■授業書・授業プラン
 授業書(授業プラン等も含む)に関連した話題のページ。

 注:ここに載っているものには授業書ではないものも多く含まれています。

メールで反応をどうぞ。伝言板に反応をどうぞ。


も く じ


「三行ラブレター」 「ないない」「ひと言の詩」


「超高層ビルの火事を消せ」ほか 《生物と種》 鉄は燃えるか(火花と金属)

〈動くもの,動かないもの〉 《たべものとうんこ》 《種と発芽》

〈ぼくらはニワトリ〉 《生物とその社会》 〈たんぽぽ〉 《蒸発と分子運動》

《世界の国旗》
 〈さる・るるる〉 回文ラリラリラ 《三態変化》 〈見れども見えず〉

「さとちゃんちのサンタさん」 《原子とその分類》 〈ようこそ山猫学会へ〉

《モンシロチョウの謎》 《ものとその重さ》  《自由電子が見えたなら》

《たべものとイオン》 《もしも原子が見えたなら》

《静電気の世界》 《ドライアイス》 「ドリルにはごたく」 《錬金術入門》

《社会と人間を動かす力学》(《力と運動の原理》) 《程度のもんだい》 《爆発》 《宇宙への道》

《30倍の世界》 《電子レンジと電磁波》 《続・ぼくらはニワトリ》
国語・ワープロ・ことばあそび 「おはなしめいろ」

発想法カルタ 《空気と水》 《生物と細胞》


「ないない」
 谷川俊太郎さんの「ないないづくし」をたのしむ。
nainai.pdf
2013.1.17

「ひと言の詩」
 
一行詩をたのしむ
hitokoto.pdf
2013.1.17




「三行ラブレター」

 サークルでもたのしめました。

 3lines.PDF

2011.4.4





《蒸発と分子運動》

 授業ノートを作りました。

 JOHATSUnote.pdf

 改訂増補版 2009.8.13


notesjouhatu.pdf










「たんぽぽ」 言葉遊びでたのしい詩の世界へ


 言葉遊びのようで,詩の世界へどっぷりと浸かって子どもも大人もたのしめます。

・「授業プラン〈たんぽぽ〉研究物語」 たんぽぽ物語.pdf 189KB

・授業プラン〈たんぽぽ〉 〈たんぽぽ〉.pdf 2MB

 このプランには「答え」がついていません。まどみちおさんの「タンポポ」という詩が載っている本を別途お買いあげください

 工藤直子編 『せんねん まんねん』まどみちお詩集 童話屋 など





■《生物とその社会》


 有袋類(とディンゴ)の動物たちのぬいぐるみを宗像利忠さんが販売しています。ちゃんとおなかには袋がついています。


Aセット 8500円
(バラは各4500円)

Bセット 8500円
(バラは各3000円)

Cセット 8500円
(バラは各4500円)

Dセット 8500円
(バラは各3000円)

カンガルー親子 ウォンバット ディンゴ フクロモグラ
コアラ親子 バンディクート フクロオオカミ フクロアリクイ
  タスマニアデビル   フクロモモンガ
       

 送料は1500円

全セット(A+B+C+D)特別価格 3,4000円(送料無料)


・ご注文お問い合わせは 宗像さんまで





■〈ぼくらはニワトリ〉

・授業記録 高校3年生のみなさんと 

 Kniwatori88.PDF 1353KB


 このファイルはPDF形式です。

 このファイルは当時の授業記録をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です

 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。







■《生物と細胞》

・授業記録 高校1年生のみなさんと 

 Ksaibou87.PDF 2941KB


 このファイルはPDF形式です。

 このファイルは当時の授業記録をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です

 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。






■《空気と水》第二部


・評価と感想 高校3年生のみなさん

 初任校での評価がいつも正規分布(?)していた頃のものです。「評価最悪か」なんて書いています。

 

 Kkuuki2.PDF 616KB


 このファイルはPDF形式です。

 このファイルは当時の授業通信をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です

 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。




■《種と発芽》

・評価と感想 高校1年生のみなさん

 Ktane.PDF 561KB


 このファイルはPDF形式です。

 このファイルは当時の授業通信をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です

 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。


■《たべものとうんこ》

・授業記録 高校1年生のみなさんと 全32ぺ

 Kunko.PDF 1.2MB


 このファイルはPDF形式です。

 このファイルは当時の授業記録をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です

 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。




■〈動くもの,動かないもの〉

 慣性を扱った山本海行さんの授業プラン。

 高校一年生との授業記録と評価です。


 ugokumono.PDF 314KB


 このファイルはPDF形式です。

 このファイルは当時の授業記録をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です

 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。




鉄は燃えるか

 「鉄は燃えるか」 tetsu.PDF 15KB


 このファイルはPDF形式です。



 室蘭市教育研究会に「小中学校の理科教師相手に,むずかしくなく,たのしめて,授業の役に立つものをやってください」と講師を頼まれました。そのときにやった内容を,今回プランのようにしてみました。これは,仮説実験授業の授業書ではありませんが,「馬鹿のひとつ覚え」があってボクは結構気に入っています。
プラン作成に当たっては,ボクが行った《爆発》のプランの変更と「ポッカイロ」に,仮説実験授業の成果から学んだことを最大限に取り入れさせてもらいました。総合学習などにも使えるかも知れません


■火花と金属

 上記のものを小学生にもたのしめるように全面改定したものです。多くの授業書などの成果を取り込んだために,仮説実験授業研究会の会員のみに研究用として公開致します。このファイルを読むのにはパスワードが必要です。パスワードはメールでご請求ください。

鉄は燃えるか小学校.pdf 91kb





《生物と種》

 「固有種の保存に危機感」という新聞記事への疑問。ここをクリックしてください。


超高層ビルの火事を消せ

 佐々木宗雄監修 『できる・できないのひみつ』学研まんが ひみつシリーズ19 学習研究社 1976.3

というとてもおもしろい本があります。その本から「ちょう高そうビルのてっぺんまでとどくはしご車はできるか?」という章を授業プラン風にしてみました。おたのしみください。ただ内容についての確認作業は,これからですので,ご了承ください。(2000.8.12)


◎ミニ授業プラン

 〈超高層ビルの火事を消せ〉 kaji.PDF 12KB

 上のファイル名をクリックすると見ることができます。

 このファイルはPDF形式です。PDF形式のファイルについては,ここをクリックしてください。

 上記のプランがサークルで好評でしたので,「日本に百階建てのビルは建てられるか?」よりプラン化したものを作ってみました。暫定版ですが,下記のファイル名をクリックすると読むことができます。このレポートは今月の札幌たの授サークルで発表予定ですので,サークルに参加される方は,まだ読まないことをおすすめします。このファイルもPDF形式です。(2000.9.22)

 〈百階建てのビルは建てられるか〉 100kai.PDF 17KB 暫定版


「おはなしめいろ」 杉山亮 さく 『たくさんのふしぎ』(福音館)1991年9月号付録より

 ボクはテストの次の時間は,ことばあそびやものづくりでたのしむようにしています。そのひとつがこの「おはなしめいろ」です。迷路にびっしりとお話が書いてあって,正しい道順をたどって出口に出るとお話が完成すると言うものです。正しいお話をたどることはもちろんなのですが,間違えて違う道へ行って違うお話を読むのもまたたのしいのです。

 「クラゲにどうして骨がないか知っている人いる?誰もいない。あーよかった。じゃプリントを配ります。みんなにいくまで裏返したままにしておいてね。みんなにいった。よーし,じゃあスタート!今までの最高記録は21分です。」

 生徒さんたちはとても真剣にやってくれます。すぐに脇道にずれた人たちから笑いが起こります。最後までたどりつげずに途中であきらめてしまう人もいます。でもみんなたのしめるのです。

 作者の杉山さんが大きな紙にいろんな迷路を書いたものを全国大会で売っていたのを覚えています。おおきなものは授業では使えないので,この「おはなしめいろ」みたいなサイズのものが他にもないのかなぁと思っています。(2000.5.25)


国語・ワープロ・ことばあそび

 もともとは「ワープロの授業もたのしく」というレポートで,2年間受け持つことになったワープロの授業をたのしくするために工夫したことなどをまとめて,同じ趣旨でワープロの授業のことをレポートしていた小浜真司さんと共著にしてガリ本にしようと思っていたものです。しかしその作業が遅々として進まないため,ホームページで公開することにします。

 別ページへ。


《世界の国旗》

 別ページにしました。


〈ようこそ山猫学会へ〉

 毎年最初の出会いの授業の時に,もう十年以上もボクが使っているプランです。PDF形式で公開していますので,そのまま印刷も可能です。ぜひご検討ください。

 welcome.pdf 44KB ここをクリックするとダウンロードします。


・ 生徒さんたちの感想

 yokoso92.PDF 143KB

 このファイルは当時の授業記録をそのまま電子化したものです。生徒名などの個人データが含まれていますので,文書を読むのにはパスワードが必要です。
 パスワードは,お気軽に,メールでご請求ください。


これらのファイルを見るには,Acrobat Reader4.0以上が必要です。

 Acrobat Reader4.0は,下のボタンからダウンロード(無料)するか,雑誌の付録などから入手してください。

 

◎原理の説明について

 プランでは原理の説明を「シーソーの原理」としていますが,生徒さんから「それは違う」と指摘を受けました。どういうことかというと,「シーソーは支点が固定されていて,載せるものが場所を変える。この問題では支点を動かしている」というのです。これにはボクもびっくり。1ε年このプランをやってきて,そんなことをいわれたのは初めてだったからです。しかもその指摘は当を得ているではありませんか。彼女は,問題文も読んでくれるし,なんと授業のノートまで作ってくれています。鹿糠寄江さん(研究会会員)が生徒だった頃に,なんとなく似ています。(2000.5.9)



〈見れども見えず〉

『たのしい授業』98年4月号に紹介されているプランで,「板倉聖宣原作・宮地祐司構成・春原文好改定・増田伸夫再改定97.4版」というものです。

 ボクは,このプランを去年仮説実験授業を受けた生徒たちとの2年目の授業開きに使っています。とってもたのしめるのでおすすめです。(2000.4.13,2001.4.12追記)

・問題1 「月の形」

 この答えを,生徒さんたちはなかなか納得してくれません。《月と太陽と地球》などにつかえる教具として,中村理科から出ている「球の半分が黒で,もう半分が黄色」のものを使っていますが,なかなか。パラパラマンガで月の満ち欠けを示す「月パラ」や山本海行さん制作の「天体写真CDROM」内の「月の満ちかけ」動画がよいです。また「月の満ち欠けカレンダー」もいいです。

 山本海行さん制作の「天体写真CDROM」内の月の満ち欠けの写真を印刷してずらっと並べてみました。これは説得力があります。海行さんに感謝です。


・問題3 「アリの絵」

 この説明には,『ミクログラフィア図版集』(仮説社)のアリの図を使っていましたが,もっといいものがありました。それは仮説社で売っている小さなアリの模型です。これを小さな容器に入れておいて,「実物のアリを捕まえてきました」と紹介すると,教室はパニック状態に。そしてそのアリさんたちは生徒さんたちのおみやげになりました。きっと家庭でも今夜はパニックに。


・問題4 「信号機」

 この問題は高校生の生徒さんたちには簡単みたいです。そこでボクは,次のような追加問題を出します。

「広い道路などでは,道路の両側にこちらを向いている信号機が付いていることがあります。それでは,その右側に付いている信号機の赤はどこにあるでしょう。」

 これは多くの生徒さんたちが悩んでくれます。また「歩行者用信号機の赤は上でしょうか下でしょうか」という問題を出しても,大いに盛り上がります。「それは簡単」という生徒さんがいても,「ホント?自信ある?」とたしかめると,とたんに自信がなくなったりするみたいです。


・お話「見れども見えず」

 この話は難しいなぁ。



「さとちゃんちのサンタさん」

 クリスマスにおすすめ!別ページです。


《原子とその分類》

 特設ページへどうぞ。「授業セット」へのサポートも行っています。


《三態変化》

◎ガリウムが便利

 金属の固体と液体の変化を示すのは,ガリウムが一番便利です。30度ほどで液化しますので,少量ならば,てのひらで温めて簡単に液化することもできます。また液体ガリウムが固体になるときは,見事な結晶となります。ガリウムは高価な金属ですが,ボクが多量に仕入れているのをお分けすることができます。グラムあたり200円です。詳しくは,「ガリウムについて」をどうぞ。(99/11/7)


◎半田で鋳造

 半田も液化しやすい合金で,ガリウムよりはずっと安価なので,生徒さんたちと鋳造をたのしめます。半田そのものから錫と鉛を混ぜて作った方がよりたのしめるでしょう。錫の割合を多くした方が低温でも融けるようになります。
 型は,油粘土を使いました。紙粘土は,繊維がくっついてだめです。油粘土でペンダントなどの型を作って,そこに蒸発皿で融かした半田を流し込むのです。半田の温度が高温だと,粘土から気泡が発生して,うまくいきません。また市販の脂入り半田も,脂が焦げてしまってよくありません。ただ失敗しても,また蒸発皿で加熱すれば粘土と分離し(皿を揺するとよい),油などは燃えてしまいますので,何度でもやり直しがききます。

  大きな面積のもの,彫りが浅いものはむずかしいです。また,型の流し込むところの線が細かったりすると,半田が溢れて失敗してしまいます。テクニックとして,始めに指などで粘土にすりばち状のへこみを作っておいて,そこにイニシャルなどを彫ってやると失敗がありません。
 生徒さん達の作品で一番の傑作は「指」です。指の周りを粘土で固めて,指を抜いて半田を流し込みます。なかなかの芸術作品となります。「金の延べ棒」ならぬ「半田の延べ棒」もなかなか雰囲気があってよかったです。また,5ミリぐらいの幅で十字を彫って作る「十字架」もなかなかのものでした。
 半田が固まる前に,針金で作った輪を入れてやると,できあがってからそこに紐などを通すことができます。
 「偽金作り」をやっている生徒さんもいました。できた「偽1円玉」は,結構なものでした。ホンモノの1円玉の表面が水でぬれているように見えるものができたのです。(99/11/7)

 半田の鋳造に関しては,「鉛の蒸気を吸うと体に悪いので換気に注意した方がよい」という情報を得ました。付記しておきます。(2000/3/15)




自由電子が見えたなら》

・授業ノート

 notesjiyuu.pdf 2009.8.13



◎絵カード

 渡部みゆきさん(愛知県)作成の「絵カード」があると授業がとてもたのしくなります。とってもあったかい感じの絵柄とわかりやすい説明。復習にもとても便利なものです。ただこの授業書用の絵カードは印刷の関係か,2つの問題が1枚の紙に書かれていることもあるので,それは切り離して使っています。(2000.4.18)


◎お金の実験はたのしい

 ボクはいつもお金を使う実験の時には,「どなたか○円もっているお金持ちの人はいませんか」といって,生徒さんたちからお金を借りて実験します。そして実験が終わったら,どんどん白衣のポケットに入れていきます。そして授業が終わったら,「今日はたくさんのご寄付をありがとうございました」といって帰ろうとするのです。生徒のみなさんは,たいてい実験に夢中になってお金のことなど忘れているのでたのしいです。(2000.4.18)



◎巨大アラザンと銀の毒性

 アラザンは小さくて実験しにくいのですが,大きなアラザンが菓子材料のお店には売っています。森永製菓の「デラックスアラザン10号」は,ひとつぶの直径が1センチぐらいもあるものです。しかも中がチョコレートで,とてもおいしい。200g入りで2300円で買いました。このアラザンの情報は森永幸夫さんに教えていただいたものです。
 「銀を食べたあとは,そのままの光沢を保って排泄されるのか」というのが気になっていて,今までに何度かアラザンをたくさん食べて,「次の日実験しよう」と思ったのですが,次の日になると忘れてしまいました。金だとどうなるのかなぁ。これも実験してみたい。どなたか人体実験をしてくださる方はいませんか。
 以前新聞で「銀の過剰摂取による中毒」という記事を見たことがあります。アラザンかジンタンの食べ過ぎだったかよく覚えていませんが,『元素111の新知識』によると,銀は「中毒症状を起こす量は60mg,致死量は1.3〜6.2g」だそうです。銀の指輪を飲み込むと死ぬことができる? そういえば「抗菌グッズ」などにも銀の抗菌作用を使っているものがたくさんあったようです。(99.5.18)


◎金属の熱伝導性

 金属の熱伝導性で思い出すのはいつも,ホテルでの高級ディナーのときに出た銀のスプーンのこと。手で持っている部分は手の熱が伝わってとても暖かいのですが,アイスクリームに触れている先端の部分はアイスクリームに冷やされてとても冷たくなっていたのです。ふつうのステンレスのスプーンでは体験できないことなので,とても驚きました。銀の熱伝導性のよさですね。(99.7.7)


◎金紙の実験について

 最初ボクはこの授業書の実験には,豆電球と乾電池の回路の先にわにぐちクリップをつけたものを使っていました。そして「金紙は電気を通すか」という実験でなんどやっても豆電球が点灯するのですっかり困ってしまいました。かなりたってから気がついたのは,金紙の表面の塗料はとても薄いため,クリップで挟んだりすると塗料をはがしてしまうということです。この実験は「そっと触れるだけ」にしないといけないのです。(99.7.7)

 「金紙は銀紙に色を塗っている」ということを感動的に示す方法を発見しました。マニキュアの除光液でこすればよいのです。表面の塗料が溶けて,銀紙がでできます。ほかの色のホイル折り紙でやっても感動的です。アルコールではまったく色が取れませんでした。また,最近の除光液は「爪の保護のため」として油が混じっているので,よく振ってから使わないといけないようです。2007.4.30

 また,この実験のあとに次のような実験をやってもたのしいです。アラザンの中には,黄色の色を塗って一見「金のアラザン」に見えるものがあります。電気を通しそうなのですが,塗料のために電気を通しません。こすると通します。ホンモノの金を使ったアラザンとは明らかに色具合が違うので,比較してもおもしろいです。2007.4.30


・鑑定人

 金を使ったアラザンでも東急ハンズで売っている「キンキレイ」というアラザンは,ちょっと色が違っています。「キンキレイ」と金のアラザンを見せて,「どちらが本当の金の色?」と聞くと,「キンキレイ」を選ぶ人が多いです。でも「キンキレイ」には赤の食用色素が使われていて,ホンモノの金よりも赤っぽいのでした。ホンモノの金箔を見せると,みなさん納得。もっとも金箔も用途によって,色の違いがありますので,注意です。金箔では銅を添加することによって,色を赤っぽくしています。それでも,金紙の色とはまるで違うことが分かります。

 これは,銀も同じです。ホンモノの銀箔はアラザンと同じ白っぽい色で,銀紙とは違った色です。「これで指輪をもらったときなど,鑑定できるね」と言ったら,みなさんニコニコでした。2007.4.30




◎フェライト磁石は電気を通すか

 この実験の後で,「フェライト磁石が金属でない証拠に落としたら割れてしまうんですよ」といって教室の床に落としたら,ドーナッツ型のフェライト磁石が粉々に割れてしまい,ボクが一番驚きました。やはり「瀬戸物」なんだなぁ。(2000.5.19)

 「はさむと怪我しますから気をつけてくださいね」と言ったとたんにボクが指をはさんでしまい。血だらけになってしまいました。おそろしや・・・2007.4


◎鉛筆の芯は電気を通すか

 鹿糠寄江さんから「鉛筆の芯が電気を通さなかったのだけどどうしたらよいか」という問い合わせを受けて驚きました。彼女の実験では鉛筆の芯では豆電球は点灯しなかったそうです。彼女が言うには,〈小浜真司さんも「最近の鉛筆は三菱のBとH以外はつかないようだ」といっていた〉とのこと。本当かなぁ。(2000.5.24)

渡部和江さんからも同様の情報をいただきました。またその後小浜さんからも詳しい情報をいただいています。

 だがしかし,この現象はすでに解明されているのでありました。それは『たのしい授業』臨時増刊号No.228『自由研究ハンドブック2』に載っていたのでありました。それは・・・

 西田隆さんの「電気をたくさん通す鉛筆って?!」(初出No.156,95.7)です。

この西田さんのレポートは授業書形式になっているので,予想しながらたのしむことができます。「鉛筆の濃さによる電気伝導度の違い」と「鉛筆の種類による電気伝導度の違い」のレポートです。

 このレポートを読むと「たしかにそのとおり」と納得できます。鉛筆の濃さによって黒鉛の割合が違いますから,電気伝導度が違って当然です。また「ハイユニ」などの高級な鉛筆は,黒鉛や粘土の粒が小さくなっていて,それによって電気抵抗がさらに低くなっているそうです。西田さんは3ボルト乾電池と2.5ボルトの豆電球で実験されていますが,1.5V乾電池と2.5V豆電球などの組み合わせでやれば,豆電球を点灯させることができない鉛筆(安いもので濃いもの)があるのも十分予想されます。(2000.7.6))

この実験の追試をやってみたところ,そう簡単にはいかないことを発見しました。レポートはどこかにあります。




◎乾電池の炭素棒の取り出し方

 これも鹿糠さんから聞かれて「そうか書いておいたほうがいいな」と思いました。乾電池は単一サイズ(一番大きいもの)が作業しやすいです。乾電池の側面は海苔巻きのように金属が巻かれた状態になっています。その合わせ目にマイナスドライバーを差し込んでこじ開けます。少し浮いたら,それをペンチでつかんで全部はぎとります。そうすると,亜鉛の筒が現れます。炭素棒はプラス極のキャップと一体になっています。そのキャップをペンチでつかんで引き抜くと炭素棒が一緒に抜けてきます。(2000.5.24)


◎蒸着の実験(28ぺ)

 蒸着の話の時に,簡単にできる蒸着の実験をすると良いです。それは豆電球に100ボルトを通すのです。豆電球は明るく光って瞬時に切れますが,フィラメントが蒸発して電球のガラスの内側に蒸着します。使う豆電球は1.5ボルト用がよいです。この実験のことは昔,札幌の菱直幸さんに教えていただきました。(2000.7.3)

この実験はたまに豆電球が破裂しますので,十分ご注意ください。


◎金属の壊れにくさ(40ぺ 金属の一般的な特徴)

 金属は自由電子のために力を加えても変形するだけで壊れにくいものです。それを示すには,つりのおもりの鉛をハンマーでたたくのが一番です。「これをハンマーでたたいたらどうなると思う?実は,紙みたいになってしまうんだよ。」というと,みなさん興味津々。そして実際にやってみると,「私にもやらせて」とみんなとてもうれしそうにやってくれます。ただ隣の教室から苦情が来そうなので,理科室などでやったほうが良いでしょう。(2000.7.3)

 この実験は鉛に似ていて,鉛よりももっと軟らかいインジウムという金属を使うともっと感動的にできます。インジウムはとても軟らかいため,簡単に紙のように薄くすることができるからです。インジウムは高価な金属ですが,ボクの方でお分けできます。お問い合わせください。(2000.7.19)


◎偽金作り(40ぺ 金属の一般的な特徴)

 偽金作りといっても,アルミホイルに硬貨の表面を写し取るだけですが,これがおもしろいのです。時間をかければかけるほど,そっくりに写し取れます。まず,コインが動かないようにアルミホイルでコインをつつんで,後ろはねじって留めます。はじめは,綿棒で優しく型をとっていきます。細かい部分は爪楊枝を使います。きれいに写し取れたら,後ろのねじってある部分をカッターで切り取れば,「銀ビカ10円玉」のできあがり。これで人をだますことができます。また,できたものからホンモノのコインを抜き取れば,「偽金」になります。一見本物のコインのようにみえますので,これを使って「コインの消失」の手品ができます。丸めて小さくして処理するか,シェルのように本物のコインにかぶせてしまえば,コインが消えてなくなったようにみえるでしょう。生徒さんたちは「この偽金をお店で使いたい」といっていましたが,それは無理だろぅなぁ。(2000.7.19)


◎金属による熱伝導度の違い

 授業書では,やかんの底と口に発泡スチロールの板をつけるようになっていますが,これは全く必要ないと思います。ただやかんの口に付ける発泡スチロールは,蒸気によるやけどを防ぐ為なのでしょうから,くれぐれも火傷にはご注意ください。この実験では,はっきりとした結果がでてとても感動的です。(2000.7.19)


◎鉛の圧着

 この作業は,ちょっとしたコツが必要なようで,なかなかできない生徒さんたちもいます。また上手な生徒さんは,たくさんの鉛をくっつけて芸術作品を作ったりしています。

 なおこの実験も鉛よりも軟らかいインジウムを使うと,さらに簡単にできます。インジウムの場合は,底をカッターで削るまでもなく,インジウム同士を押し合わせると,簡単にくっついてしまうのです。(2000.7.19)

・爆発圧着

 多量に金属を圧着させる方法として「爆発圧着法」というのがあるそうです。爆薬のエネルギーで瞬間的に圧着してしまうのです。圧着の方法としては,この方法が圧延圧着よりも優れているそうです。

 詳細はこちら http://www.asahi-kasei.co.jp/baclad/jp/process.html  2007.6.3




ものとその重さ》

◎高校一年生の評価と感想

■「たのしさを積み上げていきたい」

 高校生と初めての仮説実験授業《ものとその重さ》

ボクの「ハズカシー」昔話シリーズ。よりえさんの感想文も載っています。

 Rmonoto.PDF 164KB

このファイルはPDF形式です。



・重さをはかる道具

 最初の「質問」は,とてもたのしいです。手に入る限りのはかりを授業には持ってゆきます。どうもはかりって「ばね」「てんびん」「電気式」の三種類に分かれるみたいですね。ここでいつも生徒さんからでるのに実物を見せられないのが,昔の「さおばかり」。これがどうしても欲しい。昔は家にもあったのになぁ・・・。高速道路の入り口などにある「車の重さをはかるはかり」は,どういう原理かなぁ。(2000.4.22)

 さおばかりを小笠原智さんがもっているそうです。(2000.5.19)

 今年感動したのは,「重さをはかる道具」で「手」というのが出たことです。たしかに手で重さをはかるなぁ。スーパーの野菜売り場でよくやります。うーん,生徒さんはカシコイ。(2001.4.23)

 さおばかりはここで買えます。2万円もしますが・・・。(2003.7.2)

   はかりや http://www.kgmg.jp/ 

古物屋から3000円で入手しました。しかし,その大きさとおもりの重さにびっくり。2007.4





・重さの単位

 「グラムはネズミの体重,キログラムは人間の体重,ではゾウの体重は?またアリの体重は?」という感じで,これもたのしいです。「貫」がでてくると「百貫デブってどれぐらいの重さか分かる?」と予想してもらいます。また「ボクシングの時に使う体重の単位は?」とも聞きます。ほかには「カラット」なんかおもしろいかなぁ。(2000.4.22)

・[問題2]粘土の形を変えたときの重さ

 まずこの実験に使う粘土は「あぶら粘土」でなければなりません。油粘土はべとついて嫌なのですが,ほかの紙粘土などでは,ちぎれたり,乾燥してしまったりと使い勝手が悪いのです。また去年まで1キログラムの粘土を使っていたのですが,これは変形させるのが一苦労でした。今年は500グラムでやってみたら,よかったです。「ひものようにする」ときは,はかりの上にとぐろを巻いて載せると生徒さんたちは喜んでくれます。(2000.5.1)


・[問題5]せんべいの重さ

 食べ物を使う実験はたのしいものです。ただこの実験は粘土に引き続いてのものなので,粘土をさわって汚れた手で煎餅を割るのは気が引けます。そこで薄い透明のポリ手袋をして煎餅を割るようにしました。なんか衛生的で,生徒さんたちの食欲も進むようです。この実験は授業書の図のように,「煎餅を袋から出した状態」で実験しなければいけません。多少飛び散っても,台秤を使っていますから,まず結果に影響しません。
 ある家庭科教師にこの問題を出したところ,「煎餅を割ると中の空気が逃げてゆくから,重さは増える」と予想してくれて,感心したことがありました。
 ちなみのこの実験で使う煎餅は「ピーナッツ入りの南部煎餅」が一番喜ばれるようです。(2000.5.1)


・[問題6]紙の重さ

 この問題には「この授業書の紙・・・」とありますが,それではうまくいかないので,「授業書と同じ種類の紙」で実験します。小学生など小数の計算が難しい場合は,コピー用紙などを10枚重ねて10gなどキリのいい重さになるように裁断します。ボクは,10枚重ねて適当な大きさに裁断していましたが,メモ用紙を使えば簡単なことに気がつきました。メモ用紙は,それぞれが全く同じ大きさなので,それを10枚用意すればよいからです。
 この実験で注意することは「およその数」ということです。紙の重さをはかるときは電子天秤を使いますが,感量は0.1グラムですから,それ以下の重さを正確に計ることはできません。だから考えとして「1枚の紙の重さは10枚の重さの10分の一ぐらい」という予想が正しければよいので,細かい数字にこだわってはいけません。たとえば「1枚1.3グラムの紙の半分の重さ」は,0.6か0.7のどちらかの表示となるので,これは両方とも正解ということになります。
 しかしながらこれも,ぴったりの数字となるような紙をあらかじめ用意した方がよいと思います。(2000.5.1)


・「はかりのはなし」

 現在もっとも一般的なはかりは,デジタル表示の「電子天秤」(電気抵抗線式はかり)だと思いますので,そのことを付け加えておきます。(2000.5.1)

 現在最も細密なはかりは,「真空熱天秤」というものだそうです。「20グラムまでの重さのものを2000万分の1の精度で測定できる」ということですから,原子の重さの測定もできるようです。この天秤は「核融合炉の超電導コイルの壁材に不純物ガスがどれだけ出入りするかが測定するためのもの」とのこと。リンク先に図があります。http://www.g5-hakuto.jp/scientific/HVT_overview.html 2007.5.1






・[質問4]「おもさの大きいものと小さいもの」

 これもたのしい質問です。まずそれぞれに授業書に「自分が一番だと思うものの名前」を書いてもらいます。そして発表してもらうわけです。
 ボクは「重さが一番大きいもの」は,「宇宙全体」。「一番小さなもの」は「水素原子」としています。電子や素粒子などもあるでしょうが,「もの」といえるのは原子以上だと思うからです。またいろんなものの重さが載っている次の本がとても参考になります。

 ダイアグラム・グループ編著『絵で見る比較の世界ウイルスから宇宙まで』草思社 1981 

 この本には可視宇宙全体の重さが載っています。(2000.5.1)


・[研究問題]いろいろなものの重さ
 これもボクの大好きな問題です。いろんなものの重さを書いてゆくだけなのですが,これがたのしいのです。なにせ水素原子,太陽などの重さをグラム単位で指数を使わずに黒板に書いてゆくので,ゼロだらけとなります。生徒さんたちは唖然としていますが,「これを写しておいてね」というと,「えー,ゼロが何個ついているの?!」と一所懸命に写してくれます。
 地球の重さなど「それなんと読むの」とよく聞かれます。「万億兆・・・」と4桁区切りや読み方の話でも盛り上がります。「地球は宇宙で浮かんでいるのだから重さはないんじゃないの」というカシコイ意見もありました。またよく「どうやってはかったの」と聞かれますが,「どうやってはかったのかなぁ。科学者はこんなものの重さもはかれるのだね。みんなはどうやってはかったと思う?」と返すと,いろんな意見が出てまたたのしいです。


 ボクがここであげるものは以下の通りです。重さの値は,『比較の世界』に載っています。

 鉄原子,水素原子(宇宙で一番小さなものとして),ウィルス(最小の生命体?として),アフリカ象(地上最大の動物として),シロナガスクジラ(生物で最大のものとして),自分,月,地球,太陽,銀河,可視宇宙全体,チーフテン戦車,ジャンボジェット機,ピエール・ギョーマ号(乗り物中最大の重さの船)

(2000.5.9)

 この授業の時には生徒さんから決まって「それ(いろんなものの重さ),テストに出るの」と聞かれます。いままでこういう嫌らしい問題を出されてきたのでしょうね。ボクはいつも「まあテスト問題を作るのは,みなさんですけど,たとえは〈地球の重さはどれくらいか〉なんて問題だったら,〈うーんとめちゃくちゃに重い〉と答えればいいんだよ」と話しています。(2000.5.11)


・研究問題1「食塩水を濾過すると」

 「これができたら,砂漠の国も海難事故の時も飲み物に困らないんだよねー」と言いたいところなのですが,多くの生徒さんが「薄くなる」と予想し,なめてもらっても「薄くなっている」と主張するので困りものです。

 そこで塩水の代わりにイオン飲料を濾過してみることにしました。濾過したものを飲んだ生徒さんは「うーん,いつもの味だ」と納得。
 (飲み物ですので,コーヒーフィルターとスチロールコップを使用しました)  2003.7.2


・研究問題2「食塩水を蒸発させると」

 この問題は高校生のみなさんはほとんどすんなりと正解します。今年は,実際にどうなるかを「ガスバーナー検定試験」の準備もかねて,生徒さんたちにやってもらいました。無色透明な食塩水から,かなりの量の食塩が出てくる様に問題に正解した生徒さんたちも感動。(2000.5.17)

 イオン飲料の濾過に気をよくしたボクは,「イオン飲料を蒸発させると」をやってもらいました。「きっと食塩だけでなく,様々な塩分が析出しておもしろいかも」と思ったのです。しかし,やっみると生徒さんたちから「せんせー,こげているー」との声があちこちから・・・。そうでした,糖分も入っていたのだった・・・・。(2003.7.2)



・問題5「沈殿ができたときの重さの変化」

 この実験は硝酸銀と塩化ナトリウムがベストです。硝酸銀が劇薬なので,他の試薬を使う方法も紹介されていますが,硝酸銀と塩化ナトリウムの実に不思議な化学反応は捨てがたいです。
 まず硝酸銀は銀が使われていますから試薬の値段がとても高いです。また銀が使われているはずなのに,試薬の色は無色透明。このあたりを生徒さんたちはとてもおもしろがってくれます。そして混ぜ合わせたときに固体が出現するのがなんといってもおもしろいところです。しかもこの沈殿(塩化銀)は光に当てておくと,最初紫色になって,そのうち黒くなっていきます(光で分解されて銀が析出)。白黒写真と同じような反応です。
 実験の翌日,ボクや最前列に座っていた生徒さんたちの手に黒い点が出現することがあります。どうも実験の時の溶液が飛び散ったもののようです。硝酸銀そのものでも「有機物に接触すると銀を析出する」そうですから,硝酸銀溶液が飛び散ったのかも知れません。
 この実験は反応がおもしろいので,生徒さんたちにやらせたいのですが,こういうこともあり危険な劇薬ですから,教師実験で済ませた方がよいでしょう。(2000.5.17)



・カステラとボンゴ豆

 「アルコール100cm3に水100cm3を加えたら体積はどうなるか」の問題が終わった後の説明のところで,ボクはいつもメスシリンダーに,アルコール分子として丸い1袋100円のカステラを,水分子としてボンゴ豆を入れて説明しています。メリットは,もちろん,説明が終わった後に,おいしく食べられること。特にボンゴ豆は好評です。「先生,そんなに金使ってどうするの」という声も出ていました。しかし「わかりやすーい」との声を無視できませんぞ。


・500mlのペットボトルがよろしいようで

 「ミルクを飲んだ後の体重は」のところで,いままでは1.5リットルのペットボトルを買ってきて(ちゃんとリクエストをとってね)実験してもらったのですが,さすがに1.5リットルだと飲んだ後具合の悪くなる生徒さんも出たりしますので,今年からは500mlのペットボトルにしました。たくさん買っても重くないので,ボクも便利。実験の後トイレに行ってもらって,また体重を量ると,さらにたのしめます。おしっこって,本人は多量に出したつもりでも,計ってみるとそれほどでもないのね。(99.5.15)

 今年はジュースを180グラム飲んでもらって(たくさん飲める生徒さんではなかった)体重の増加をはかると,体重計で200グラムの増加。体重計をよく見ると最小単位が50グラム。「しまったもう少し飲んでもらえば良かった」とちょっと反省。(2000.5.19)


・紙芝居「サントロの実験」

 今年は愛知の渡部みゆきさん作の紙芝居を使ってみました。ただこれは「紙芝居」なのですが,読む文章がついていないので,授業書をコピーして裏に貼り付けました。使ってみると,やはり絵の威力です。とても使いやすかったです。
 またこの「サントロの実験」のところでは,「排泄物の重さを引いても計算が合わない」のところでお話を読むのをやめてみんなにその理由を予想してもらうほうがたのしめるのですが,授業書だとそこで切れているわけではないのでやりずらかったのですが,紙芝居は一枚一枚なので,そんな進め方もらくにできました。
 昔最初に「ゲンシマン」の紙芝居をやったときとても恥ずかしかったのです。そして今でもゲンシマンの紙芝居は,ちょっと恥ずかしいのですが,このサントロ先生の紙芝居はやっていても全く恥ずかしくないので,ちょっと驚きました。(2000.5.19)


モンシロチョウのなぞ》

 『たのしい授業』No.6で吉原順平さんの同名の著書を使った授業プランを山本正次さんが〈国語科よみかた授業書案〉として発表されているものです。ボクもこの読み手をぐいぐいと引きつけてゆくたのしい文章が大好きで,ふつうの授業プランのように生徒のみなさん達とたのしんでいます。ただ残念なのは,この文章が小学校の国語教科書(教育出版)に取り上げられていること。だから生徒さんたちも「小学校でやった気がする」といいながらの授業。でも,定着していないから,いろんな予想が出てたのしめます。
 この文章のもともとは牧衷さんが脚本を書いた岩波映画「モンシロチョウ」がもとだそうですので,ぜひその映画も見てみたいものです。
 この季節にはぴったりの授業ですよ。(99.5.12)



《もしも原子が見えたなら》


◎授業記録

 高校2年生のみなさんとの授業記録があります。こちらへどうぞ。


◎ゲーム「原子遊戯2」

 前崎彰宏さんの知人が開発したゲームソフトに「原子遊戯」というのがあります。これは著名な「SAMEGAME」と似たものですが,〈画面上の原子をクリックして分子を作って消していく〉というところが独特です。ただこのゲームは,一酸化炭素などの「毒の分子」を作るとマイナス点になることにちょっと違和感がありました。そこで「《もしも原子がみえたなら》専用のものも作って欲しい」と前崎さんにお願いしました。授業書に出てくる原子がみんな登場して,授業書に出てくる分子を作っていくようなルールのものが欲しかったのです。また分子ができたときの点数は,分子量が良いとも思いました。前崎さんはすぐに対応してくれて,できたのが「原子遊戯2」です。これは授業書の復習にもなるし,たのしいです。

「原子遊戯2」(もしも原子版) 

 
http://hp.vector.co.jp/authors/VA006398/cay_share.htm#aplay2



「《もし原》雑学Q&A」

 授業をやっていると生徒さんたちから,たくさんの質問が出ます。たとえば「なんで赤くないネオンサインもあるの」とか。そこでボクがこれまで調べたことをまとめてみました。まだまだ調べたいことがあるのですが,ぜひみなさんのお知恵もお借りしたいと思い,公開いたします。【レポート】のページからどうぞ。(99.4.27)

・1ぺ

 「あなたは空気を見たことがありますか」というようなところを,ボクは時間をとって生徒さんたちの意見を聞きながら,ゆっくりと進めていきます。「鉄腕アトムは〈鉄腕原子〉という意味ですね」というと「かっこわるーい」という声。そのためか,欧米で公開されたときの題名は「Astro Boy」。

・3ぺ

 ボクは「地球を実際に見てみたい」と思っています。「いまはお金さえ出せば,スペースシャトルに乗れるようになっているみたいです。」といったら生徒さんが「すごく高いのでしょ」というので,「そんなことないよ1000万円ぐらい」といったら,「高いでしょ。先生はお金持ちなの」といわれてしまいました。

 「海へ行っても水平線はまっすぐで,丸くは見えません」というところは,「水平線は丸く見える」という生徒さんがいてたのしいです。とくにこちらでは近くに観光名所の「地球岬」というのがあって,「その岬から水平線を見ると地球の丸いのが分かる」という連想による誤解が一般的に広がっているのです。「地球岬」のチキュウとは地球のことではなくて,アイヌ語が起源です。また「丸く見えないから水平線」というのですよね。

・4ぺ

 科学者が原子のことを調べる方法として「想像・計算・実験」というのがあります。「想像はみなさんの中にも得意な人がいるでしょ。授業中でもほかのことを空想しているとか・・・」というと「それ俺!」とかいう生徒さんがいます。「すごい,科学者に向いているのかも」と答えます。「エッチなことでもいいの」という質問もありますが・・・。
 「難しい計算」という説明に今まで困っていたのですが,《ものとその重さ》で小さい紙片の重さを計算して出したことをいえばよいのだということが分かりました。《ものとその重さ》には「水素原子一個の重さ」というのも出てきます。「前の授業でやったように,きっとわり算して計算したんだよね」というと納得してくれます。




・1メートル枠について

 ボクは市販の鉄パイプを買ってきて組み立てて使っています。そして分子模型をつり下げるときに最初は,糸を網状に張って,それにつりさげていました。しかしこの方法は,めんどうでしかもパイプをしまうたびごとに糸も取らないといけないものでした。そこで最近は,うまい方法を使っています。それは,糸ではなくてセロテープを使うものです。セロテープを網状に貼って,そこに分子模型をつり下げるのです。分子模型についている糸をセロテープに簡単につけることができます。また取り外しも簡単。お試しあれ。(2000.6.9)


・水分子キーホルダー

 水分子が登場したところで,みなさんに水分子キーホルダーを作ってもらいました。最初に水分子を作ってもらって,それを酸素原子のところで半分に切ります。そこに黄銅針金をΩの形にしたものを入れてボンドでとめます。その金具にキーホルダーをつなげて完成です。キーホルダーをかわいいプラスチック製のにしたこともあって,とてもかわいらしいのができました。生徒さんたちも大喜び。(2000.6.29)




・「《もしも原子がみえたなら》絵カード」

 渡部みゆきさん(愛知県)作成販売の絵カード(画用紙大)で,授業の必需品です。裏にゴム磁石をつけて黒板にバンバン張っていって使います。ホント,とても便利。赤・黒二色刷で,他の色を塗らなければなりませんが,この色塗りがまたたのしいです。
  (99.4.27)




「分子下敷き」
 札幌仮説センターで販売しているものです。1枚300円。授業が終わったあと,いつも生徒さんたちにプレゼントしています。問い合わせは斎藤敦子さん(北海道・札幌)まで。(99.8.30)

「ゲンシマン」シリーズ
 小笠原智さんの「ゲンシマン」シリーズも授業が終わったあとには定番です。紙芝居(小笠原さん製作販売 \3000)を見せて,ゲンシマンのテーマ曲「GO GO ゲンシマン!」(前崎彰宏さん製作販売)を聞いてもらって,塗り絵をたのしんでもらっています。最近はアニメ化されてビデオ作品もできました。ビデオも前崎さん(北海道・札幌)まで。ビデオの予告編が泉斗音美さんのホームページで見ることができます。
 またゲンシマンについてのいろいろな情報が,野戸谷睦さんのホームページにあります。こちらもゲンシマンファンは必見です。(99.8.30)


・「分子模型パネル」つくり

 授業の後につくるととってもたのしめます。

 レポート「分子模型パネル開発物語」

 をお読みください。
 今年度は,泉さんのイラストを台紙に加えて台紙を新しく自作しました。(99.9.4)

台紙をpdf形式でダウンロードできるようにしました。上記のレポートをご覧ください。(99.10.15)

「進歩か退化か」

 この分子模型パネル作りについてのレポートです。2000.9.2更新



「分子パズル」

 分子を4つ作るというパズルですが,なかなか難しくてたのしめます。

 仮説実験授業研究会の全国大会での配付資料が元なのですが,ボクのミスから原作者が分からなくなってしまいました。なにかご承知の方は,ぜひ連絡をください。(2000.7.23)

もとのレポートを発見しました。「4つの分子絵あわせパズル」というもので,名古屋の小学校の田岡道吉さん」作成のものです。1994.10.12の日付があります。ボクは,田岡さんのものは,まず原子に色を塗るようになっていましたが,ボクは最初から色を塗って使っています。2008.7








《イオンと食べもの》《たべものとイオン》

 100Vを通すイオンテスターを使っての授業です。たべものを使うので,生徒さんたちもとてもたのしんでくれます。今年の生徒さんも,実験が終わる度毎に,実験に使った食べ物がすべて,ほうれん草の茎や黒砂糖まで,生徒さんたちの手で消えていきました。いゃぁ,うれしい。


・スポーツ飲料とイオンテスター

 授業書にはポカリスエットが出てきます。ポカリスエットでも電球はつくのですが,食塩水や果物と比較するととても暗いです。そこで他のスポーツ飲料がどうなるのか気になって調べてみました。

 ポカリスエット
 アクエリアス
 サプリ

 この順番に電球が明るくつきます。サプリはかなり暗いです。水っぽいということ。この順序は味として感じるのと同じ結果なのでおもしろいです。


・白砂糖と黒砂糖

 なぜか巷には砂糖に関するデマがあふれています。「白砂糖は漂白しているから体に良くない」「三温糖は身体によい」「グラニュー糖は白砂糖よりも栄養がある」「黒砂糖は栄養が豊富」とどれもボクには驚くような内容ばかり。以前から砂糖のことも気になっていたので,ここで一気に調べてしまいました。そのうちレポートにします。

 とりあえず,「砂糖の標本」を作りました。いろんな砂糖をならべるだけでもたのしそうです。

◎「砂糖の標本」台紙

 8センチのシングルCDのケース用です。ファイル名をクリックするとダウンロードします。このファイルはPDF形式です。

 ・バージョンアップしました 2002.6.9

・第3版となりました。2002.6.20

  各砂糖の純度などを検討し,並び方を決めました。レポートも作成しました。【はみだしたな】でどうぞ。


 砂糖の標本.PDF 485KB

 



・ジャムにはイオンがない?!

 いろいろなたべものをイオンテスターで調べていって,おもしろかったのはジャムです。調べたものは,チョコレートジャムとイチゴジャムと,ブルベリージャム。これらは学校の給食で出るものです。原材料として,イチゴなどと表示されているので,てっきりイオンテスターの電球が光ると思っていたら,どのジャムもまったく光りません。水分が足りないためかと思って,水に溶かしてやってもだめです。この原因は何でしょうか。
 「くだものがほんの少ししか使っていなくてイオンが少ない」のか
 「イオンはあるのだが,動けない状態にある」のかどちらかだと思います。でも水に溶かしてもだめだったからなぁ。市販のジャムや手作りジャムで調べてみたくなりました。

 調べてみました。値段の高そうなジャムで実験してみると,やはり電球は光りません。お湯で溶かしてみると,電球は光りました。どうやらイオンが動けない状態だったようです。学校のジャムもお湯で溶いたら,電球は光りました。(99.5.10)


・おもしろかった結果

 多くの生徒さんたちが外れたのが,マーガリン・一味唐辛子・コショウ・味の素。マーガリンは電球がつかず,ほかのものは明るくつきました。特に味の素がとても明るくついたのには,ボクもびっくり。あれ,水に溶けるとイオンになるんだなぁ。マーガリンが電気を通さないのも,イオンがないからなのか,イオンが動けないからなのか。バターでも調べてみたくなりました。


・マーガリンとバター

 マーガリンでは電球がつきませんが,バターではどうでしょうか。バターはしょっぱいのでイオンがありそうです。しかしバターでは電球はつきません。そこでこんどはマーガリンとバターを電子レンジでとろけさせて実験してみました。さて電球はつくでしょうか。とろけたマーガリンに電極を入れるとバチバチと音がします。これは電気が流れている証拠。しばらく待つと電球がつきはじめました。しかし,バターは全くつきません。ここでジャムの時と同じように,お湯を入れて実験してみました。すると電球がとても明るくつきました。これは塩分がお湯に溶けたためでしょう。結果から,きっとマーガリンには水分がたくさん入っているのだと思われます。(2000.5.2)


・オロナミンC

 生徒さんが「オロナミンC」というドリンク剤を飲んでいたので,それでも実験してみました。生徒さんたちは「栄養があるからつく」という予想でしたが,ボクはポカリスエットの結果から考えて「つかない」と予想しました。結果は,ボクの予想通りで,電球は全くつきません。でも電極から気泡が発生するので,少しは電流が流れているようです。ドリンク剤には,ほとんどイオンは入っていないのですねー。「だから巨人は勝てないんだ」とは生徒さんの弁。(2000.5.2)

リポビタンD,アスパラC,デカビタC,リゲインなどいろんなドリンク剤でも実験してみましたが,すべてつきません。



・はちみつ

 なんかどろどろしていてアメみたいだから,そのままではつかない感じ。でも生徒さんたちは「栄養豊富」とつくとの予想。結果は,つきません。お湯で溶かすとつきました。(2001.5.17)


・バナナ

 これも生徒さんたちは「つかない」という予想が多いですが,明るくつきました。


・コショウと唐辛子

 つきません。お湯で溶かしてもダメです。

 追記。七味唐辛子やタバスコは明るくつきます。(2003.5.14)

・味の素

 とても明るくつきます。


・アダルト編

 アルコール飲料も実験してみました。(2003.5.14)

・料理用酒 とても明るくつきます。

・日本酒 つきます。

・ビール つきます。

・ワイン つきます。

・ブランデー つきません。やはり蒸留酒だからか?!


・各種飲料編

 コーヒー,紅茶,ココア,煎茶などはとても明るくつきます。コーラは暗いですがつきます。

 おもしろいのは,ペットボトルのお茶やウーロン茶,これは全然つきません。かなり薄められているようです。もしくは不純物を取り除いているのか?そうだとすると,これは全く違うものかも・・・。(2003.5.14)




・スポーツドリンク作り

 集めた材料は以下の通り。

◎苦いもの 

 炭酸カルシウム,乳酸カルシウム,ビタミンB2


◎すっぱいもの

 乳酸,クエン酸,ビタミンC,酒石酸,リンゴ酸


◎甘いもの

 果糖,ブドウ糖,はちみつ


◎香料

 オレンジ,イチゴ,バナナほか


◎食用色素


◎氷


 炭酸カルシウムなどと酸をまぜると泡が出ます。ビタミンBを入れるとオレンジ色に着色します。これにオレンジエッセンスをいれると,完全に「オレンジ味」。

 みなさん,独自の調合で,まずいものから市販品と変わらないものまでできていました。

 この授業は暑い日にやりたかったなぁ・・・今日はちょっと肌寒かったです。最高気温14度。(2002.6.21)


 



《静電気の世界》
 板倉聖宣責任編集 『サイエンス・シアターシナリオ原作 電気となかよくなろう・前編 静電気の世界』 板倉研究室より

 98年末のサイエンス・シアター「電気となかよくなろう」のシナリオ原作を見て,とても興味が出たのが静電気のことです。かなり以前から塩野広次さんの《ものとその電気》に関心をもってきたのですが,なかなか第2部ができあがらず,また「分子磁石」との関連で進めていく方法に違和感を感じていました。ところがこの原作を読むと,静電気からエレキテル,プラズマボールとなかなかいい流れで一気に視界が開ける感じになっているのです。ボクは,どうしてもこれで授業をやりたくなりました。そこでシナリオに沿って授業を始めてみたのです。

◆関連

◎『たのしい授業』2000.1号より

「電気まとい」

「電気くらげを飛ばそう」



◆授業プラン化へ

 最初『シナリオ』の通りにプラン化して授業していましたが,シアターの雰囲気と授業は違うので違和感があり,大改訂中です。(2002.2.4)

・電気石と琥珀関係を削除

 小さな電気石しか手に入らない現状では,実験結果をはっきりと示すのが難しい。生徒分の電気石が入手できるような状況になったら,また考える。


・「電気くらげ」導入

 同電位が反発する現象として「電気くらげ」で遊ぶ。




・コハクと電気石
 シアターのセットに入っていたコハクは,とてもきれいなものでした。宝石屋さんで売っているようなものなのです。以前に仮説実験授業研究会全国大会で買ったコハクとは大違い。でもこちらのものは「松ヤニの固まり」として実験に使わせていただきました。
 また電気石(ボクはずっと「でんきいし」と呼んでいた)も宝石のように透き通る結晶状のものがセットには入っていました。とても小さいのが難点ですが,とにかくきれい。昔教材屋さんで買った電気石は炭の固まりのような感じのものでした。

・湿度が気になる
 静電気の実験ですから,湿度が気になります。だいたいボクの家では加湿器を使っているため,コハクをいくらこすってもあまり静電気は発生しないみたいでした。教室もストーブの上に蒸発皿を置いて加湿しているので,湿度が気に掛かり,湿度計を持って教室へ行きました。すきま風だらけの教室では,いくら加湿しても水蒸気は逃げて行くみたいで,湿度は3ε%。これなら大丈夫そうです。一応念のため,ドライヤーを持っていきました。

・割りばしの謎
 最初の[問題1](35ぺ)の電気石をライターで加熱する実験でピンセットを使うように書いてあるのですが,次のオーブントースターで加熱する問題には,なぜか割りばしを使うように書いてあります。なにか意図がある(静電気が逃げる?)のかもと思い,その通りにしたのですが,なにぶん電気石が小さくて割りばしでつかむのは至難の業。しかたなくピンセットで取り扱ったのですが,特に問題は感じられませんでした。
 さらに53ぺのいろいろなものを回転式検電器に近づける問題で,そこにある割りばしを見た生徒さんから「割りばしはどうなるの」との声。やってみて,ボクも驚いたのは,割りばしをいくらティッシュでこすっても静電気が起きる様子がないのです。しかしすぐに「紙と木は同じようなものだから電気がおきにくいのでは」と思ったボクは,セーターなどいろんなもので割りばしをこすってみたのですが,どうにも静電気は起きていないようでした。なんで? 含まれている水分のためかなぁ?


静電気測定器が活躍
 静電気測定器(クリックすると紹介のページへ)が役に立ちます。静電気があると音と光で知らせてくれるので,目に見えない静電気のことがとても身近かに感じられます。特に予備実験では威力を発揮。これは便利ですぞ。(99/1/27)

・「ファラデー式検力器」が活躍

 山田正男さん作成の「ファラデー式検力器」は,もともとは《程度のもんだい》で磁力に対する反応を見る実験器具ですが,静電気の反応にも使えます。しかもとっても便利に。ただ帯電させたものをぶら下げた場合,支柱の菜箸の部分にくっついてしまうので,支柱から離してぶら下げる必要がありました。(99/2/3)


・電気石の加熱にはストーブが便利

 電気石の加熱にはオーブントースターを使うのですが,うちの古い教室には石油ストーブがあって,電気石の加熱はストーブの上に10秒ほど載せておくだけでOKです。これも便利だなぁ。(99/2/3)
 さらに後半に出てくる「コピーの原理」で紙を加熱するときも,ストーブはとても便利でした。(99/3/9)


・吸い寄せる小さな紙

 静電気が起きているかどうかを「2ミリぐらいの紙」が吸い付くかどうかで確かめるのですが,「2ミリの紙」といわれても,どんな紙なのかわからないので,最初発泡スチロール球をほじくって発泡スチロールのかけらで実験していました。これは大変良かったのですが,電気石のところで問題に遭遇しました。電気石は加熱してから静電気が起きたかどうか調べるので,発泡スチロールのかけらは加熱された電気石に融けてくっついてしまったのです。(99/2/3)


・金属ヘラは重すぎる

 77ぺの「問題5」で「金属ヘラに帯電したガラスを近づける」という問題がありますが,その図にあるような「お好み焼き用の金属ヘラ」では重すぎるためかちょっと湿度が高いとうまくいかないようです。より戻しをつけてあるのですがうまく動きません。スプーンを使った方がよいようです。(99/2/18)


・「竹の物差し」

 80ぺ「問題7」では「竹のものさし」を使いますが,これは「いまどきこんなもの」という感じです。割りばしを使えばよいと思います。(99/2/18)


・コップの水へのストローの近づけ方

 94ぺ「問題6」では,コップに入れた水にストローを近づけるのですが,札幌仮説サークルでやってもらったところ,「コップの横から近づけた方がわかりやすい」ということが発見されました。(99/2/18)


・ロウソクに点火

 121ぺでは「大型エレキテル」でロウソクに点火する実験が載っていましたが,これは「シアター式エレキテル」では難しいようです。(99/2/18)


・アルミの円筒

 シアター式エレキテルを使った131ぺ以降の実験では,アルミホイルで作った円筒の動きを見ます。132ぺの「問題1」などの実験は,ボクは
 愛知・岐阜物理サークル編 「カッチンコッチン電気をはこぶ」『いきいき物理わくわく実験』 新生出版 1988
で知っていました。この「カッチンコッチン」では「アルミホイルで作った円筒」などは使わずに,「画びょう」をつかうのです。ですから,「シアターでも画びょうを使えばよいのになぁ」と思っていたら,画びょうでは131ぺの実験ができないことが判明。アルミホイル円筒が軽くて表面積が大きいことが大切なのだとわかりました。
 ただ「問題1」〜「問題3」では,アルミの円筒よりは画びょう,画びょうよりは,鈴を使った方がたのしめます。
 また,シアター原作や『いきいき物理〜』には「缶にサンドペーパーをかけて金属面を出しておく」と書いてありますが,この必要はないようです。もっとも湿度によるのかもしれませんが。(99/2/18)


・飛び回るスチロール球

 シアターの実験セットには,〈食品パック容器の底とフタにアルミホイルを貼ったものの中に,墨を塗られた発砲スチロール球が入っている〉実験器具が入っています。これでスチロール球が上下に動くとてもたのしい実験ができるのですが,パック容器が小さすぎて面白味に欠けます。そこで,ペットボトルなどを使って高さ20センチぐらいのものを作ってみましたら,とてもうまくいきました。あまり高くすると動作しませんので,高さの調節が必要ですが,とても見やすくたのしめます。(99/3/10)


・エレキテルとネオンランプで遊ぶ

 《ものとその電気》より「空き缶に静電気をためることができるか」「水にはどうか」「みかんにはどうか」「人間にはどうか」という問題をエレキテルでやってみました。ネオンランプで簡単に実験できるので,とてもたのしかったです。特に,人間に電気をためて,ほかのみなさんがネオンランプを持って,好きなところに触れてたのしんでいました。(99/2/18)

 シアター式エレキテル

 写真の緑のコードと黄色のコードの間に高電圧が発生します。

 ライデンびんに電気をためるときは,それぞれのコードをライデンびんのそれぞれの金属に接続します。ミカンや人間に電気をためるときは,緑色のコードだけを発泡スチロールなどの上に置いて絶縁したミカンなどに接続します。そして写真の金属のボールチェーンを床などに垂らしておきます。









・エレキテルで蛍光管は点灯するか

 塩野広次 「電気をためる」 『ものづくりハンドブック』 仮説社 には,「電気盆の電気で蛍光管を点灯させることがてきるか」という「質問」があります。これを取り入れてみました。白熱電球やネオンランプ,グローランプでの結果も気になります。(99/2/25)
 パーツ屋で売っているネオンランプは点灯しましたが,シアターで使うネオンランプが一番明るく輝くようです。グローランプは,エレキテルでは点灯がよくわからないので,ライデン瓶を使ってみたところ,かすかに点灯するのが確認できました。
 また蛍光管は教室に使われている長いものを使ったら,エレキテルではよくわかりませんでした。これもライデン瓶を使ったら,明るく点灯しました。(99/3/9)


・「電気盆」を作る

 シアター原作の通りに「ライデン瓶」を作りましたが,生徒さんたちはエレキテルを持っていないので,ライデン瓶だけではたのしくありません。そこで上記「電気をためる」などより「電気盆」を作ってもらいました。この電気盆でライデン瓶にかなりの電気をためることができます。最初にエレキテルで電気をためたライデン瓶で「百人脅し」を体験してもらった後に,電気盆とライデン瓶を作ってもらいました。みなさん一所懸命に作っていて,「今日はたのしかった」といっていた生徒さんが多くてボクもニッコリ。どうも生徒さんたちは,ボクには信じられないことですが,電気ショックを嫌がらないみたいです。(99/2/25)

 よく考えてみましたら,ライデン瓶に電気をためるのにわざわざ電気盆はいらないはずです。そこでストローから充電できないかと考えてやってみましたが,どうもうまくいきません。やはり小さいのがだめなのかもしれません。塩ビパイプを使ってみましたら,とてもうまくいきました。塩ビパイプをテイッシュでこすって,10回ほどライデン瓶の突起に触れさせてから,ライデン瓶に触れると痛いほどの電撃がありました。
 ライデン瓶と塩ビパイプのセットで生徒さんたちにプレゼントするとよさそうです。(99/3/9)


・エレキテルの電気はどこまで伝わるか

 エレキテルの電気を一人に導くと,その人にネオンランプをつけると光ります。では,その人と手をつないだもう一人にネオンランプをつけるとどうなるでしょう。さらに手をつなぐ人数を増やしていったらどうなるでしょうか。
 これは「問題」にならないかなぁと考えています。(99/2/25)


・コピー機の原理

 シナリオ原作にある「チョコレートの削りカスを紙にくっつけて,加熱して定着」というのがうまくできません。まずチョコレートは柔らかいものなので,カッターで削ってもかんなの削りカスのように丸まってしまい,なかなか小さくなりません。また小さくなったものでも,なぜか静電気を起こした紙にくっついてくれないのです。なにかこつがあるのかなぁ。(99/3/10)


・空気清浄機の原理

 これは見事です。ただシナリオ原作には,この実験器具の作り方が詳しく載っていないので,最初アルミホイルを底面だけにつけましたら,結果が出るのに少し時間がかかりました。アルミホイルは,コップの片側全体につけると結果がはっきり見られます。(99/3/10)


・プラズマボールで遊ぶ

 プラズマボールの近くではネオンランプが点灯します。エレキテルの場合でも,接触しなくてもネオンランプが光るのが見られますが,プラズマボールのほうが明らかです。これは電場の影響を受けている為なのですが,電場について取り上げることが必要ではないかという気がしています。そうすれば,「電場の中で蛍光管や白熱電球がつくか」「電場はアルミホイルなどで遮ることができるか」という一連の問題が実験できると思うからです。プラズマボールを使って電場を教える教材にしたいと考えています。しかし「プラズマボールの周りの電場」というものがいったいどういうものなのか,よくわかっていません。(99/3/15)

 「ネビュラボール実験室」も参照してください。


《続・ぼくらはニワトリ》
 
西尾仮説サークル 「《ぼくらはニワトリ》実験記」 『科学入門教育1』 つばさ書房 仮説社発売 より

 《ぼくらはニワトリ》に出てくるニワトリは実際にどんな行動をとるか実験してみたことを授業プラン風にしたものです。ボクは「ゲージで飼われていた新入りのニワトリ」と「平飼いのもとからいたニワトリ」という対比がおもしろく,生徒さんたちに「卒業したら,みなさんも〈新入りのニワトリ〉として社会に出ていくことになるね。そのとき,みなさんだったらどうすると思うか予想してみてね」という感じで授業を進めていきます。プランは「ニワトリはどうしたか」なのですが,それを「自分だったらどうするか」としても考えてもらうわけです。
 また出てくるニワトリのほとんどは死んでしまうので,「生き残るニワトリはどれだと思う?」という感じでも進めていきます。卒業学年にはぴったりのプレゼントの様な気がしています。今年もとってもたのしめました。 99/1/31



〈吹き矢の力学〉(《社会と人間を動かす力学》)《力と運動の原理》


 特設ページへ移動しました。
こちらで。





〈程度のもんだい〉
 
僕の好きな授業書の一つです。常識を越える問題続きで頭が混乱して,最後には感動的にすっきりするという感じがしています。

◎鉛筆の芯の問題
 「鉛筆の芯は磁石に反応するか」という問題で,答えは「強力な磁石に引き寄せられる」とのことなのですが,今回授業してみて驚いたのは,〈鉛筆のメーカーや同じメーカーでも種類によって,結果が異なっている〉ということです。おそらくシャープペンシルの芯と同じように粘土を使わない鉛筆の芯が出てきたような感じです。

◎山田さんの実験器具が便利
 山田正男さん作成の「ファラデー式検力器」がとても便利で,この授業書で授業をするときの必需品です。

            (98/12/15)

◎ネオジム磁石に引き寄せられる岩石

 岩石鉱物標本などで調べてみると,火成岩の多くはかなりネオジム磁石に反応しました。特に蛇紋岩はかなり強く引かれました。花崗岩,閃緑岩,はんれい岩,かんらん岩,ひん岩,安山岩も引き寄せられます。また溶岩なども引き寄せられます。それに対して堆積岩ではほとんど反応がありません。鉱物では磁鉄鉱はもちろんのこと,方鉛鉱もかなり強く引かれます。ですから,この二つの鉱物がたくさんはいっている岩石は強く引かれることになるのでしょう。(99/11/30)

◎生徒実験のススメ

 今回,生徒さん全員にコバルトや磁石を持たせて実験してもらったところ,今までにないほどの大好評。改めて授業書の解説を読んでみたら,「この授業書は,これまでの授業書以上に,〈いかにも自分が科学者になったみたい〉と感ずることもできると思います。仮説実験授業ではほとんど生徒実験をさせてきませんでしたが,この授業書の問題は,生徒実験の工夫をさせることでも面白い問題がたくさんあることと思います。」(『仮説実験授業研究3』 仮説社)とありました。やはりこの授業書では,生徒実験を多くした方がたのしいみたいです。(2001.1)


◎超強力磁石を購入

 詳細は,「磁石のなぞ」で。


◎磁石につく18-8ステンレス

 生徒実験のために18-10と18-8ステンレスのスプーンをたくさん買ってきました。しかし18-8ステンレスのスプーンをよく見ると,

「このベニスシリーズは品質をそこなわず従来よりもお値打ちなものにするために,18-8ステンレスながら磁石につく洋食器となっております。」

と書いてあるではありませんか。貝印株式会社の「ベニス・コーヒースプーン」です。たしかにほかの18-8スプーンよりは安かったのです。そこで磁石で実験してみると,18-0や13-0ステンレスよりはずっと磁性が弱いですが,たしかに磁石につくのです。うーん,いったいどういうことなのでしょうか。これはメーカーに問い合わせてみなければ・・・。

 さらにステンレスのことをインターネットで調べたら,18-8などのステンレスが非磁性体なのは「ニッケルが多いから」とのこと。ニッケルは強磁性体なのに,合金にすると非磁性体になる不思議。

(2001.1.30)

 貝印に問い合わせてみましたら,すぐに返事をもらえました。広報室の柴田昇一さん,ありがとうございます。

 ステンレスは大きく二つの種類に分けることができます。

・オーステナイト系(18-8,18-10) 非磁性
・マルテンサイト系(13-0,18-0)  磁性

 磁性の違いは原子の配列によるものです。オーステナイト系のステンレスでも,常温で叩いたり,急激に伸ばしたりすると硬さが増して強磁性体になりますこれは内部の原子配列が変わってマルテンサイト系となるからです。(このあたりの事情は,軟鉄を叩いて磁化させるのと同じだと思います。)
 18-8ステンレス製品も製造中の加工硬化により磁性を持ってしまうのです。そして「焼き鈍し」で磁性を取ってから出荷しているというわけです。この「ベニス」シリーズのスプーンは,この「焼き鈍し」行程を省略しているため,磁性をもったままとなっていたというわけです。

 ステンレスについての参考となるサイトを紹介しておきます。

・「ステンレス鋼とは」 ステンレス協会
 http://www.jssa.gr.jp/ws01.htm

・「ステンレス鋼のイロハ」 ダイワ住設
 http://www.hi-ho.ne.jp/~daiwa_n25/TECHSUS.htm

(2001.1.30)


〈爆発〉

◎ボクの変更点
 このプランは高村紀久男さんが開発されたもので『たのしい授業』に載ったものです。「圧電ポン」という〈圧電素子を使ったアルコール鉄砲〉を使うためのプランという意図で作成されたものですが,流れからいって「圧電ポン」を使うのはとても不自然にボクには思えました。「あんな装置を用意しておいて爆発しないわけはない」という感じなのです。そこで「圧電ポン」をレギュラーコーヒーの缶に改め,中に入れたアルコール蒸気に缶にあけた穴から着火するようにしました。(この方法自体の出典は不明)
 また,最初の問題が「小麦粉に火をつけるとどうなるか」というものなのですが,その小麦粉を鉄粉に変更しました。鉄粉のほうがいろいろな意見が出て,とてもたのしめるのです。
 この変更について,ちゃんとしたレポートを書くつもりでいながら,ボクが改変したプランだけが一人歩きしてしまってあちこちで実施されているようで,高村さんには失礼したと思っています。

◎アルコールには何を使う
 ボクは今まで実験に使うアルコールにはエタノールを使っていました。劇薬であるメタノールよりも安心だし,何よりもお酒の主成分ということで,親しめるものだったからです。しかもエタノールはメタノールよりも爆発可能濃度の範囲が狭く,爆発実験にたまに失敗することがあり,それがさらなるスリルを生んでいたように思えたからです。
 ところが今回授業に当たって,メタノールしか学校にないことが判明して,初めて全部の実験をメタノールでやってみることにしました。すると,その迫力に圧倒されました。まず霧吹きを使った実験では,なんと「ポンッ!!」と爆発することがあるのです。これには驚きました。エタノールよりも気化しやすいのかもしれません。またエタノールよりもにおいが少なく,これもいいなと思いました。エタノールですと,教室中が酒臭くなっていたのです。さらにコーヒー缶を使った実験では,ものすごい迫力で大爆発するのです。何度やっても,失敗はありません。こりゃいままでエタノールを使っていたのがバカみたいなものです。とにかく迫力が違います。  (98/12/10)


◎体験入学での定番

 ボクはいつもこの授業を,中学生を招待して行う「一日体験入学」のときに行っています。これほどぴったりの授業は他にはないという感じです。(2000.12.6)

◎授業で

 ボクはこの授業をやるときは,まず「ミニ本」つくりからスタートします。問題などをB4の紙に印刷したものをうまく折って8ページのミニ本を作るのです。
 授業では,「鉄粉は燃えるか」のところでは,ほとんどの生徒が期待の大きさから「よく燃える」と予想します。「スチールウールが燃えるから」という予想もありました。かしこい。
 また「鉄粉を振りかけると」のところでは,「鉄粉で線香花火」をするととてもよいことがわかりました。『たのしい授業』で紹介されていたものですが,ティッシュペーパーに鉄粉を入れてこよりにして火を付けるものです。まさに花火のように燃えます。またこれを発展させてたものとして,セロテープに鉄粉をつける方法(『たのしい授業』No.170,国友光さん紹介)や脱脂綿を使う方法(『たのしい授業』NO.173,金子泰一さん紹介)もあります。これらも見事です。これらの「花火」は,火薬を使わないので,煙が少なく室内での実験に適しています。
 最後の「アルコールを気体にしたら」のところでは,いつもたいてい生徒さんは「うまく燃えない」と予想します。これもノーミソを使っているからこそ。 (2000.12.6)

鉄粉の燃やし方は,針金にゲル状のアルコール燃料をつけて,それに鉄粉をまぶしてから着火するのが。最良の方法です。 2006.12


◎粉塵爆発

アルミ粉末が発火か 工場爆発、男性2人けが 東大阪

2006年12月19日

工場は爆発しながら激しく燃えた=19日午後2時14分、大阪府東大阪市鴻池徳庵町で、本社ヘリから


 19日午後1時半ごろ、大阪府東大阪市鴻池徳庵町、化学製品メーカー「明和産業」の敷地内の工場兼倉庫付近から出火し、鉄骨平屋建ての同建物約250平方メートルが全焼した。出火直後から大音響とともに3回爆発が起き、屋根や壁が吹き飛んだ。出火から7時間以上たった午後8時45分にほぼ火は消えた。この火災で、工場内で作業中の従業員の男性2人がやけどをして重傷を負った。工場内にあったアルミニウム粉末が何らかの原因で発火したらしい


 朝日新聞




〈錬金術入門〉覚え書き レポートあり。左のタイトルをクリックしてください。

 今度ようやく仮説社より授業書として出版されるそうです。それを記念しまして,かなり昔のものですがボクの「覚え書き」を公開いたします。ボクは,この授業書がお気に入りで,単体をたくさん持っていることもあり,かねがね「〈錬金術入門〉用授業セット」を開発しようと思っていました。来年こそは!(98/11/24)


・前田嘉宣さん(北海道)からの反応

様似の前田です。
 錬金術入門の覚書を読んで以前この授業書をやったとき,ニッケルの実験がうまく
いかなかった原因がわかり、すっきりしました。
そのときは,どうしてニッケル板(電極用の)を使っているのに,結果が違うのかと
一人悩んでいました。
 あれ以来《錬金術入門》をやっていなかったのですが,機会があればやってみようとい
う気になりました。(2000.9.25)

 前田さん,反応をありがとうございます。ボクもニッケル板には悩まされました。純ニッケルは高価なものなので,ニッケル板の値段は安すぎます。もしかしてニッケルメッキをしているだけだったりして。昔は安全ピンに「材質ニッケル」と書いてあるものを見かけたのですが,最近は見ません。また小学校ぐらいの電気工作に使う,乾電池ホルダーの電極もニッケル製だったと思うのですが,どうでしょうか。さびにくいということで使われていたと思うのですが,ニッケルが高価なものになって使われなくなったかも知れません。(2000.10.3)



〈宇宙への道〉



■「アポロ」という歌

 ポルノグラフィティのデビュー曲です。でも史実的におかしい・・・。

 apollo.pdf 2009.12.5

■宇宙のキャラクター

 惑星や恒星などをキャラクターにした図鑑です。とてもたのしいです。お気に入りは「アルファケンタウリ」。  2010.2.13




■地球の写真

 「宇宙から丸い地球を写した写真」というのはあまりありません。スペースシャトルなどは地球のすぐ近くを飛んでいて,地球全体が入るような写真を撮ることができません。ボクが知っているのは,アポロ宇宙船が撮った写真で,アフリカが写っているものです。でも授業ではやはり日本が写っている写真を使いたい・・・・。

 EarthView というソフトがあります。パソコンの「壁紙」にまるで写真のような地球を表示するソフトです。地形は人工衛星からのデータで合成されており,雲は3時間ごとの気象衛星の観測データから作り上げています。このソフトでは,地球の形(欠け具合)や中心地点などを自由に設定できるため,「日本を中心にした丸い地球」も簡単に表示させることができます。お試しを。 (2007.11.7)

 Earthview http://www.desksoft.com/EarthView.htm

 なお,雲のデータを購入すると「自動更新」になって定期的に課金されてしまいますので,ご注意ください


■実質量惑星模型

 30億分の1サイズに重さも正しくした惑星模型の製作物語です。1億分の1にも挑戦。

 wakusei.pdf 2009.12.5




■北極星へ音楽送信

NASA、北極星にビートルズの曲を発信へ

ワシントン(AP) 米航空宇宙局(NASA)は午後7時(日本時間5日午前9時)、北極星に向けてビートルズの曲「アクロス・ザ・ユニバース」を無線で発信する。


NASAが無線で宇宙に楽曲を直接発信する初の試みで、「アクロス〜」の発売から40年、NASAの遠距離宇宙通信網の誕生から45年、NASA設立から50年を記念して行われる。アイディアはロサンゼルス在住のビートルズ研究家が提示し、故ジョン・レノンとともに歌を作ったポール・マッカートニー氏や、レノン夫人のオノ・ヨーコさん、版権管理2社が楽曲使用を許可した。


マッカートニー氏は研究家を通じて、NASAに「宇宙人によろしく」とのメッセージを送った。また、版権管理会社アップルは「新規市場開拓」を図るため、楽曲使用を快諾したと述べた。


NASAはスペインの首都マドリードにある巨大アンテナから、遥か彼方の北極星に歌をデジタル送信する。歌が北極星に到達するまでには431年を要し、受信用アンテナとデジタル信号を音楽に変換する受信機が必要という。






■最も近い地球タイプの惑星

 人類が移住可能と思われる惑星が発見されました。もしかしたらそこには宇宙人がいるかも知れません。

 しかし,そこまでの距離は約20.5光年・・・。世界最高の速度で飛行中のボイジャーでも35万年かかります。宇宙人には会えそうにないですね。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070426_planet_earth/


 2007.12.16

■月のハイビジョン映像

 日本の月探査機が撮影した月面のハイビジョン映像が公開されました。実に圧巻です。A1大にまで拡大しましたがOK。

 宇宙研究開発機構のサイトからダウンロードできます。  2007.11.11

 http://www.jaxa.jp/press/2007/11/20071107_kaguya_j.html




■世界一の山と海溝

 まず,エベレストですが,1852年,測量によって世界最高峰であるとわかり,ヒマラヤ山脈の測量技師の名前より名付けられたそうです。最近の人工衛星による測量で,高さは8850mとされています。
 中国(チベット語)では,チョモランマ,意味は「神々の母」。中国語読みでは,「ヨモルンマ」。ネパールでは,サガルマータ,意味は「世界の頂上」。

 さて,では高さが2番目の山は?
 それは「K2」。「カラコルム山脈測量番号2」という仮称がそのまま使われています。高さは8611m。中国では「チョゴリ」と呼んでいます。

 日本一の山は富士山ですが,1945年まではもっと高い山が「日本一」でした。その山は「新高山」,日本領だった台湾にある山で,「玉山=ユーサン」という山です。高さ3997m。

 富士山を見たことないひとにとっては富士山のイメージは難しいです。北海道で一番高い山は,旭岳の2290m。これが,富士山五合目の標高2305mとほぼ同じです。五合目では,大気が薄くなっているため,コンタクトをしていると,目が酸欠となって苦しくてしようがありませんでした。

 さて「海で一番深いところは」と聞くと,「日本海溝」という返事が多いです。日本海溝の最深部は8020m,マリアナ海溝は1,0924+-10mです。

 また,太平洋や大西洋などの大洋底は,驚くほど平らで,ほぼ4000mの深さです。            (2007.11.1)





■きれいな惑星の写真

 この授業のときにいつも思っていたのが,「惑星の写真をみせてあげたい」ということ。いままでは,図書館で図鑑などを探して授業で使っていたのですが,使い勝手がいまいち。「惑星写真のパネルがあったらいいなぁ」と思っていました。そこでインターネットで探してみて,きれいな惑星の写真が紹介されているホームページを見つけました。

 Calvin J. Hamiltonさん制作の Views of the Solar System
 http://spaceart.com/solar/eng/homepage.htm

 いろいろな写真を並べるのではなく,本当にボクが授業で使いたかった惑星全体のきれいな写真(探査機やハッブル宇宙天文台のもの)をズバリ掲載してくれているのです。
 ここの写真を「拡大印刷ソフト(DaisyZoomPrint)」でA3大に印刷すると,とても素敵な仕上がりになりました。(99.6.8)


■太陽系の写真を簡単に入手

 上記のホームページも便利ですが,もっと楽して入手できる方法を発見しました。なんと太陽系の天体の写真がセットになっていて,一発でダウンロード(4MBくらい)できます。

NASAホームページ

http://spacelink.msfc.nasa.gov/Instructional.Materials/Curriculum.Support/Space.Science/Our.Solar.System/Solar.System.Lithograph.Set/.index.html

からダウンロードすることができる

「Solar System Lithograph Set for Space Science」

がそうです。内容は以下の通り。これで十分です。

 Our Solar System   Jupiter   Our Star The Sun 
 Moons of Jupiter  Mercury   Saturn  Venus   Uranus
 Earth   Neptune  Moon   Pluto and Charon  Mars
 Comets  Asteroids: Mathilde, Gaspra, Ida
・ NASA Resources for Educators

 画像はとてもきれいでわかりやすくインパクトがあります。
 ただこれはPDF形式のファイルなので,AcrobatReaderというソフトが必要ですが,AcrobatReaderもそのページからダウンロードできます。(99.6.18)


■NASAの写真の著作権について

 林秀明さんが「NASAのサイトに著作権について書いてあるページがある」と教えてくださいましたので,それを翻訳してみました。「版権が表示されていない写真は,非商業目的には自由に使っていいが,出典を明記すること」というように受け取れるようです。(2001.1.31)

原文 NASA Copyright Notification

GENERAL CONDITIONS:
NASA materials may not be used to state or imply the endorsement by NASA or by any NASA employee of a commercial product, service or activity, or used in any other manner that might mislead.

NASA should be acknowledged as the source of its material.

It is unlawful to falsely claim copyright or other rights in NASA material.

NASA shall in no way be liable for any costs, expenses, claims or demands arising out of use of NASA's cassettes and photographs by a recipient's distributees.

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PHOTOGRAPHY:
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(202) 358-1900
翻訳 ■NASAの著作権についての告示

◎一般的条件

 NASAの素材は,NASA,もしくはNASA従業員による承認の陳述やほのめかしによって,商業的な製品,サービス,活動に使われたり,ほかの誤解させるようなどんな方法においても使われることはありません。

 NASAはその素材の出典であることを主張することになっています。

 NASAの素材に対して著作権などの権利を偽って主張するのは不法なことです。

 NASAは受取人から譲られた者がNASAのカセットや写真を使用することによって生ずるものに対して,どんな損害,出費,要求や請求にも,決して責任を負わないことになっています。

 NASAの職員には,権利の独占的使用権を与える文書や著作権の侵害を免除したり,罪のない声明を行ったり,賠償にサインする権限は与えられていません。

◎写真
 写真は版権の記載がない限り,著作権では保護されていません。もし版権が記載されているときは,版権の所有者が優先的使用権を得ていることになります。もし版権の記載がないなら,NASAからの特別な許可は必要なしに,写真を複製したり配布したりできます。しかし,写真の中に写っている人物が誰だか見分けられるならば,その写真の商業目的での使用は,プライバシーと公表権の侵害となりますので,写真に写っている人の許可を得る必要があります。

◎問い合わせ
 これ以上の情報や助力が必要なときは,以下のところにお問い合わせください。

  (以下略)


■1億分の1惑星パネル

 上記ふたつのホームページの画像データを利用して,それぞれの惑星の大きさが実際の1億分の一になるようなパネルを作りました。「木星が一番大きな惑星」と思っていたのですが,作っていくと「輪の部分もあるから画像としては土星が最大」ということに気がつきました。土星の図は2メートル四方ぐらいのもので,A3の紙を32枚つないで作りました。印刷は「拡大印刷ソフト(DaisyZoomPrint)」を使って,土星の場合は6時間ぐらいかかりました。その間に3回ほどインクの取り替えをしたので,土星の図だけで5000円ぐらいかかっています。木星も同じぐらいの大きさなので,総経費は1万円ぐらいでしょうか。1億分の1のサイズでは,大きなものは土星,木星,海王星,天王星だけで,あとの地球型惑星は,すべてA4用紙1枚の中に収まりました。
 授業では,大きい図の木星型惑星を黒板に張って,地球型惑星は生徒さんの手元においてもらいました。「こんなにきれいなんだ。ぜひ行ってみたい」とみなさんにはとても好評でした。30億分の1模型ではイメージしにくかった,各惑星の違いがよくわかったように思います。(99.6.24)

 この「一億分の一惑星写真図」の制作と問題点についてレポートを作りました。お読みください。(99.7.3)








◎1億分の1太陽パネル

 「1億分の1惑星パネル」を作ったときから「1億分の1太陽も作りたい」と思っていました。しかし,そのサイズで太陽は直径14メートル。教室の横は8メートルしかないので,無理だと思ったのです。それに太陽は「ただ赤いだけ」という感じなので,作ってみてもあまりおもしろくないだろうという気もしていました。

 勤務校が閉校になることが決まってから,授業時数も少なくなってきていて,とても寂しい感じでいます。だからこそ,一時間一時間の授業をより手間暇かけたいと思っています。そうなると「1億分の1太陽」は必要です。

 まずは写真探しからです。写真でなくても輪郭だけでも良いのでしょうけど,ほかのパネルが全部写真なので,そういうわけにもいきません。写真はNASAのサイトからSOHOという太陽の探査サイト(http://sohowww.nascom.nasa.gov/)を知りました。そこには毎日の太陽の画像が掲載されているのです。その中から紫外線カメラによる撮影の迫力ある。画像を使うことにしました。これはふつうの望遠鏡による写真と違って,実に迫力があるのです。

 さてこの画像を拡大するわけですが,,「ZoomPrint」では最大4mまでしか拡大できないので,別のソフトHyperPrint(http://www.lively.co.jp/)を使うことにしました。しかしこのソフト,amazonでは「4〜6週間で入荷」ということなので,とりあえず体験版を使ってみることにしました。元画像の太陽が直径14mになるまで拡大すると,ε00枚のA3用紙が必要となります。それは無理なので,とりあえず写真で白く囲まれた部分のみを印刷してみることにしました。この部分だけでもA3ノビ用紙でε0枚です。印刷してみると,インク代だけでε000円もかかりました。体験版による印刷なので,すべてに黒と赤の斜線が入っています。しかもこちらのソフトはただ機械的に拡大するだけのようで,ブロックだらけの画像でした。また「のりしろ」を用意してくれないようで,貼り合わせも苦労しました。


 実際の授業では,1億分の1サイズの地球を見せながら,太陽の大きさを予想してもらいました。ほとんどの生徒さんが「太陽は地球よりも小さい」と予想するのがおもしろかったです。みんなの理由を聞いた後で,「では,これが太陽の大きさでーす」と巻物のようになった太陽のパネルを広げると生徒さんたちからは驚きの声が。さらに30億分の1サイズに拡大した左写真を示して,「ここに貼ったのは,太陽の一部分だけです」と示しました。(2005.3.17)




※1億分の1太陽

 『たのしい授業』2001年11月号には,一億分の一の太陽としてガスタンクを使った三木敦男さんの記事と写真がのっています。大迫力です。





◎1000万分の1地球パネルも作成 

 いつも 「1000万分の1地球での山の高さ」の問題では,気球を使ったり,黒板に直径1.3メートルの円を描いていたのですが,今年は直径1.3メートルの地球の写真パネルを作ってみました。
 素材は上記と同じく,NASAのサイト(NASA PHOTO GALLERY http://earth.jsc.nasa.gov/index.html)から地球がはっきりと円に写っているものを選びました。これはアポロ17号が撮影した写真で宇宙から見た地球の写真としては有名なものです。初めは70KBぐらいの画像を,「ZoomPrint」で拡大したのですが,とても汚くなってしまいました。そこでこんどは,40MBの高解像度写真データを使ってみたら,拡大したようには全然見えない,とてもきれいなものができました。
 他の惑星の写真と比較して,この地球の写真にはなんともいえない愛着を感じます。それにこれだけの大きさがあると,自分が宇宙飛行士になったような気がしてきます。
 今度は日本列島が見える写真で作ってみたいです。(2000.12.6)




■アポロ宇宙船の模型

 授業をするとき,いつも欲しいと思っていたのがアポロの模型です。ボクが子どもの頃は,そういったおもちゃがあふれていたのに,最近ではどこのおもちゃ屋で探しても見つかりませんでした。しかしついに見つけました。

 天文のソフトなどを作っているアストロアーツのホームページ
http://www.astroarts.co.jp/index-j.html

製 品 名 プラモデル組み立てキット『サターンVロケット』
本体価格 5500円

 アポロロケットがちゃんと段ごとにバラバラになり。その中には,ちゃんと司令船や月着陸船も入っているのです。ただこの年齢になってプラモデルを組み立てる意欲がわくかどうか,ちょっと心配ではありますが,注文してしまいました。無事に組み立てましたら,また報告します。(99.6.4)

 予想以上に簡単にできました。どうもアメリカのプラモデルのほうが日本の物よりも簡単なような気がします。ただ最初,昔の思い出でセメダインを接着剤に使ったところ,あまりうまくいきませんでした。そこでプラモデル専用のものを買ってきたら,とてもうまくいきました。ただ最後に塗装をしなければなりません。これは,自信がないし,めんどうなのでやっていません。それでもアポロロケットの仕組みがよく分かりました。巨体のほとんどが燃料タンクなのです。(99.6.16)

■ウソの作文

[質問3]コロンブスと一緒に出発しますか
 授業書では続けて「それぞれ反対の考えの人を自分の仲間に引き入れるように,二つに分かれて,相手を説得してごらんなさい。」となっていますが,高校生ではまず討論なんて起こりませんので,ここを「ウソの作文」にしています。「あなたの一番大事な人が,あなたとは反対のほうを選びました。彼・彼女を説得する手紙を書いてください。」という設定です。また「コロンブスの時代背景」が実感としてつかむのが難しいので,「火星への旅。所要時間4年間以上。命の保証なし。報酬1億円以上。」という設定でもいいことにしています。
 この作文は,ラブレターになります。恋と金に揺れ動く傑作が毎年登場しています。(99.5.1)


◎ヨーロッパが中心の世界地図

 ここのコロンブスの話をするときには,世界地図が必要です。それもヨーロッパが中心になっているものです。日本が中心の世界地図では,「コロンブスがなぜ西回りで行こうとしたのか」を理解するのは至難の業です。また日本のあたりが「極東」といわれる理由も分かりません。

 しかしこの「ヨーロッパ中心の掛け地図」は,いまや教材カタログに載っていないようです。でかい地図が欲しいのに・・・。(2000.12.8)



■メートル法の歴史

 授業書にも紹介されている本

 板倉聖宣編著 『数と図形の発明発見物語』 発明発見物語全集2巻 国土社

のなかのメートル法に関する章がとてもおもしろいです。ボクの大好きな文章の一つです。現在の日本では当たり前に思えるメートル法もこんな歴史があったんだなぁと思えます。また米国などで一般的にはいまだにメートル法ではなくヤードなどが使われているのも,法律による規制がないからだろうなぁと想像できます。「メートル法の歴史」という年表だけでもおもしろいのでオススメです。授業ではプリントにして生徒さんたちに渡しています。「地球の大きさは,歩いて測った」というのも,とても喜んでくれます。そして測量の終点バルセロナはオリンピックで有名で親しみやすいのです。(99.5.17)


■月まで歩いて何年?

 「月まで徒歩で何年かかるか」という問題を解くのに,ボクが黒板で四苦八苦していたら,生徒さんが

 「せんせ,地球一周が4万キロで,月まではその約10倍でしょ。そして徒歩で地球一周が3年だから,その十倍だよ。」

 おー,なんとするどい。ボクは今まで十年以上も毎年この授業書をやってきたのに,そのことに気が付いたことは一度もありませんでした。

 「あなた,ホントにかしこいねー。ボクは何年もやっているのに一度も気がついたことがなかったよ。その通りだよね。」

 彼はうれしかったのかな,授業が終わった後に,後かたづけを手伝ってくれました。こんなの初めて。ボクも賢くなったしなぁ。うれしい。(2001.2.14)


■160万キロ

 月までの距離を実感するのに自動車の走行距離をよく例に出します。もっとも生徒さんたちは運転したことないから実感はないかも・・。以前に「なんとか月までの距離を乗りたい」と思ったのですが,17万キロでエンジンがおかしくなりました。タクシーは,エンジンを削り直してε0万キロも走るそうです。

 米国では,なんと17年間で160万キロを走ったクルマがあります。所有者はセールスマンで,「32万キロでトランスミッションを交換しただけ」というのは,驚き。そのクルマは博物館に寄贈されたそうです。160万キロというと,「月往復2回」ですねぇ。


http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200612070018.html

 2006.12.13




■おすすめのビデオ

『宇宙へのフロンティア』(電通)
For All Mankind

 この映画はアポロ計画の実写映像を編集してひとつのストーリーとしたものです。宇宙飛行士の立場で描かれているので,まさに宇宙に行ったような気にさせてくれます。実写映像にこだわったためか,〈月から地球への帰還があっという間〉というのが唯一の欠点ですが,それ以外は実に素晴らしい内容です。感動ものです。レンタルビデオ店にあると思いますので,ぜひ一度ご覧ください。ボクはこのレーザーディスク版を探しています。(98/11/9)
 このビデオとLDは残念ながら,現在では生産中止となったようです。(99/8/1)

■おすすめCDROM

 山本海行さんが美しい天体写真を集めた「天体写真CDROM」を製作されました。詳しくは,【もの】のページでどうぞ。(99/10/20)

■おすすめソフト
 「太陽系シミュレーター」

 太陽系を自由に動き回って惑星などをリアルに見ることができるソフトです。詳しくは,ここで。(2000.6.22)

■おすすめ本

・『UFOプレアデス星団からの接近』 矢追純一監訳 雄鶏社 1992 5800円

 《宇宙への道》の授業では必ずUFOについて聞かれることになります。宇宙の広さを考えれば,どこかに宇宙人がいてもおかしくはありませんが,それがこの途方もない距離を何のためにか地球へ向けて旅をしに来ているとはちょっと思えません。宇宙人についての考え方の本は,あとでいくつか紹介しますが,この『UFO・・・』は,まさに衝撃的な本です。というのも,「プレアデスから来た宇宙人の乗り物」というものがとても鮮明にいくつも紹介されているからです。特にそれらの写真の背景がとても美しく,第一級の芸術写真です。なにせ全部の写真がわざわざUFOと背景の構図を考えて撮影されているのです。(ふつうはUFOを中心にした写真を撮るはず。)ボクはこんなに美しいUFOの写真をみたことがありません。


・『ワンダーボックス 惑星の不思議』 メディアファクトリー 1996 1200円

 この本には「ミニチュア太陽系模型」と「特大太陽系ポスター」がついているのですが,それがなんとみんな30億分の一のサイズなのです。つまり《宇宙への道》と同じなのです。授業書の改訂作業の時に「30億分の一という中途半端なサイズは,模型の大きさの制約による」という話を聞きましたが,この本の原本はフランスなので,まさか授業書をまねしたわけはなく,30億分の一というサイズはけっこう妥当なものだということかも知れません。


■おすすめゲーム

 カードゲームNEO」 1900円 奥野かるた店 03-3264-8031
 仮説社では,奥野かるた店の商品をたくさん扱っていますが,なぜかこれは扱っていません。奥野かるた店のサイトを見て,初めて発見した商品です。基本的には,とても美しい惑星のイラストなどが入ったカードゲームで,「役」を作って遊ぶのですが,ちょっと難しいので,たのしいルールができないかと考えています。とはいえ,イラストがとてもきれいで,見ているだけでもたのしめますし,いろんな遊び方ができそうです。電話すると,代金引換えで送ってもらえます。(2001.4.6)

・新ルール「セブンブリッジ」

 トランプのゲームに「セブンブリッジ」という麻雀に似たルールのゲームがあります。このルールを「NEO」に取り入れたところ,とてもたのしくできました。ルールを簡単に紹介します。

 7枚ずつ配ります。親は8枚。手札を早くなくしたひとが勝ちで,残った手札の合計点がマイナス点になります。
 麻雀と同じように,同じ数字や絵柄の組み合わせを作ります。

 777,7777,***,****のように同じ柄の3枚か4枚の組み合わせ
 123,789のようにつながった数字の3枚以上の組み合わせ。
 22,**のように「頭」という2枚の組み合わせ。(ただし「頭」は一組だけで,「頭」がなくてもいい)

 手札がすべて組み合わせになると勝ちです。
 親がいらないカードを1枚場に出します。
 組み合わせができる人は,そのカードをポンやチーできます。チーは前の人からしかできません。
 自分の順番になると,山札から一枚引いて,いらないカードを一枚場に捨てます。この繰り返しです。
 ポンすると,ポンした人に順番が移ります。
 ポンやチーをしたひとは,必ず出来た組み合わせを自分の前に置かなければなりません。これを「晒す」といいます。
 組み合わせが出来た人は,いつでも自分の順番のときにその組み合わせを晒すことが出来ます。
 晒してあるカードは。マイナス点には含まれません。
 カードを晒している人には,晒されているカードにつながるカードを「つける」ことが出来ます。
 777が晒されていれば,7のカードをそれにつけることができます。
 456のカードが晒されていれば,3か7のカードをそれにつけることが出来ます。


■地球ボール

 権田信朗さんが発行している「いろいろ・ものもの」10月号に,「スポーツボール型環境地球儀」の紹介がありました。
 東洋紡製でボールの表面に人工衛星からの地球の写真を印刷したもので,
 ・サッカーボール 8800円
 ・バレーボール   6800円
 ・ミニサッカーボール 3800円
の三種類があります。
 ミニサッカーボール型が直径12センチで,だいたい地球の1億分の一サイズ。通信販売で購入できます。但し発送はひと月ほどかかります。
 これは本物のボールなので,ふつうのバレーやサッカーにも使えます。《宇宙への道》がたのしくなりそうです。

東洋紡のサイト
http://www.toyobo.co.jp/egoods/top-menu/index.php




ドリルには「ごたく / ごたくどす」ごたく画面




















  

 授業書が終わった後定期テスト用のドリルとして,パソコンの「五択問題出題プログラム」である「ごたく / ごたくどす」(作者Q舎)をつかっています。ほとんどゲームなので,生徒さんたちも「正答率」や「総得点」を競い合ったりしてたのしそうです。「ごたく」は,PC9801シリーズ用のもので,「ごたくどす」がPC/AT互換機用のものです。どちらもそれぞれのWINDOWSの「DOS窓」でも動きますから,ほとんどのパソコンで動作可能です。MAC用のも出ているようです。
 問題データを作るのが大変ですが現在,〈30倍の世界〉,〈もしも原子が見えたなら〉,〈自由電子が見えたなら〉,〈程度の問題〉,〈宇宙への道〉,〈たべものとイオン〉,〈電子レンジと電磁波〉,〈もしも原子が見えたなら2〉を作りました。
 問題データにつきましては,慎重な扱いが必要と考えますので,公開しておりません。。


〈30倍の世界〉

■授業記録

 高校3年生のみなさんとの授業記録はこちらへ。

◆ライトスコープ入手情報
 ヨドバシカメラではライトスコープを2000円で売っています。もし,おいていなくても注文すれば取り寄せてもらえます。ここが一番安いのではないかと思います。

◎新ライトスコープ?!

 松下電池工業から「リチウムライト付顕微鏡」(品番BF−959)が発売されました。ライトスコープと比べて違いは,電池がリチウム電池になった(ライトが明るくなった)。携帯時にさらにコンパクトになるようになった。倍率が10〜30倍の可変になった。というところでしょうか。定価も3500円と高くなっています。
 ズームになったことで「何を見ているのか」ということがわかりやすくなったように思いますが,実際はどうなのでしょうか。ぜひとも実物を入手してみたいものです。詳細は松下電池工業のホームページでどうぞ。写真もそこからのものです。

 この情報は権田信朗さんのたのしい情報誌「いろいろ・ものもの」5月号(2000.5.6)で見て知ることができました。

(2000.5.22)








◆たのしむポイントは「世界の砂」

 いろいろな砂を見るのはたのしいものです。海外旅行をする人がいたら,砂をおみやげにしてもらうとよいでしょう。ただし,もしかすると検疫を受けないといけないのかもしれませんが。
 ボクが新婚旅行で行ったハワイ島には3種類の砂がありました。ホワイトサンド,グリーンサンド,ブラックサンドとまさに三色です。ホワイトサンドは多くのビーチで見られるもので,珊瑚礁が起源です。グリーンサンドは,ホワイトサンドにカンラン石が混じっているもので,ライトスコープで見ると宝石のようにきれいです。カンラン石があることで,ハワイ島の起源などの説明にも使えます。ブラックサンドは,玄武岩質溶岩が砕けたもので,真っ黒です。このブラックサンドがあるブラックサンド・ビーチには「砂の持ち出しは禁止」という看板がありましたので,ちょっとビクビクしながら持ってきました。このビーチは砂が黒いので,とても熱くて素足では歩けませんでした。
 このほかにも,沖縄の星砂,黄砂,ゴビ砂漠の砂などそれぞれに特徴があってたのしめます。札幌の豊田泰弘さんが中心になって,この授業書の普及と研究をされていますので,豊田先生のところには,「ライトスコープで見てたのしいもの」がたくさん集まっています。ゴビ砂漠の砂などは,豊田先生から分けていただいたものです。

◆意外な発見

 「味の素などを見る」というところで,ついでにコショウや唐辛子も見てもらいました。これが意外ときれいだったのにびっくり。特に「一味唐辛子」は,透き通っていて,とてもきれいでした。(98/10/16)

◆授業書と解説

 豊田泰弘さんが中心になってまとめた『授業書と解説 30倍の世界』が仮説実験授業研究会より発行されています。


◆「問題1」 倍率

 授業書に一辺2ミリの正方形が書いてあって,「それをライトスコープで見たらどれぐらいの大きさに見えるか」という問題で正解の一辺6センチの図も書いてあります。しかし,この一辺2ミリの正方形をライトスコープで見ても,けっしてこの大きさには見えません。

 それは,「倍率は見たものが目から25センチの距離にある」と規定しているからです。授業書の2ミリの正方形にライトスコープをあてて見るときは,目と授業書との距離は15センチほどしかありません。だから6センチの正方形は,ライトスコープの中に見えるものよりもはるかに大きく見えてしまうのです。このことを理解するには,次の「話」や「研究」を読まねばなりません。「研究」は本来扱わなくても良い内容のはずですから,ここまでの流れには難しいものがあります。

 もっとすっきりと倍率を扱って,実際にライトスコープで見えるものについてを「研究」とした方がよいのではないでしょうか。

 またこの問題では縮尺がはっきりしているミニカー(トミカなど)を見せるとたのしいです。(豊田さんから教えていただきました)

・第二部[問題3] 三色を使っているところばかりか

 この問題の選択肢は,豊田さんも「授業ノート」で指摘しているとおりにわかりにくいです。「探せるか探せないか」というのでは個人差が出てきてしまうのです。一所懸命に探す子は「簡単に」見つけてしまうのです。だから「真っ青な空や海にも青色だけでなく3色のインクを使っているのでしょうか。1色や2色だけのところもあると思いますか」というようり「ある」「ない」で聞いた方がいいです。

・[問題4] 三原色の絵の具

 豊田さんの解説には「ここでキミ子方式の色づくりをたのしむと良い」とありました。そこでやってみましたら,とてもたのしめました。そして自分で描いた絵をライトスコープで見て実験です。

 もうちょっとはみ出して,「もやし」の絵もやってみようと思います。「なぜ本物にそっくりなのか」がきっとわかると思うから。





 

〈電子レンジと電磁波〉

 
「電子レンジでスポンジ消毒」に苦情が続出

2007.01.28
Web posted at: 12:23 JST
- REUTERS

ワシントン(ロイター) 電子レンジで台所の食器洗い用スポンジが消毒できる――。米フロリダ大がこのほど発表した研究に、実際に試した人たちから苦情が続出している。乾いたスポンジを加熱してしまい、火事になりかけたケースもあるようだ。


フロリダ大の研究チームによれば、汚水に浸しておいたスポンジを電子レンジで2分間加熱したところ、スポンジ中のさまざまな細菌やウイルス、寄生虫が死滅することが分かった。この実験結果が報じられた後、複数の報道機関に、「試してみたが失敗した」という声が届き始めた。


ロイター通信に寄せられたメールは、「実験の記事に興味を持ってスポンジを電子レンジに入れてみたところ、スポンジに火がついた。家の中が煙だらけになり、電子レンジも壊れてしまった」という内容。また「スポンジは使えなくなったし、、家中にタイヤの焼けたようなにおいが充満して、窓を開けても数時間消えなかった」との報告もあった。


フロリダ大の報道担当者、アーロン・フーバー氏によると、大学に直接届いた苦情は今のところない。しかし、大学側は報道機関からの知らせを受け、ただちに「家庭で消毒する際は、スポンジが完全にぬれていることを確認すること」という警告を出した。警告文はさらに、「消毒は2分間でほぼ完了する」と強調。「金属材料が使われているスポンジは避け」「熱くなったスポンジをレンジから取り出す際には十分に注意する」よう呼び掛けている。
米軍、新たな非殺傷兵器を公開 電磁波で敵を撃退

2007.01.28
Web posted at: 12:25 JST
- AP

米ジョージア州ムーディ空軍基地(AP) 米軍はこのほど、敵に電磁波を照射して撃退する新型兵器を開発した。殺傷能力はないが、相手は火がついたような熱さを感じるという。


兵器は22日、報道陣に初公開された。実演では、軍用車の上に皿型のアンテナを設置。敵役の空軍兵士2人と記者10人が照射を受けた。


開発担当者らによると、兵器に使われているのは、ミリ波と呼ばれる電磁波。家庭用電子レンジの電磁波を皮膚に当てると、皮下数センチまで到達するのに対し、こちらは皮下わずか約0・04ミリまでしか届かない。摂氏約55度前後の熱で苦痛を与え、敵の戦闘能力を抑える効果が期待される。


通常の非殺傷兵器に比べ、射程距離が500メートル以上と長いのも特徴。ゴム弾などの約17倍に相当する。壁などの障害物は越えられないが、ほとんどの衣服は貫通するという。実演では、冬服を何枚も着た記者らが「突然、焼けるような熱さを感じた」と話した。


「この技術は将来へのカギとなる。多くの民間人や兵士の命が救われるだろう」と、担当者らは強調する。実用化は2010年以降になる見通しだが、すでに軍内の各部門が強い関心を示しているという。






■授業記録

 高校2年生のみなさんと

 Krenji.PDF 691KB

 これは当時の授業記録をそのままPDFファイルにしたものです。生徒名などの個人データが含まれているため,このレポートを見るにはパスワードが必要です。

 パスワードは,お気軽にメールでご請求ください。



■スペンサー博士について

 電子レンジの発明とスペンサー博士」についてレポートがあります。詳細は,【研究棚】へ。

 スペンサー博士の伝記はこちら。
 「
パーシー・スペンサーと彼の知への欲求


■電子レンジを使ったたのしい実験

 「電子レンジ実験室」へどうぞ。詳細は,【研究棚】へ。

◎ポップコーン

◆秘密兵器レンジ用ティーポッドはこれ

 みなさんは,電子レンジでポップコーンを作るときに,何を使っていますか。ボクがみつけた「新兵器」がこれ,電子レンジ用のティーサーバーです。ふつうのコーヒーサーバーとちがって,金属部分がないので,火花が出たりすることもなく,持ち手がプラスチックなので熱くなりにくい(電磁波を吸収しずらい),しかもフタつきでポップコーンがあふれたりもせず,フタが大きいので掃除も楽,とまさにポップコーン作りのために作られたみたいなものです。購入価格1000円。

 

 

 

◆新しいお味

 毎年,いろんな味付けに挑戦していますが,今年好評だったのが,「明太子味」。明太子のスパゲティソースをポップコーンにかけてチン。たらこがぷちぷち破裂して不気味ですが,辛い味が生徒さんたちに好評でした。反対に不評だったのが,「ピザソース味」。これはまずいです。ケチャップ系統の味はダメですね。
 「わさび味」にも挑戦しましたが,粉わさびをそのままつかったところ,全く辛くなくできました。すかさず年輩の生徒さんから「水で溶かなきゃダメだよ」と指摘。

・ チョコレート味 ココアをまぶしたのですが,全くのミスマッチ。甘い味は合わないようです。
チョコレートジャムで作ってみたところ,なかなか香りはいいけど,やはりちょっと・・・。

・バター醤油味 基本的にポテトチップスの味をまねしています。しかし,このバター醤油味は,全く美味しくありませんでした。ただバターと醤油を食べている感じで全然おいしくない・・・・。

・ミソ味 今考えるとよくやったと思います。全然美味しくないよー。

・チーズ味  2000年の新メニューはこれ。期待を持って作ったのですが,粉チーズが固まっただけで,ダメ。

・わさび味  今度は粉わさびを水でよくといてから再挑戦。結果は,全く辛くない。どうもわさびは熱によって辛さの成分が分解されるようです。

・にんにく味 乾燥ニンニクを粉にしてやったところ,ものすごーくニンニク臭いのができました。「デートに行けない」と生徒さんたちはパニックに。

・明太子味 明太子のスパゲティソースをかけてチン。辛くてとてもおいしい。生徒さんたちに大好評。一番金がかかるのが問題か。

・焼きそば味
 焼きそばソースで作ってみたところ,香りは完全に焼きそばそのもの。しかし食感はポップコーンという,実に変わった食べ物となりました。しかし生徒さんたちには好評でした。



◆ポピュラーなお味

 数年にわたる研究の結果,おいしいと好評なのは,「ガーリック味」「コンソメ味」「カレー味」「中華味」。おいしい味を発見された方は,ぜひおしえてくださいませ。

◆ポップコーンのレシピ

 なんとポップコーンの28種類にもわたるレシピを掲載しているホームページを発見。それも全米ポップコーン協会のページです。http://www.popcorn.org/rcindex.htm

Apple Popcorn Brittle Beach Party Popcorn Boston Tea Party Popcorn Cajun Corn Caramel-Nut Popcorn Crunch などなど。ひとつずつ翻訳して実際に味わってみたいと思っています。

 そのうち【ポップコーン試食室】を開設します。おたのしみに。


◎金線コップの実験

 この実験は,この授業書の中で,ボクが一番苦手とするものです。なぜなら,その食器を「電子レンジでチンしたときに火花が出るかどうか」がやってみないと分からないからです。さらに,やってみて火花が出た食器も,もう一度やるともう火花が出なくなったりするのです。ボクの感じでは,値段の安い金線の入った食器は,火花が出ないようです。一セット何千円もするウエッジウッドの金線入りコーヒーセットは,大変よく火花が出ますが,そのあと黒焦げになってしまいます。
 安いけど火花が出ない金線入り食器に鉄粉をつけたりして,なんとか火花を出そうとしていますが,これもうまくいきません。値段が高くなく,確実に火花が出る食器はないのでしょうか。(99/9/17)

 今年思いついてやってみたのが最近よく売られているメタリック系インクのサインペンを使うこと。同僚の協力を得て,彼女の持っているメタリックカラーのサインペンやボールペンを集めてみると,なんと42種類。それぞれを白い紙に塗りつけて電子レンジでチンしてみました。金属が使われているのなら火花がでたりするはずです。そして火花が出たら,これを金線コップなどの金線の部分に塗ってやれば,何度でも実験に使えるようになります。
 しかし結果は悲しいことに,水を同居させないでチンしたのにも関わらず,火花も出なければ焦げる様子もありませんでした。どうもこれらのインクには金属が使われていないようです。
 そこで今度は間違いなくマイクロ波に反応する墨を塗ってみることにしました。ただしここでの「問題」は「金線入りコップの金線から火花が出るか」なので,墨を塗ると黒くなってしまって,どうもごまかしが利きません。そこでカップの一部にだけ,気づかれないように墨を塗ったものを使いました。これは大成功。墨のところから火花が出て煙も発生します。しかもチンしたあと,生徒さんたちがカップを見て黒いので「こげている!」と感激するおまけ付き。うーん,ちょっと複雑。だましてごめん。そのあと仕掛けのない金線入り皿で実験したら,これは見事に火花が出ました。
 まあこれで墨を使えばよいと言うことが分かりました。(2000.9.26)


100円ショップで金線入りの皿を見つけて大喜びで実験。しかし・・・・全く火花は出ません。やはり安いものはだめです。高価な金線入りカップは立派な火花。うーん・・・。そこで,金文字入りのカレーの箱のことを思い出しました。《自由電子がみえたなら》でもこの箱の金文字を使うのですが,たいていはこすっても電気を通す様子はありません。しかしこの光沢は金属のはず。その証明が,電子レンジで簡単にできます。それはもう見事な火花で・・・。そうか,金線入りコップの実験のときに,金文字の実験をやればよいのだ!(2001.8.30)


◎火花が出る理由

 授業書では「電気抵抗が大きいので」となっていますが,「コップの金線やスチールウールの電気抵抗が大きい」というのは一般常識ではありません。しかも,日常で電気抵抗の大きいものに電気を流しても,発熱はしますが火花は出ません。火花は,「すきまがある(=電気抵抗がとっても大きい)と出る」というように考えた方が自然です。たとえば,雷はまさに巨大な火花(本当は放電)ですが,大地と雲の絶縁状態の空間に,電気が流れるからこそ,火花が出るのです。

 金線で火花が出る理由は,「金属だけではなく隙間がある」。スチールウールも「隙間だらけ」。ということで以降の説明も簡単になります。

 また[研究問題1]の「エナメル線に火花が出る理由」は,電気抵抗では説明ができないです。環状にしたエナメル線は,ねじった部分だけ火花が出ます。これも,「銅線と銅線の間にエナメルがあるから」と考えれば,今までと同じ理屈になります。(2001.8.31)


◎直線状のエナメル線は火花が出ないか

 授業書の解説では,「エナメル線の太さにもよるが火花が出ることもある」とあります。しかし,僕がやってみたところでは,たいへんよく火花が出ますし,ここで火花が出ないと,次の「アンテナの話」に繋がらないと思います。今までの流れでは,直線状のエナメル線が火花を出すのはおかしなことです。しかし,その長さが重要なのです。10センチぐらいの長さが,ちょうどマイクロ波の波長と合っているため,アンテナとなってマイクロ波を吸収するのです。しかし,この「アンテナ」は,どこにも繋がっていないので,吸収した電波をまた放出するわけです。

 授業では,「なんで火花が出たの」と不思議がる生徒さんたちに,携帯のアンテナの長さとエナメル線の長さを比べてもらいます。ほとんど同じです。アンテナの働きをしていたことが感動的に分かります。(2001.8.31)



◎シャープの芯をチンすると

 この実験の後に,鉛筆の芯ではどうなるのだろうと思って,鉛筆1本をそのままチンしたら,爆発してしまいました。芯の内部が加熱されて圧力が高まり,芯をロケットのように飛び出させたようです。(99/10/28)


◎「レンジマン」

 あの「ゲンシマン」の作者の小笠原智さんがこの電子レンジの授業書に関連して作ったのが「レンジマン」というシリーズのマンガです。ほぼ授業書に忠実な内容なので,まさに「学習マンガ」。詳細は作成中の小笠原さんのホームページに掲載されることでしょう。(2000.9.27)

◎卵爆弾



◎「砂糖水と食塩水」

 第二部の最後にあるこの実験は,いつもうまくいきません。「食塩水は,あまりあたたまらない」となるはずなのですが,いつも「砂糖水が一番温度が低く,食塩水が一番温度が高い」という結果になります。




 

〈ドライアイスで遊ぼう〉

◎電動かき氷器は使えるか氷かき器

 みなさまは,ドライアイスを細かく砕くのに何をお使いでしょうか。昨年までは手動式氷かきを使っていましたが,これがとても力が必要でくたくたになっていました。そこで電動かき氷器(発売元ドウシシャ,DIS-100,2480円,左の写真)を購入して授業に臨んだところ,これが全く役に立ちませんでした。すぐに空回りをして,まったく使いものにならないのです。でも札幌仮説サークルで森永さんが使っていた電動かき氷器(象印マホービン(株)電動氷かき 氷屋くまさん  品番 BN-B35) コジマ電気で4179円)は実用になっていました。どうもメーカーによって違うようです。とりあえず,ボクのものはダメです。
 みなさまお使いのもので「これは使えたよ」というものがありましたら,ぜひ教えてください。(8/29追記)


・追試報告

 佐藤重範さんより以下のような追試報告をいただきました。

 ホームページに紹介されていました,氷かき(もとは森永さん紹介されたもの。型番が変更になっていました)を買いました。象印の氷かき,BN-BA35です。6000円のところ,4800円プラス税金でした。見事にドライアイスがきれいに粉になりました。連続運転が5分までということですが,十分です。この9月の授業では,大活躍間違いなしです。どうもありがとうございました。

 

 やはり象印のがいいみたいです。ようしボクも今年はこれを買うぞ。佐藤さん,ありがとうございました。(2000.7.12)


 どこを探しても象印のが見つからず,仕方なく「メーカー製なら」ということで三洋電機製IS-T1を買いました。「チタンコート」ということで期待がもてそうです。使ってみると・・・・えーん,少しは削れるのですが,全く実用にはなりません。これなら金槌を使った方がらくです。とほほほ・・・。象印はどこに。(2000.8.23)

 佐藤重範さんから象印のものを入手した経緯や使用感などについて教えていただきました。佐藤さんの了解を得て公開いたします。ありがとうございました。

 《ドライアイスであそぼう》の更新を読みました。ボクもかなりこまったのです。そこで,象印のものをどうやって探したかというと,ホームページを見つけ,メールをだしました。すると,カタログを送ってくれたので,カタログにある近い営業所を見つけて,そこに直接電話をしたのです。型番を口頭で言うと,「○○電器さんにありますね」ということを聞き,そこの電気屋さんにいって取り寄せで注文したわけです。
 ところが,先日ホームセンターをうろうろしていたら,2980円という50%引きで売っていたのでもう一つ買えました。

昨日,使ってみましたが,10分ぐらい連続運転すると,少しオーバーヒート気味になりました。でも,そこまでは,きれいなさらさらのドライアイスができます。右手に木槌で細かくくだき,左手にかき氷器のスイッチを押さえる1時間でした。大量生産には,手回しで力任せにする方が早いですけど,感動しました。

  

 うーん,うらやましいなぁ・・・。来年こそは・・・。でもうちにある2台のかき氷器はどうしよう。(2000.9.7)

 佐藤さんからまた反応をいただきました。佐藤さんが作成中の授業プランで寒剤での実験に「電動かき氷器」が重宝するそうです。そのプランの内容もたのしみです。(2000.9.10)



◎「はちみつレモン」はどこに
 ドライアイスでシャーベットというと「はちみつレモン」が定番です。しかし,どこにも売っていない・・・。「CCレモン」に代わってしまったのであろうか・・・???

◎おいしいアイスキャンデーの秘訣
 ドライアイスで凍らせてキャンデーにしておいしいのは,なんといっても「かき氷用のシロップ」です。というのも,カキ氷に使うものですから,低温による甘味の感覚の減退を考えてちょうどよい甘さになっているのと,香りが添加されているからだと思います。これを水で2倍に薄めて使うとちょうど良いようです。
 ふつうのジュースなどは,凍らすと甘味がしなくなるので砂糖を加える必要があります。またカルピスなどの原液では,そのままでは濃すぎます。凍らしても酸味は強く感じるみたいなので,酸味の強い飲み物は向いていないかもしれません。
 おすすめは乳酸飲料系の飲み物です。ヨーグルトの香りがとてもおいしいのです。(99/8/25)

 かき氷用のシロップはふつうは「メロン」と「ストロベリー」しか売っていませんが,菓子材料などの専門店に行くと,ピーチ,オレンジ,バナナなどたくさんの種類がありました。しかも「蜂蜜入り」とかでなかなかおいしい。ただ1.8リットル入りの大きなサイズなのが困りもの。でも生徒さんには大人気。授業のあと「欲しい人にはプレゼントするよ」といったら,バナナ以外はみんな持って行かれてしまいました。(2000.8.23)


◎ドライアイスクリーム
 「ドライアイスクリーム」はボウルで作るようになっていますが,少量ならコップでも作ることができます。吹きこぼれることもありますが,理科室などの流しの上でやればよいのです。おいしく作るコツは,なんといってもバニラエッセンスを入れることです。この香りがあるのとないのとでは,味がまったく違います。ただし,あまりたくさん入れすぎると,臭いがきつくなりますから注意です。そして砂糖をたくさん入れることも大切です。冷たいものを食べるときは,味覚の感覚が鈍くなっていますので,甘味を増したほうがおいしいのです。
 牛乳とバニラと砂糖で作るドライアイスクリームは,酸味が感じられます。ドライアイスによる炭酸のためですが,この酸味がふつうのアイスクリームとはまた違った味覚をもたらしてくれます。(99/8/25)

 今年は大きめのカップを使ったため,吹きこぼしてしまう人は一人もいませんでした。やはりコップで大丈夫です。今年は練乳を水で薄めてエッセンスを加えて作ったものがとても美味しくできました。カラースプレーなどのトッピングをするとさらにたのしいです。また食用色素で色を付けたり,様々なエッセンスでいろんな味のものを作っている人もいました。ココアを入れて作ったチョコレートアイスも美味しかったです。(2000.8.23) 


◎絵カードが便利

 この授業はたのしすぎてふつうの授業書の授業というよりはものづくりみたいな感じになります。そこで便利なのが,渡部みゆきさん(愛知)作成の「絵カード」です。この絵カードに沿って授業を進めると,とてもたのしい感じになります。この絵カードには,渡部さんのたのしいイラスト満載の授業書もついています。(2000.8.23)


◎マイナス80度の世界も

 ドライアイスでたのしむときは,ついでにマイナス80度の世界も体験してみましょう。ビーカーなどにエタノールを少量入れてドライアイスを入れてゆきます。泡が収まったら,エタノールがマイナス80度に近づいた証拠。ここに花を入れて取り出し,手で触ると花びらがガラスのように割れてしまいます。柔らかいボールを入れて,取り出したボールを金槌でたたくと瀬戸物のように割れてしまいます。バナナを入れて凍らせると,本当に「バナナで釘が打てます」。
 おたのしみはこれから。試験管にジュースと割りばしを入れて,この中につけますと,すぐに凍ってアイスキャンデーのできあがり。試験管に水をかけながら割りばしを回すと上手に取れます。ただこのアイスキャンデー作りではたまに試験管が割れますので注意のほど。(2000.8.24)


〈さる・るるる〉

 五味太郎さんの絵本を伊藤善朗さんがたのしい言葉遊びのプランにしたものです。
 授業書の時でも,あまり発言のない1年生で,「たのしんでもらえるかな」とドキドキでやりました。

 ボク「今日は難しい勉強をします。生物で猿の勉強です。ちょっとつきあってみてください。」
 プリントを配ると,生徒さんたちからは「なにこれ」の声。しかし,とってもみなさんノリノリでたのしくできました。そしてこういうのって,すごく生徒さんをほめることができるので,ボクは好きです。

 ボク「うーん,今の意見いいネー。さえてるよ。天才じゃないの。」
 生徒さん「あいつ,猿の気持ちがわかるんじゃないの」 みなさん大笑いで,みんなニコニコ。

 難しいところでは,ボクはヒントを出しまくり。でもとぼけています。
 ボク「じゃ,ヒントね。答えは2文字です。」
 ボク「うーん,じゃ最終ヒント。最後の文字は〈る〉です。」
 生徒さん「全部そうなんじゃないの」
 ボク「どうでしょうか」

 〈さる・るるる〉でいつもたのしいところは,「やる」の答えのところで,必ず「ばくる」という意見が出ること。「それは方言だよ」というと,みなさんびっくり。「ばくる」は北海道の方言で「交換する」の意味。かつて東北の全国大会の売り場で,買ったTシャツのサイズが違っていたので,売り場の人に「ばくってもらえますか」と何度言っても話が通じなかった経験がありました。
 それと,「せる」の答えのところで,必ず出る「はる」という意見。(99.11.3)



〈回文〉ことばあそび

 これも五味太郎さんの絵本から伊藤善郎さんがプラン化したものです。またこれと別に,石丸雅裕さんも回文でたのしむことばあそびのプランを作っています。こちらはイラストを生徒さんが描いたものです。石丸さんの回文はなかなか難しいものが多いです。

 新聞のコラムにおもしろい記事を見つけました。回文学会とというのがあるというのです。

 「竹やぶ焼けた」など,上から読んでも下から読んでも同じ読みになる回文を通して,街おこしに取り組んでいる市民グループがある。
 仙台市・作並温泉の住民らでつくる〈日本ことば遊び・回文学会〉。
 この会が,郷土の回文師で江戸時代に名をはせた仙代庵・細屋勘左衛門の生誕202年の昨年,全国から回文を公募。集まった作品を,このほど一冊の本にまとめた。
 これが楽しい。
 何より応募者の苦労がしのばれる。文章は長いが意味不明という作品もある。「キスが好き」と若者。「だんなが何だ」とすごむ奥さん。
 短い文はみんなが思いつくようで,「確かに貸した」「鯛焼き焼いた」はそれぞれ応募者が七人もいた。
 江別市の中村好男さん(68)節子さん(60)夫妻は,二人で20作品以上も応募した。
 たまたま書店で雑誌を立ち読みして募集を知り,夫婦で回文作りに精を出した。
 「写真家」→「感謝し」「よい旅よ」→「呼びたいよ」などのように,逆さに読んでも意味が通じる言葉を集めて少しずつ文章を作っていったという。
 合作の歌が寡作に入った。
 〈鉄道よ ゆき先寂びた いい里さ いい旅先さ 休養とって〉
 でも,その後は回文から遠ざかっているそうだ。
 「主催者側から会に入らないかと誘われたのですけど・・・。あまり凝りすぎると,本を読んでいても,回文になる言葉ばかり探して,集中できないんですよ」。好男さんは笑う。
 ちなみに最優秀賞は
 〈夜キスしながら,そのあとあなたをみつめる目
  「罪だなぁ」と,あの空悲しすぎるよ〉
 なかなか詩的な作品です。

 『北海道新聞』2000.8.5夕刊のコラムより

 「回文師」なんてのがいたんですね。でもここまでくると難しいなぁ。五味さんの絵本程度が難しさもちょうど良くてたのしいです。(2000.8.10)


・「ラリラリラ」

 NHK教育番組の「ピタゴラスイッチ」に登場する「こたつたこ」の動画をそのまま言葉遊びのプランにしたものです。

 すべて五文字なので,難しくなくていいです。でも,なかなか当たらない人もいてたのしめます。絵がとてもカワイイです。

 「こたつたこ」はDVDブックとしても発売になっています。このプランでたのしんだ後,そのDVDを見ると,さらにたのしめるでしょう。歌がとってもいいので,このまま学芸会などにも使えそうです。

 2010.4.17

rarirarira.pdf  

 見るにはパスワードが必要です。パスワードの請求には,お読みになりたいファイルの名前を明記してください。また,著作権を尊重するために,DVDブックのご購入もよろしくお願い致します。




 


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