す」(韓国については「太陽と月を表す」)となっているのです。そして,北朝鮮の円形は,「陰陽を表す」として,太陽ではないとされています。(99.9.23)

Flags of all the States のサイトによると,ラオスの国旗のシンボルは「月」です。バングラデシュはでは,赤円の由来は書かれていませんが,「太陽」としては分類されていません。韓国のシンボルについても「陰陽を表す」ということです。『世界の国旗事典』で韓国のシンボルが「太陽と月を表す」というのは,陰陽を「月と太陽」に当てはめた解釈だと思われます。北朝鮮の白円についても,「太陽」としては分類されていません。(99.9.23)



・40ぺ 文章中  ミスプリント
 「ウルグアイの国旗の中にある太陽は省略することができます。」とありますが,ウルグアイではなく,アルゼンチンの間違いだと思われます。「World Flag Database」によると,アルゼンチンの正式な国旗は,「太陽の図案が入っていないもの」で,太陽の図案が入っているものはState flag(政府旗?)といって,「政府や国外での政治的職務の際に掲げられるもの」とのことです。ただアルゼンチンについては,State flagが慣習的に国旗として使われるようになっているとのことです。(99.9.1)


・42ぺ 西サモアが国名変更 国名の変更
 「World Flag Database」によると,1997.7月に国名を西サモアから「サモア」に変更したそうです。(99.9.13)


・56ぺ 「アフリカの国ぐに」 図版の場所がおかしい
 この図版は,本文の内容からいうと,62ぺ〜63ぺに関係するもので,64ぺに入るべき図版でしょう。(99.9.23)

・50ぺ〜52ぺ 国旗と国章 
 エクアドルの国旗について,「World Flag Database」によると,「国章がはいっていないのが国旗だが,コロンビアの国旗と縦横比以外は同じで紛らわしいので,海外では国章の入ったstate flagを使うのが一般的。」とあります。また同様に,グアテマラとコスタリカは,国章の入っていないものが国旗で,入っているものはstate flagとなっています。エルサルバドルでは,国章の入っているのがstate flagで,国旗(national flag)の記載がありません。ニカラグアは,国章の入っているのが国旗とされています(state flagの記載はなし)。

 「Flags of all the states」によると,エルサルバドルの国旗として示されているものには,国章が入っていません。コスタリカの国旗も国章のないものです。グアテマラとニカラグアは,国章の入っているものが載っています。

 このように授業書の記述とは,微妙に異なる点もありますが,国章の入っていない旗が,より広く国旗として認知されているようです。(99.9.24)

・54ぺ ハンガリーの「穴あき国旗」について

 ハンガリーでは,1956年の反政府デモのときに民衆は国章を切り抜いた穴あき国旗を掲げていました。「Flags of all the states」によると,その穴あき国旗は現在でも「政治犯協会(?)」で使われているそうです。またその協会の機関紙の名前が「The Hole」だそうです。(99.10.6)


・55ぺ ルーマニアの国旗の変遷について

 授業書では「旧ルーマニア1947〜89年」として古い国旗が描かれていますが,実際にはその間にも国旗は何度か細かく変更されているようです。「Flags of all the states」に基づいて変遷を詳しく書くと,以下のようになります。また,こういった国旗が使われたのは,1947年からではなく,1948年からとなっています。

・1948  国章に「RPR」(「ルーマニア社会主義共和国」の意味)の文字,赤い星はなし。
・1952.9 国章に「RPR」の文字と赤い星。
・1965.8 国章に「ROMANIA」の文字と赤い星。

 さらに授業書に載っている国章とホームページの1965年の国章は,ちょっと異なっています。授業書の国章には「REPUBLICA」「SOSIALISTA」などの文字も入っていますが,ホームページのものには,「ROMANIA」だけです。
 また,ルーマニアの革命旗である国章を切り取った「穴あき国旗」は,三色旗に戻ることが決められるまで事実上国民の国旗だったそうです。またこの「穴あき国旗」は,クリントン米大統領にプレゼントされたそうです。(99.10.6)



・59ぺ サウジアラビア国旗変更か

  「World Flag Database」にあるサウジアラビアの国旗は,デザインが微妙に異なります。剣の柄の部分が違うのです。また 「Flags of all the states」には,この件について「国旗変更か?」という記載があります。
 また,サウジアラビアの国旗にも「アラー」などの文字があるので,「商業的,特に衣服などに使うことは,冒涜とみなされる」という注意がありました。また文字が入っている国旗のため,国旗の表と裏は同じデザイン(裏返しにしない)になり,必ず剣の柄のほうに旗竿がくることになるそうです。(99.10.2)


・62ぺ エチオピア国旗変更

 エチオピアの国旗は1996年2月に,三色旗の中央に☆型の紋章がはいったものに変更になりました。「Flags of all the states」には「エチオピアには,14陵星の紋章があり,それは14の州を表していた。今回の国旗の変更は,その紋章を思い起こさせる星型の紋章を国旗に入れて,その州の一つであったエリトリアが独立したことに抗議する意味合いもあるのではないか」ともあります。なるほど「戻ってこいよ」といっているわけですね。でもエリトリアの国旗は,エチオピアの国旗と全然似ていないので,エリトリアにはそんな気はないのでしょうが。(99.10.2)


・62ぺ ルワンダ国旗の「R」の字体

 授業書では「R」となっていますが,「Flags of all the states」によると,どうやら書体は厳密に定められてはいないようで,一般的にはゴシック体のように文字に「ひげ」がついていないサンセリフの「R」がよく使われるようです。『世界旗章大図鑑』でも「R」です。(99.10.4)



・65ぺ スリランカ国旗の図案

 授業書のスリランカ国旗にある4つの葉には,葉脈が描かれていますが,同じようにスリランカの国旗を表現している資料は全く見あたらないのですが・・・。(99.10.4)


・68ぺ イラクの国旗の図案

 授業書では,アラビア文字の部分を黒で塗るように示されていますが,文字も☆も緑色に塗るのが正しい配色です。また授業書の図では,文字の部分が「Flags of all the states」などで見るのと比べて簡略化されているように思えます。(99.10.4)


・74ぺ モザンビーク国旗の図案

 授業書では,モザンビークの国旗に紋章が入っていませんが,「World Flag Database」などでは紋章の入ったものが国旗として載っていて,紋章が入っていない国旗は掲載されていません。(99.10.6)

・75ぺ ガイアナの国旗の配色

 授業書でオレンジ色に塗るように指定されているところは,黄色の間違いです。(99.10.7)

・75ぺ ジンバブエの国旗の紋章

 紋章の部分のデザインが授業書とほかの資料で異なっています。ほかの資料では,台のような部分に波線のような模様が入っています。(99.10.7)

・89ぺ ペルシャの国旗

 このペルシャの国旗の図案は,授業書ではマンガのような感じがするので,本物を見てみたく,インターネットで探しましたが,現在のところ見つけることができません。おそらく授業書で紹介されている『世界国旗大観』に載っているものと思われますが,この1910年発行の本は,古本屋でも見つけることができず,探してみたところ,東大の総合図書館にあることが分かりましたが,東大の図書館では借りることができません。うーん。
 イランの旧国旗は,『世界旗章大図鑑』などにあるのですが,それは三色旗にライオンの紋章が入っているものです。ペルシャの国旗のライオンの紋章も,このライオンと似ているのではないかと思うのですが,授業書に描かれているものとは,感じがかなり違います。
 授業書に出てくる国旗で,このペルシャの国旗だけが掲示用のものを作ることができません。うーん,悔しい。(99.10.9)

 板倉研究室へお邪魔する機会がありましたので,『世界国旗大観』を見せていただくことができました。そこには,まさしく授業書と同じものが載っていました。板倉聖宣先生がお持ちの他の古本もいくつか見せていただきましたが,ペルシャの国旗は本によってまちまちです。大きな太陽の中にライオンを描いたものもたくさんありました。どうやらペルシャの国旗は「太陽とライオン」ということだけがたしかなようで,細かいところまでこだわる必要が当時はなかったようです。シャムの国旗の象が,どの本にもきちんとあったので,「当時の日本人は,象は知っていてもライオンを知らなかったから,こんな絵になったのではないか」と板倉聖宣先生にお聞きしたところ,「いや,こういった本は,ほとんどが外国の本をそのまま写しただけのもののはず」とのことでした。
 板倉研究室には,『世界の国旗』にも載っていない国旗関係の本がたくさんありました。「俺は,今でも国旗の権威だからね。でも,なんで俺がやらなきゃならないのかね。」と先生,「そりゃ,板倉先生でなければできませんよ」とボク。(99/11/24)




◎世界の国旗を通信販売しているホームページ

 世界の国旗を売っているホームページを見つけました。値段は高いですが,ほとんどの国旗が入手可能です。(99.9.16)


株式会社 互 研
 http://village.infoweb.ne.jp/~fwbc0791/flag2.htm

 様々なサイズの国旗と卓上旗がホームページ上から注文できます。値段は,70×105センチのサイズで,国によって違って3900円から1,7800円(ケニア)まで。ちなみに国旗ではありませんが,一番値段の高い旗は,オリンピックの旗で1,9800円。


株式会社 更五
 http://www.flag.or.jp/sarago/Menu.htm

 こちらは,2000円(リビア)から2,9000円(アフガニスタンとトルクメニスタン)までです。こちらのほうがたくさんの国旗がありますが,注文は電話になります。ちなみにケニアの旗は1,2000円。随分上の店と値段が違います。


◎世界の国旗のデータ集

 『Windows&Macintosh版 世界の国旗コレクション』 インプレス販売 97.2 2200円

 世界の国旗の画像データが収められているCD-ROMつき書籍です。EPSとWMFのベクトルデータも入っているので,大きな図版もとてもきれいに印刷することができます。しかも「使用権フリー」!ベクトルデータの他には,BMP,GIF,PICT形式でも収録されています。『世界の国一覧表』から製作していますので,内容的にはそれと同じです。残念なのは,縦横の比率がすべて2:3になっている(バチカンとネパール除く)ことです。スイスの国旗まで2:3です。このデータを元に,正しい縦横比のデータを作ろうかしら。
 この書籍はインプレスのホームページから注文できます。


◎国旗とは何か

 ホイットニー・スミス著 『世界旗章図鑑』 平凡社 1977

を入手しました。古書店で1,5000円。読んでみて,「国旗の事を調べるには,まずこの本から」と確信しました。国旗についての基礎的知識を得るのに最適だからです。国旗のことを調べていて困ったのが,State flagの存在です。「公式の政治的職務の際に国外で使用する旗」といわれても,そういう旗がない国に住んでいるボクにはイメージしにくいものがありました。しかし,この本には明確に定義されています。下記に引用します。

NATIONAL FLAG 独立国,特に民族国家を象徴する旗。広義にはかつての独立国,あるいは独立していない民族集団の旗も含める。陸上,海上いずれの場合も国民が個人として使う旗を主に意味する。国の象徴旗は機能に応じて6種類に分かれるが(civil ensign,civil flag,state ensign,state flag,war ensign,war flag参照),これら6種類の旗のいずれをもnational flagと呼ぶ人がある。

 もちろんすべての国が6種類の旗を持っているわけではありません。それでもインターネットで調べていて,この6種類の違いにはずいぶんと悩まされたものです。それにしても,授業書による板倉先生の定義と同じく,「国民が個人で使う旗が国旗」というのには,感心しました。それでは,残りの6種類の旗の意味を引用して下にまとめておきます。

CIVIL ENSIGN 民用船舶旗:商業用船舶または私人が所有する船舶が掲げるnational flagmerchant flagともいう。

CIVIL FLAG 公民旗:私人としての市民が陸上で掲げるnational flag

 このcivil flagを国旗としてふつうは考えて良いようです。

STATE ENSIGN 海上用官用旗:軍事以外の政府船が掲げるnational flag。(以下略)

STATE FLAG 陸上用官用旗:軍事以外の陸上施設が掲げるnational flaggoverment flagともいう。

 このstate flagに国章の入ったものが多いわけです。

WAR ENSIGN 海軍旗:武装した艦艇が掲げるnational flagnaval ensignともいう。

WAR FLAG 陸軍旗:駐屯地など地上の軍事施設に掲げるnational flagstate flagと併掲することも多い。colorとは別物。

 colorとは軍部隊旗のことです。

 うーん,かなりすっきりしました。(99.9.29)

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